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第六章「副隊長編」
止まらない情熱 ☆
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披露宴も終わり会場はがやがやしていた。
俺はウィルをくっつけたまま、ノルに挨拶に行った。
「ノル!今日はお話出来て嬉しかったです。ありがとう。」
「僕こそ、会話ができる同い年くらいの人に会えて嬉しかった。サーク、そちらは?」
「婚約者のウィリアムです。すみません、少し酔っているようで。」
「初めまして、博士。ウィルと呼んでください。」
ウィルは俺に引っ付いたまま、笑顔で挨拶した。
手を差し出し握手を交わす。
ノルは屈託なく笑った。
「やっぱりモテるんだね~サークは。こんな美人の婚約者がいるなんて……。僕はまず、誰とでも話せるようにならないとな~。」
「誰とでも話す必要はないと思いますよ?大切だと思える人達を大切にすればいいんだと思います。数ではないですよ。」
俺もどちらかと言えば、引きこもっていたいタイプだ。
だからノルの気持ちはある程度わかる。
人見知りを気にしているようだが、それはノルが人より慎重で、そしてきっと心ない人の言葉に傷付いて来たからだ。
人は誰もが自分にとっていい人ではない。
だから誰とでも仲良くなる必要はないし、それが出来ない事を気にする必要なんかないのだ。
少なくとも俺はそう思う。
ノルは笑った。
「それがさらっと言えるところが、モテポイントなのかな~。僕も見習わないとな~。」
「博士、サークを見習うのはお止めになった方がいいですよ。サークは誰彼構わず魅了してしまうので、私はいつもやきもきしています。」
ウィルが真顔でそう言った。
いや、俺、別に誰彼構わず仲良くなんかしてないのに……。
でも、ウィルにそう言う心配をかけてる事は覚えておこう。
「あはは。モテすぎるのも考えものだね。気をつけるよ。そうだ、ちょっとふたり、そこに立ってよ。写真を撮ってあげる。」
ノルはそう言って、片付けかけていた写真機をセットした。
ウィルの顔を見ると、嬉しそうに笑っていた。
結婚式の雰囲気漂う大聖堂をバックに、写真を撮ってもらう。
何かちょっと、結婚を意識してしまった。
俺に寄り添うようにくっついていたウィル。
こんな甘えモードの状態で写真なんか残っちゃって、後で見て悶絶しそうだなと思った。
それもまた楽しい。
「出来たら送るよ。手紙も書きたいし。最近、あんまり研究してないみたいだけど、もう辞めたのかな?サーク?」
「いや、仕事で異動になったら、忙しくなってしまって、研究の時間がとれないんです。」
「そうか、簡単には研究だけで食べて行けないもんな……。残念だ。」
今は成功しているとはいえ、同じ研究者として、ノルもその辛い道のりを歩んで来たのだろう。
少しだけ何とも言えない気分になった。
ノルと別れ歩いていると、二次会に誘われた。
会場は敷地内のバーレストランらしい。
参加は自由で会費は各自持ちのようだ。
あそこのテラス席はとても素敵だ。
写真機があったら、今日のウィルをそこで写して残したいなと思う。
「主~!!行くよね!?」
いつの間にかシルクが側にいて、腕を絡めてきた。
いい感じに飲んでいるようだ。
ギルは二次会参加者を呼び掛ける人と話をしている。
多分、ふたりは出るつもりなのだろう。
「サーク?結婚式は終ったよね?」
反対側の腕からウィルが言った。
笑顔で言っているが、圧が凄い。
さすがにここで行くと言ったら婚約破棄されそうだ。
「シルク、ごめん。帰るわ。」
「ええええぇ~っ!?」
「これ以上のウィルの崩壊は避けたい……。」
「ん~、そだね。ヤバいね。」
シルクは納得してそう言った。
回りから見ても、今日のウィルの崩壊っぷりはヤバいようだ。
シルクは名残惜しそうに腕を離した…かと思ったら……。
「えいっ!!」
そう言って俺の体幹を揺らして体制を崩すと、自分の方に引っ張り、チュッと頬にキスをした。
「うわあぁぁっ!!シルク!てめえっ!!」
「あははっ!!隙あり~っ!!」
シルクはけらけら笑っている。
この酔っぱらいが!
