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死が2人を分かつまで

死が2人を分かつまで

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 「アンジェリカ・スプラット侯爵令嬢!貴殿は己の権力を使用し、我が友人であるマリー・レスター伯爵令嬢に数々の嫌がらせを行った!この罪は甚だ嘆かわしい!」

 「このように証拠もある!」と意気揚々と複数の手紙、内容からして嫌がらせの協力を要請する旨が認められた代物であろう。それを掲げる王太子と彼の隣で勝ち誇ったかのような笑みを浮かべる新興伯爵家の令嬢。子息子女のお見合いを兼ねた舞踏会であった筈の催しは、2人の手により一転して茶番となった。

 王太子に名指しされなかった子息や令嬢は一様に壁に捌け、知人同士で塊になる。そうなれば主催者である王族が座る主賓席から部屋の中央にかけて不自然な空間が出来上がった。その空間に今立っているのは声高に侯爵令嬢の罪を糾弾する王太子と、王太子から友人と称された伯爵令嬢。そして罪を問われ取り残された件の侯爵令嬢だった。
 傍観者となった貴族達は彼等に白い眼を向けながらひそひそと言葉を交わす。正確には糾弾されている侯爵令嬢ではなく、糾弾している2人にであるが。
 そもそもこの場は婚約者が居る者は互いに親密を深め、まだ居ない者には円滑に探せるように設けられた機会である。謂わば王族主催のお見合い会場のようなものだ。
それなのに会場が温まったところでさあ主催者からの挨拶だと思えば、唐突に王太子とは縁もゆかりもない令嬢がしゃしゃり出て来てあろうことか彼の隣に並び出した。当の王太子も王太子で、彼女を止めようとする従者を手で制しての冒頭の台詞である。
切羽詰まっている者にとっては折角のチャンスをぶち壊されて冗談ではないし、相手が決まっている者からしても迷惑な話である。

 しかも堂々と王太子の傍に侍るマリー・レスターは貴族達の間で悪い意味で有名な女だった。
 元々王太子であるレイモンドと侯爵令嬢のアンジェリカは国王の命令により婚約した経緯を持つ。そこへ王太子に近づいたのがマリーだ。
 年若い女が婚約者を持つ王族に近づく理由は大抵は側室狙いである。特にこの国では王族が側室を持つ事は禁止されていないが、マリーは露骨過ぎた。恐らく王族と縁戚関係を持って権威を強めるつもりなのだろう。

 「あの分じゃ例の噂も本当の事かもな」

 1人の子息が当事者の3人に聞こえないよう友人に耳打ちする。例の噂とは3カ月ほど前にアンジェリカを襲った事故に関するもので、本当は事故ではなく何者かが暗殺を画策したのではないかという話が実しやかに囁かれているのである。
 事故の原因は馬車の車輪に取り付けられたボルトが緩んでいた為と見られているが、事故の3日前には問題の馬車は整備されており、整備に問題は無かったと複数の関係者が証言をしている。しかも事故後の調査ではボルトが不自然に緩められた跡があったそうで、事件の可能性が非常に高いものだった。
伯爵家は大きな商家から成り上がっただけあって、金はそこいらの公爵家や侯爵家よりも余程持っている。その上当主は司法を携わる部署の席に就いているので証拠の隠蔽や捏造は容易であった。
 王太子が高々と掲げる手紙だってきっと何者かに金を握らせて作成した代物であろう。思えば王の突然の体調不良から不審な点は尽きないが、全て状況証拠のみであって物理的な証拠は無かった。
それに伯爵家はこの国の経済の主要でもあり、当主が取引をしないと決定すれば家族全員路頭に迷ってしまう家もあれば、体裁を取り繕うのすら難しくなる家も少なくない。
 誰しも目の上のたんこぶに思っているが王家でさえも排除は難しい。レスター家はそんな強大な力を持っていた。

