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バナナって美味しい

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私は今、ムーンムーンという国に来ている。

私は王族で、今回は初めての他国訪問なのだ。

所謂、私の教育のための訪問である。

さて、ムーンムーンは三日月を神聖視する国だ。

至宝と呼ばれる食べ物が有名らしいが、私は現地でのお楽しみということでどんな物なのか知らない。

「ようこそおいでくださいました。アメリア王女殿下」

「歓迎ありがとうございます。この度はお世話になりますわ」

王族総出でお出迎えをしてくれて、その後は歓迎パーティーが行われる。

さぁ、至宝なる食べ物とのご対面だ!



「こちら、我が国で至宝なる食べ物と言われているムーンバナナです」

「あらまぁ」

とても立派なバナナだった。

どこにでもあるバナナだった。

黄色くて……こう、三日月みたいに曲がった……いい感じのブーメランみたいなバナナだった。

「我が国は三日月を神聖視する故に、三日月にそっくりなバナナは至宝なる食べ物なのです。我が国のバナナは独自の改良がされていて、我が国限定バナナ……その名もムーンバナナが生まれました」

「あらまぁ………」

バナナへの熱い情熱を感じる。

「さぁ、是非ともご賞味ください」

「頂きますわ」

ムキムキ。

バナナを剝いて白い中身をパクリ。

ほのかな甘みに優しい香りが私を癒やしてくれる。

「あら、なんて美味しいの!今まで食べたことのあるバナナよりも断然美味しいわ」

「それは良かったです!栄養も本来よりも5倍を誇っております」

「素晴らしいバナナね!」



その後、私はこの国のムーンバナナに惚れ込み嫁ぐことにした。

ムーンムーンとしては、願ったり叶ったりだったようでとても喜ばれたよ。

今では、私は美味しくて栄誉満点のムーンバナナを、夫と子供達と一緒に毎日食べている。
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