何て事をしてくれたんだ!!
ギリギリとウィルに捕まれている腕に痛みが走る。
怖すぎて顔が向けられない。
黙って見ていたギルが、さすがにこれは大惨事になるとシルクを捕まえ、担いで拉致していった。
「ええと……ウィル…今のは不可抗力でして……。」
本当にもう!馬鹿シルク!
何で崩壊してるウィルを刺激するんだ!!
このままでいられる訳もなく、俺は恐る恐る顔を向ける。
ウィルはにっこり笑った。
……怖い~っ!!
次の瞬間、俺はウィルに唇を奪われた。
それはもう、これでもかと言うほど濃厚なのを長々かまされる。
ええええぇ!?
マジか、マジですか!?
人前でここまでしちゃうんですか!?
ウィルさん!?
俺はされるがまま、ねっとりしたキスを受け止め続けた。
最後に、チュッと音をさせてウィルの顔が離れる。
いやもう、待って!?
こっちは頭の中、真っ白だよ!!
ウィルはキラキラの笑顔で言った。
「帰ろうね?サーク?」
ヤバい……。
今日、俺、ウィルに食われるかもしれない……。
ウィルの顔はあからさまに欲情していた。
妖艶でいかにも捕食者の顔で笑っている。
こんな顔のウィルを人目にさらすとか、勘弁してくれ!!
俺はギルを見習ってウィルを担ぐと、姿隠しを使ってその場を離れた。
何とか家に帰ってきた。
ウィルは一階の玄関を開けるなり、俺を押し倒した。
階段に体を打ち付けて痛い。
そのまままた深く口付けられる。
「ウィル……待て……っ!!」
「俺がどれだけ我慢してたか、わかる?」
「わかった!わかったから……うっ!!」
のし掛かられて唇を奪われる。
階段の角に頭がぶつかって痛い。
でもウィルはそんな事、お構いなしにキスを続ける。
………俺がいくら性欲が無くったって、愛する人に、ここまで強く求められて、わからない訳がない。
背中は痛いが、俺はウィルの背に腕を回した。
お互いの口を吸いながら、ウィルの背中や腰、そして臀部を撫でる。
そのまま服越しに、蕾を刺激した。
「あ……っ…サーク……っ!!」
欲情に溺れたウィルがぴくんと体を跳ねさせた。
俺はそれでもウィルを離さず、口を貪った。
ウィルの腰が揺れ、欲に膨れ上がった股間を俺に擦り付ける。
はっきり言って、階段に押し倒されている俺は痛いのだが、ウィルの状況から考えるとそれどころではない。
俺はウィルの頭を押さえて、執拗に口を犯し、蕾を刺激し続けた。
「あ…っ!あ…っ!」
ウィルはキスの合間に小さく声を上げながら、リズミカルに腰を揺らして俺に擦り付ける。
俺は臀部を掴んで、ウィルの動きに合わせて力を加えた。
自分の力を以上に強く押し付けられ、擦れるので、ウィルが小さく悲鳴を上げた。
ヤバいな、エロ過ぎて可愛い。
俺はウィルを抱く腕に力を込め、ぐりぐりと責めてやった。
次第にカタカタとウィルの体が震え、力が抜けていく。
ぐちゅっと舌を吸い上げ、口を離した。
「ん……。」
「ベッドまで待てるね?ウィル?」
ウィルは頷くと、くたっと俺に身を預けた。
体を起こして抱き上げると、作ったばかりの礼服には、大きなシミが出来ている。
後で魔術を使って染み抜きしないと。
階段に押し付けられていた体が痛かったが、俺はウィルを抱えて、ベッドまで運んだ。
俺はウィルをくっつけたまま、ノルに挨拶に行った。
「ノル!今日はお話出来て嬉しかったです。ありがとう。」
「僕こそ、会話ができる同い年くらいの人に会えて嬉しかった。サーク、そちらは?」
「婚約者のウィリアムです。すみません、少し酔っているようで。」