 誰もがアンジェリカに同情的しながらも庇う事は出来ない。そんな空気に包まれている最中に、先程マリーを止めようとした従者が複数の使用人を伴って入室してきた。
従者の友人である子爵家の子息は知っていた。この状況に陥るまではちょっとした会話が出来るくらいの余裕があった友人が、王太子があの発言をした直後に息を飲んで会場から出て行ったのを。恐らく大慌てで今の状況を知らせに行っていたのだろう。

「誠に申し訳ございません!本日の舞踏会は中止といたします!皆様ご退出を!」
 「バート!何勝手な事をしているんだ!」

 王太子が吠えるが従者と使用人は退出を促す行為を止めようとはしない。客もこれ以上茶番に付き合う気も無ければ、アンジェリカを見世物扱いして侯爵家に目を付けられるような危ない橋を渡る気も無い。素直に従って退出しようとした、その時。

 「その証拠とやらに覚えは全くございませんが」

 今まで一言も喋らなかったアンジェリカが口を開いた。淑女らしく決して大きな声では無かったが、彼女の威厳を示すかのように人の耳によく通り周りを黙らせる力があった。
 愚痴を零そうとした客も、王家の失態をこれ以上出さないよう焦る従者も、彼等の心を露知らず吠えようとする王太子も皆呆けた様子で声を発した彼女を見詰める。

 「殿下が破棄を望むとおっしゃるのなら受け入れましょう。お二人が常に互いを思い合い、生涯を通じて共に居る事を祈っております」

 2人を祝福する言葉と共に惚れ惚れするような美しいカーテシーを披露する。誰もが見惚れて動けない中、アンジェリカは周りの事なぞどこ吹く風とばかりに颯爽と開かれた扉から退出した。
 その背中は一介の貴族が同情を向けるなどおこがましいとさえ感じるような、気高く誇りある姿だった。





 混乱と王家の失墜を齎した婚約破棄から半年後、王族ゆかりの教会では王太子レイモンドと伯爵令嬢マリーとの結婚式が行われていた。初夏の爽やかな風が吹き抜ける絶好のイベント日和で、主役以外の関係者の心情とは裏腹な晴れやかな天気だった。

 「お二人は神の名の下に、病める時も健やかなる時も、富める時も貧しき時も、死がふたりを分かつまで命の続く限り、共にあり、共に歩む事を誓いますか?」
 「はい、誓います」
 「誓います」

 神官の誓いの言葉に返答をした主役達は互いの頬に誓いのキスを落とす。この瞬間に夫婦となった2人は実に幸せそうな笑みを浮かべていた。特にレイモンドは病床に臥していた己の父親が亡き妻の肖像画に何度も謝っていた事をきっと知らないのだろう。
 周りに花が咲いている新郎新婦とは対照的に、神官達と警護の為に教会の隅に控えている幾人かの兵士達の空気は極めて冷ややかだった。神官も仕事でなければこんな茶番に付き合う気は無かったであろう。現に彼等が呼んだ招待客は誰1人として教会に居なかった。と言うより、そうせざるを得なかったが正しいが。
 これ以上の顰蹙を恐れた宰相が「結婚の反対派の妨害を警戒して」という表向きの理由で式は関係者のみで執り行われる事にしたのだ。この式が終われば戴冠式を経て国民へのお披露目という流れになっており、招待客には事前に戴冠式が行われる会場近くに待機してもらっている。
 そうでなければ誰が正当な婚約者を蹴落とした女狐と、その女に騙された能天気な男の招待に参加すると言うのだろうか。この場に居る者も本当なら1分でも1秒でも見ていたくはない気持ちを表に出さないよう必死で取り繕っているのだ。
実はこの半年の間に国の未来を憂いた者達から、新たに別の人間を王太子にさせる動きはあった。しかし残念ながらレスター家に邪魔され頓挫になってしまったのは彼等の記憶に新しい。

