幸せな夢は壊れやすい

ミクリ21 (新)

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6◆狂っているハロルド

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父親だった男は毒殺して、流行り病ということにした。

メイドだった女は生き埋めにして、故郷に帰ったということにした。

妻だった女はたくさん刺して、バラバラにして埋めた。

そして、行方不明ということにしてずっと探している。



僕はきっと壊れたのだろう。

いや、壊されてしまったのだろう。

だって、人を殺しても罪の意識がないのだから。

最初はロード。

僕の愛しい恋人。

生きたままでは、けして僕達は結ばれない。

だからといって、心中はきっと意味がない。

ずっと一緒にいたくても、生きてる人間に遺体を離されてしまったらどうにもできない。

だから、こうするしかないと思ってしまった。

僕が悪魔付き?呪われてる?

そうかもしれないね。

………だって、愛する人の血に塗れて幸せを感じたのだから。

様々なモノを瓶に入れた。

肉を、臓器を、髪を、血を、骨を粉にしたモノを、全て全て………ロードだったモノを。

僕の大切な宝物。

これで、もう誰にも僕達の愛を邪魔されないね。

もし邪魔する人がいたら、消すから大丈夫だからね。



妻が行方不明になって悲しみに暮れる哀れな男。

誰もがハロルドをそう思っていた。
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