「初めまして、博士。ウィルと呼んでください。」
ウィルは俺に引っ付いたまま、笑顔で挨拶した。
手を差し出し握手を交わす。
ノルは屈託なく笑った。
「やっぱりモテるんだね~サークは。こんな美人の婚約者がいるなんて……。僕はまず、誰とでも話せるようにならないとな~。」
「誰とでも話す必要はないと思いますよ?大切だと思える人達を大切にすればいいんだと思います。数ではないですよ。」
俺もどちらかと言えば、引きこもっていたいタイプだ。
だからノルの気持ちはある程度わかる。
人見知りを気にしているようだが、それはノルが人より慎重で、そしてきっと心ない人の言葉に傷付いて来たからだ。
人は誰もが自分にとっていい人ではない。
だから誰とでも仲良くなる必要はないし、それが出来ない事を気にする必要なんかないのだ。
少なくとも俺はそう思う。
ノルは笑った。
「それがさらっと言えるところが、モテポイントなのかな~。僕も見習わないとな~。」
「博士、サークを見習うのはお止めになった方がいいですよ。サークは誰彼構わず魅了してしまうので、私はいつもやきもきしています。」
ウィルが真顔でそう言った。
いや、俺、別に誰彼構わず仲良くなんかしてないのに……。
でも、ウィルにそう言う心配をかけてる事は覚えておこう。
「あはは。モテすぎるのも考えものだね。気をつけるよ。そうだ、ちょっとふたり、そこに立ってよ。写真を撮ってあげる。」
ノルはそう言って、片付けかけていた写真機をセットした。
ウィルの顔を見ると、嬉しそうに笑っていた。
結婚式の雰囲気漂う大聖堂をバックに、写真を撮ってもらう。
何かちょっと、結婚を意識してしまった。
俺に寄り添うようにくっついていたウィル。
こんな甘えモードの状態で写真なんか残っちゃって、後で見て悶絶しそうだなと思った。
それもまた楽しい。
「出来たら送るよ。手紙も書きたいし。最近、あんまり研究してないみたいだけど、もう辞めたのかな?サーク?」
「いや、仕事で異動になったら、忙しくなってしまって、研究の時間がとれないんです。」
「そうか、簡単には研究だけで食べて行けないもんな……。残念だ。」
今は成功しているとはいえ、同じ研究者として、ノルもその辛い道のりを歩んで来たのだろう。
少しだけ何とも言えない気分になった。
ノルと別れ歩いていると、二次会に誘われた。
会場は敷地内のバーレストランらしい。
参加は自由で会費は各自持ちのようだ。
あそこのテラス席はとても素敵だ。
写真機があったら、今日のウィルをそこで写して残したいなと思う。
「主~!!行くよね!?」
いつの間にかシルクが側にいて、腕を絡めてきた。
いい感じに飲んでいるようだ。
ギルは二次会参加者を呼び掛ける人と話をしている。
多分、ふたりは出るつもりなのだろう。
「サーク?結婚式は終ったよね?」
反対側の腕からウィルが言った。
笑顔で言っているが、圧が凄い。
さすがにここで行くと言ったら婚約破棄されそうだ。
「シルク、ごめん。帰るわ。」
「ええええぇ~っ!?」
「これ以上のウィルの崩壊は避けたい……。」
「ん~、そだね。ヤバいね。」
シルクは納得してそう言った。
回りから見ても、今日のウィルの崩壊っぷりはヤバいようだ。
シルクは名残惜しそうに腕を離した…かと思ったら……。
「えいっ!!」
そう言って俺の体幹を揺らして体制を崩すと、自分の方に引っ張り、チュッと頬にキスをした。
「うわあぁぁっ!!シルク!てめえっ!!」
「あははっ!!隙あり~っ!!」
シルクはけらけら笑っている。
この酔っぱらいが!