 それでも式は滞りなく進んで行く。特に邪魔も入らず終了し、ここからは次の会場へ馬車で向かう事となる。
 この式を取り仕切る神官でもあり、王家の遠縁でもある男は心の中でひっそりと嘆息する。この後も戴冠式にて王冠を授ける重要な役目を負っているから、彼の仕事量は必然的に他の神官よりも多くなる。
しかし彼の溜息の原因は別にあった。権力争いの回避の為、幼い頃から神職の道を歩まされた男は政治に対して決して明るいとは言えない。だがレイモンドが選んだ道は歴史ある貴族からの反感を買い、国民からの信頼を下げる行為だという事はよく分かっていた。
そう遠くないうちにクーデターが起きてもおかしくはない。せめて家だけは残せるように今から動いておかなければ。神職の身でもやれる事はある筈だ。
馬車が用意されるまでの短い間に男は今後の算段をつけた。

 その時だった。

 ズン……ッ、と重い音と共に地面が僅かに揺れた。まさかこの国では滅多に起こらない地震かと皆戦慄いたがそうではなかった。
 固い物がいくつも壊れる音、断続的に何かを引きずる音、その音が段々と会場に近づいて来ている。得体の知れない不穏さに隅にいた兵士達が夫妻を守るように駆け出した。
 激しい破壊音と共に決して軟な造りではない筈の壁が粉々に砕け、音の元凶が姿を現した。これが野生の獣であればどんなに良かった事か。彼等が目の当たりにしたものは端的に言えば「人間のふりをしたナニカ」であった。

 それは人間のような形の頭をしているくせに妙に首が長かった。顔には空洞の目や口があるかと思えば、一瞬で掻き消えまるで入れ替わるように身体中に生えた時もあった。下半身は人間のような姿の時もあれば、臀部から尾のような巨大な肉の塊が付いている時もあった。肉塊の側面から生えた何本もの脚が芋虫のようで、まるで何人かの人を無理矢理くっつけたかのような不気味さを醸し出していた。
 余りの悍ましさに兵士でさえも胃から熱い物がせり上がって来る。故に対応が遅れてしまった。
 ヒュン、と風を切る音と共に、化け物に1番近い位置に居た神官見習いの少年の頭部が棒状の物で貫かれた。その棒は辿れば化け物の顎らしき部分の下から生えていた。
 またヒュン、と棒が鞭のようにしなり顎に仕舞われる。それに遅れて少年が頭から倒れた。そう、彼等が棒だと思っていたのは化け物の舌であったのだ。

 「キャアアアアアアアアアッ!!」

 マリーの絹を裂くような悲鳴で皆我に返る。女の声に反応したのか化け物の視線が彼女を捉えた。
周囲が、あ、と思った頃にはもう遅かった。女性であるマリーに目を付けた化け物は彼女を目指して、猛然とその巨体を揺らしながら迫って来たのだ。
神官達は慌てて化け物とマリーの一直線上に入らないよう距離を取り、兵士達は王太子夫妻を守る者と避難を促す者とに分かれた。
 マリーの叫びで異変に気付いたのか、表を担当していた者達も加勢に加わる。だが大勢での戦闘に向かない障害物が多い部屋で、更にパニックになった人も居る中での戦闘は困難を極めた。

 「殿下!王太子妃様こちらに!」

 化け物の狙いである2人の非難を最優先にし、前後を固めて扉を目指す。残りの兵士は次に脱出する神官達を守ったり、パニックを起こした者を怪我させないよう抑えたりと、戦っている仲間の邪魔にならないよう努めた。
化け物は巨体に似合わず、素早い動きで兵士達を翻弄した。レイモンドとマリーに拘っているのか他の人間には興味を示さなかったが、2人の間に割って入れば邪魔をするなとばかりに長い舌や腕を使って襲い掛かる。
 兵士は己の責務や矜持の為に果敢に挑んだ。力や速さもさることながら1番厄介なのは「見えない身体」だった。
 その時々によって揺れ動くように姿を変える化け物は、隙があると思っても見えない身体が剣を弾いたり攻撃をしかけてくる。化け物の全貌を把握するのは難しく、攻撃や防御のタイミングは訓練や実践で培った勘に頼るしかなかった。おまけに断続的に腹部に現れる顔は脳をざわつかせる奇声を発して此方の動きを止めてくる。
 非常に厄介な相手を兵士達は視線による意思疎通で立ち回ったり、死角を作ったりして何とか対処していた。

