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3◆もう一人のアンセス視点
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僕は何度も死んでしまう。
それは、死ぬことが僕の運命だから。
本当は一度死んだらそこで終わりだったけれど、それを無理にねじ曲げたのはセシルだ。
運命に抗い、僕を何度も蘇生させる。
僕は僕の中で、セシルが何度も何度も傷ついている姿を見て、何もできないままただ悲しい気持ちを抱えていた。
運命に抗ったからこそ課せられたペナルティ……それが僕の記憶喪失。
一番最初の記憶喪失は、セシルがセシルのために僕の記憶を消したものだった。
失われた記憶は、全部僕の中に詰め込まれているなんてセシルは知らない。
そもそもアンセスという存在は、普通の子供ではなかった。
平民として生まれた神子になる素質を持つ子供だった。
神様のシナリオでは、おそらく神殿に見つかって保護をされ、いつか神様から神託を受け自分の運命を受け入れる。
そんなシナリオがあっただろうけれど、そのシナリオはセシルの手によって狂ってしまった。
まず神殿よりもセシルが先に僕を見つけたことで、神殿が僕を保護するというシナリオは消えた。
次に、セシルが僕に自分を受け入れてもらうために僕の記憶を消した。
そして、それでも神託はきて僕は運命を受け入れて死んだけれど、セシルはそれを蘇生した。
何度も何度も死んで生き返って記憶を失って、その繰り返しで何度も何度もセシルは傷つく。
もう諦めてほしい。
運命を受け入れてほしい。
けれど、セシルは僕を諦めない。
………僕は、ペナルティで記憶の受け皿になってしまったもう一人のアンセス。
所謂、別人格だ。
記憶のない僕の繰り返す過ち………。
それは、知ってしまうこと。
自分の死という現実を知ってしまった時、再び僕は死んで、そしてそれをセシルが蘇生しているんだ。
セシルは、僕がどうして何度も何度もこうして死んでいるのか……その謎に気付けていない節がある。
仕方ないかな。
だって、理由を訊きたくても記憶喪失になるから訊けないものね。
貴方が悲しむ度に僕は悲しくて仕方ない。
貴方の笑顔は、とても無理をしている笑顔。
貴方に現実を受け入れてほしいのに、貴方は僕を諦めない。
僕を愛してくれてありがとう。
僕も貴方を愛している。
だから……もう僕を諦めて………。
………僕の涙に、貴方は気づけない。
それは、死ぬことが僕の運命だから。
本当は一度死んだらそこで終わりだったけれど、それを無理にねじ曲げたのはセシルだ。
運命に抗い、僕を何度も蘇生させる。
僕は僕の中で、セシルが何度も何度も傷ついている姿を見て、何もできないままただ悲しい気持ちを抱えていた。
運命に抗ったからこそ課せられたペナルティ……それが僕の記憶喪失。
一番最初の記憶喪失は、セシルがセシルのために僕の記憶を消したものだった。
失われた記憶は、全部僕の中に詰め込まれているなんてセシルは知らない。
そもそもアンセスという存在は、普通の子供ではなかった。
平民として生まれた神子になる素質を持つ子供だった。
神様のシナリオでは、おそらく神殿に見つかって保護をされ、いつか神様から神託を受け自分の運命を受け入れる。
そんなシナリオがあっただろうけれど、そのシナリオはセシルの手によって狂ってしまった。
まず神殿よりもセシルが先に僕を見つけたことで、神殿が僕を保護するというシナリオは消えた。
次に、セシルが僕に自分を受け入れてもらうために僕の記憶を消した。
そして、それでも神託はきて僕は運命を受け入れて死んだけれど、セシルはそれを蘇生した。
何度も何度も死んで生き返って記憶を失って、その繰り返しで何度も何度もセシルは傷つく。
もう諦めてほしい。
運命を受け入れてほしい。
けれど、セシルは僕を諦めない。
………僕は、ペナルティで記憶の受け皿になってしまったもう一人のアンセス。
所謂、別人格だ。
記憶のない僕の繰り返す過ち………。
それは、知ってしまうこと。
自分の死という現実を知ってしまった時、再び僕は死んで、そしてそれをセシルが蘇生しているんだ。
セシルは、僕がどうして何度も何度もこうして死んでいるのか……その謎に気付けていない節がある。
仕方ないかな。
だって、理由を訊きたくても記憶喪失になるから訊けないものね。
貴方が悲しむ度に僕は悲しくて仕方ない。
貴方の笑顔は、とても無理をしている笑顔。
貴方に現実を受け入れてほしいのに、貴方は僕を諦めない。
僕を愛してくれてありがとう。
僕も貴方を愛している。
だから……もう僕を諦めて………。
………僕の涙に、貴方は気づけない。
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