何て事をしてくれたんだ!!
ギリギリとウィルに捕まれている腕に痛みが走る。
怖すぎて顔が向けられない。
黙って見ていたギルが、さすがにこれは大惨事になるとシルクを捕まえ、担いで拉致していった。
「ええと……ウィル…今のは不可抗力でして……。」
本当にもう!馬鹿シルク!
何で崩壊してるウィルを刺激するんだ!!
このままでいられる訳もなく、俺は恐る恐る顔を向ける。
ウィルはにっこり笑った。
……怖い~っ!!
次の瞬間、俺はウィルに唇を奪われた。
それはもう、これでもかと言うほど濃厚なのを長々かまされる。
ええええぇ!?
マジか、マジですか!?
人前でここまでしちゃうんですか!?
ウィルさん!?
俺はされるがまま、ねっとりしたキスを受け止め続けた。
最後に、チュッと音をさせてウィルの顔が離れる。
いやもう、待って!?
こっちは頭の中、真っ白だよ!!
ウィルはキラキラの笑顔で言った。
「帰ろうね?サーク?」
ヤバい……。
今日、俺、ウィルに食われるかもしれない……。
ウィルの顔はあからさまに欲情していた。
妖艶でいかにも捕食者の顔で笑っている。
こんな顔のウィルを人目にさらすとか、勘弁してくれ!!
俺はギルを見習ってウィルを担ぐと、姿隠しを使ってその場を離れた。
何とか家に帰ってきた。
ウィルは一階の玄関を開けるなり、俺を押し倒した。
階段に体を打ち付けて痛い。
そのまままた深く口付けられる。
「ウィル……待て……っ!!」
「俺がどれだけ我慢してたか、わかる?」
「わかった!わかったから……うっ!!」
のし掛かられて唇を奪われる。
階段の角に頭がぶつかって痛い。
でもウィルはそんな事、お構いなしにキスを続ける。
………俺がいくら性欲が無くったって、愛する人に、ここまで強く求められて、わからない訳がない。
背中は痛いが、俺はウィルの背に腕を回した。
お互いの口を吸いながら、ウィルの背中や腰、そして臀部を撫でる。
そのまま服越しに、蕾を刺激した。
「あ……っ…サーク……っ!!」
欲情に溺れたウィルがぴくんと体を跳ねさせた。
俺はそれでもウィルを離さず、口を貪った。
ウィルの腰が揺れ、欲に膨れ上がった股間を俺に擦り付ける。
はっきり言って、階段に押し倒されている俺は痛いのだが、ウィルの状況から考えるとそれどころではない。
俺はウィルの頭を押さえて、執拗に口を犯し、蕾を刺激し続けた。
「あ…っ!あ…っ!」
ウィルはキスの合間に小さく声を上げながら、リズミカルに腰を揺らして俺に擦り付ける。
俺は臀部を掴んで、ウィルの動きに合わせて力を加えた。
自分の力を以上に強く押し付けられ、擦れるので、ウィルが小さく悲鳴を上げた。
ヤバいな、エロ過ぎて可愛い。
俺はウィルを抱く腕に力を込め、ぐりぐりと責めてやった。
次第にカタカタとウィルの体が震え、力が抜けていく。
ぐちゅっと舌を吸い上げ、口を離した。
「ん……。」
「ベッドまで待てるね?ウィル?」
ウィルは頷くと、くたっと俺に身を預けた。
体を起こして抱き上げると、作ったばかりの礼服には、大きなシミが出来ている。
後で魔術を使って染み抜きしないと。
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