 「小隊長!王太子夫妻が馬車に乗り、此処から離れました!」

 化け物の目的だった2人が無事に脱出し、小隊長は1つ頷いて報告に答える。先程までは国の最重要人物を守る為に攻めあぐねていたが、ここからは我々の反撃だと意気込む。

 「よし!二手に分かれろ!アレフ隊はそのまま化け物の牽制!ブラブ隊は化け物の背後に周れ!神官の避難も忘れるな!」

 上司の命令により兵士達は効率的に別れ、ブラブ隊は素早く敵の背中に回り込む。大きなイレギュラーがあろうと皆が冷静に対処出来るのは日頃の訓練の賜物であろう。
背後を取った兵士達のうち、力自慢な大柄の男が、いの一番と剣を掲げた。
 しかし男が剣を振るおうとしたその瞬間、化け物の尾の先端が円状に広がった。円の内側には数センチはある牙が奥まで覆い尽くすように生えており、見た者は場違いにもまるで大型の動物の口のようだとぼんやりと思ってしまった。
 大柄な男は目の当たりにした光景に目を見開く。だが駆け出した脚は急には止まってくれない。仲間が咄嗟に手を伸ばすも間に合わず、男は自ら口の中へと飛び込んで行った。

ばくんっ!

 バキボキと骨や鎧が砕かれる音、捕食された仲間の絶叫。尾の膨らみが萎むにつれて音も声も小さくなっていき、やがて何も聞こえなくなった。
 壁際で守られていた神官が吐いた。鉄の匂いが充満していた部屋に吐瀉物の匂いも混じる。陳腐な表現だが、戦場でも見ない正にこの世の地獄のような光景に、兵士達は理解する前に思考を放棄した。
考えるな、目の前の化け物を殺す事だけに集中しろ。でないと死ぬぞ。

 そこから先の記憶は曖昧だ。仲間の死を認識しないようにした者、半ば狂気に任せた者とそれぞれだが一刻も早くこの化け物を始末しなければという考えは同じだった。戦いの最中、視界の隅で生存している神官の脱出を見届けたのは、自分達に僅かに残された理性からだったのか。そんな事さえも分からずに只管動き続けた。

 「だりゃぁあああああああ!」

 何度目かの尾の口が閉じられたタイミングを見計らって1人の兵士が雄叫びを挙げながら大きく跳躍する。そして落下する前に柄を逆手に持ち替え剣先を下に向けた。刃が狙う先は丁度尾の先端辺り。
男性1人分の重みに加え、重力で加速された刃は見事に化け物の尾を捉え、床に縫い付けた。

 「今だ!磔にしろ!」

 彼に続き他の兵士も次々と剣を手に跳躍し、尾や脚を自由落下の衝撃で拘束する。さしもの化け物の力でも何ヶ所か固定されてしまえば上手く振りほどく事が出来ず、とうとうバランスを崩した巨体は地響きを立てて平伏した。形勢逆転である。
 わぁっと勢いに乗った兵士達は猛攻に次ぐ猛攻で化け物を圧倒した。ある者は首も縫い留め、ある者は頭を何度も滅多刺しにした。化け物の血液なのか、青みがった粘液がより一層この世の存在ではない事を匂わせていて非常に不気味だったが、反って彼等の中には容赦なくぶちのめす理由が出来ていた。
 その中で巨大な口に飲み込まれてしまった男とはライバル関係だったエリックは四肢や手足を切り落とし、化け物の無力化に執心していた。それが無惨に殺されてしまった男へのせめてもの復讐だった。
 我武者羅に剣を振るっていると、化け物の背中に一列に生えている腕のうち1本がエリックの腕に縋りつく。背中の腕は化け物の一部とは思えない程細く白く滑らかで、例えるなら美女の腕だった。
 エリックだって男だ。普段ならこのような滑らかな肌を持つ女に縋られて悪い気はしないが、化け物相手であれば話は別である。

