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7◆カリス視点

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「カリス、こんにちは」

「………また来たのかよ」

マリクは毎日来るんだが、正体バレてないか不安になるよ。

ちゃんと平凡な平民にみえているんだろうか?

そう思いながら、俺は太い木を斧で一撃で切り倒すとサクサク薪を作っていく。

これが俺の仕事なんだ。

薪は生活に必ず必要な物だから、仕事として薪作りっていうのがあるんだ。

………ちょっと魔法でズルしてるけど、たぶんバレていない。

ちょっとだけ斧の威力上げていたり、身体強化してるけど………バレていないバレていない!

「………」

なんかマリクの視線を感じてチラリとみると、ポカンとしていた。

おい、どうした探偵君。

まさか薪作りをみるのは初めてなのか?

「カリスは………本当に平民?」

「マジで平民だけど悪いかよ」

「前に話した行方不明の令息って、魔法が得意の貴族だったんだ」

「俺は魔法苦手だから、そのお貴族様の足元にも及ばないな!」

「………」

疑われているが、俺はバレるわけにはいかないんだ。

父様の魔道具を全て取り戻すまでは………。

そして、それまでにみつけてみせる。

父様の仇………暗殺した犯人を!

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