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ラブラブな二人

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生徒会長ムロイと風紀委員長アンリは恋人同士だ。

二人はラブラブなんだけど、生徒会と風紀は仲悪いというイメージがなんとなくあるから二人は、皆には内緒で付き合っている。

ちなみに、二人は完璧に内緒にできているつもりだが、二人が付き合っているのは周りにモロバレなのだ。

でも、内緒にしてるつもりだけど内緒にできていないという二人の恋愛を、周りは生暖かい眼差しで楽しんでいる。

恋人達のムフフなんて、娯楽が少ない学園では美味しいスイーツのようなものであった。



「ムロイ!今日という今日は泣かせてやるぜ!」

アンリの今日のマウントに周りは思う。

ベッドで鳴かせるんですね!

「上等だオイ!この私をナメるんじゃない!」

ムロイのマウント返しに周りは思う。

ムロイをアンリがペロペロと身体を舐めるんですね!

人前では歪み合う二人が、人前じゃない時は抱きしめあって熱烈なキスをしていて、そんな二人を周りは当然のように覗き見でガン見しているのである。

「ムロイ……泣かせたいなんて思ってないぜ。ベッドの中でだけ可愛く鳴かせたいとは思っているがな。俺のためだけに鳴いてくれるか?」

「あぁ、アンリ。貴方になら私の全てを捧げてしまいたい。私をアンリのベッドという鳥籠に閉じ込めて、アンリのためだけのカナリヤとして鳴かせてほしいよ。世界で一番の愛を奏でてみせるから」

そんな二人をみて周りは思うのだ。

今日もご馳走様です!もっとお願い致します!!



ラブラブな二人を主人公にした薄い本が定期的に学園内で製造・販売されていて、外部からお腐れ仲間の性別や年齢問わずの人達が内密に購入していたりする。

購入手段は様々だ。

もちろん薄い本のことはアンリとムロイには秘匿されている。

猛者ともなると、学園生徒にコスプレして学内に無断侵入して直接購入していた。

こんなことして問題にならないのかと問えば、学園長も理事長もお腐れな方々だから大丈夫なのだ。

お腐れ仲間なら学内の無断侵入なんて可愛い行為にみえるらしく、むしろお腐れ仲間な侵入者達をアンリ×ムロイのファンクラブに勧誘している。

そのファンクラブの会長はアンリ両親で副会長がムロイ両親。

どちらも腐男子と腐女子の夫婦なので、家ぐるみで仲良くしている。

息子の教育方針も同じらしく、どちらの家庭でもBL英才教育が当たり前だった。

「私達絶対に前世からの腐親友だったに違いないわ!」

「「「違いない違いない!」」」

とてもとても仲良しだけど、出会ったのはつい最近。

ちなみに、息子達の学園入学時だったりする。



互いの両親が息子達のアハンウフンな薄い本を買う時は、観賞用・保存用・布教用と何冊か購入する。

そんなことを知らないアンリとムロイは、今日も二人でイチャラブしていたのだった。
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