 「このっ!離せ化け物め!」

 背筋に悪寒が走りそうになるのを無理矢理抑えつけ、切りかかる。他の部位と違ってやけにあっさり切断されたが、頭を掠めた違和感は目の前の対処に掻き消えた。

 化け物が襲撃して来てからどれくらい経っただろうか。1時間にも満たないのかもしれないし、何時間も戦ったのかもしれない。もう化け物の身体は傷の無い場所を見つけるのが難しいくらいに重傷を負っていたが、生命力が強いのかしぶとく粘液を散らしながら抵抗しようとした。
だがそれも若い兵士が頭にまた1つ新しい穴を開けた瞬間に終わりを告げる。化け物は叫ぶ力も尽きたのか、代わりに痙攣を何度か繰り返すとピクリとも動かなくなった。

 「死んだのか……?」
 「俺達…生き残ったのか……」

 始めは呆然と呟いていた兵士達も、化け物がもう本当に動かなくなったと分かるや否やワァッと歓喜に沸いた。

 「やった!やった!とうとう死んだぞ!」
 「ざまぁみろ化け物め!!」
 「お前の所為でジョージが!」

 破壊され原型が失われた教会にて、死闘を生き残った兵士達は己の生存に安堵し、仲間の死に憤った。1人が恨み言を喚きながら化け物の頭を蹴りつけると、それと見た者達が次々と真似しだす。狂乱極まる私刑は全員の気が済むまで行われた。

 死者負傷者共に多数の多大な犠牲を払った戦いはこうして幕を閉じた。しかし生存者のうち動ける者が王宮に向かえば、待っていたのは先に帰還している筈の王太子夫妻の行方不明という驚愕の知らせであった。
 なんでも王宮に着き馬車の扉を開けたらもぬけの殻だったと言うのだ。夫妻を送り届けた兵士や御者の証言によると、2人が馬車に乗ったのを確認してから出発したのは間違いないそうだ。また王宮までの道中、馬車を止める事も無ければ夫妻が外に飛び出すような事態も起こらなかったとのこと。
 あの場に居た者の話を信じれば、2人は避難する道中で忽然と消えたという事になる。
奇々怪々としか言いようがない出来事に、当然結婚反対派が誘拐したのではと居合わせた者達に容疑がかけられた。しかしいくら調べても彼等の間に黒い関係は出て来ず、間もなく釈放された。
 そして失踪した王太子夫妻については宰相が国を挙げての捜索活動に踏み切ったが、ついぞ痕跡すら見つからず、事件から1年後に遺体のないまま2人の葬式が行われる事になるのである。

 また軍に深い傷を残したあの化け物も、事件から程なくして市中に晒す事が決定したが、回収の為に教会に訪れると死体は既に消えてしまっていた。
死体を縫い留めていた剣が外されたり壊されたりした形跡は無く、また這いずった跡も存在しない事から、学者の間で件の化け物は死亡すると肉体が急激に損壊する造りになっていたのではという考察が浮上した。
熟練の兵士ですら翻弄させる能力と筋力、死亡すれば証拠も残らない理由から、他国で人為的に作成された生物なのではと上層部で警戒が高まっていった。
事態を重く見た宰相が周辺国に影を放ったが、数年間に及ぶ調査の末そのような研究が行われた証拠は一切発見されず、結局化け物の正体は不明のまま処理されていった。

 こうして一連の出来事は歴史上最大の怪奇事件として、後の人々に様々な考察をされるようになったのであった。
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