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5話
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婚姻の儀も終わり、その後の様々な行事も滞りなく終えることができ、あっという間にひと月が経っていました。
デイビス様も、お父様の補佐として王宮に上がり、私の仕事にも助言を頂いています。
そんな私に、嬉しい誤算が待っていました。
公妾のメアリー様が、殿下の監視役のように常に殿下に付き纏(まと)い、覚悟を決めた初夜でさえ、殿下はお見えになりませんでした。
その日から今日まで一度も。
陛下と王妃様は、その事をとても重く受け止め、殿下とメアリー様を強く戒めましたが、メアリー様は返って意固地になられたと、宰相であるデイビス様のお父様よりお聞きしました。
今、私の私室は執務室のすぐ近くのお部屋です。
余りにも豹変なされたメアリー様のお気持ちが、少し落ち着くまではと、私の方から陛下にお願いしたのです。
陛下は私に対して済まなさそうになさっていますが、それとは裏腹に私の心の中はとても穏やかです。
寧(むし)ろこんな日がずっと続いてくれることを祈りたいくらいです。
執務室の中は、いつも陛下と宰相様、補佐のデイビス様、そしてたまにお見えになる王妃様、あとは秘書官の方が二名と私です。
本当なら殿下も陛下の執務を手伝いながら、覚えなければいけない事が沢山あるというのに、殆どお見えになることはありません。
本来の殿下のお仕事は全て、私達皆んなが引き受けています。
今思えば、陛下が王太子妃に私を選ばれたのは、こうなることを見越してのことだったのだと、今は確信さえしています。
今、私は婚姻前に陛下にお約束頂いた件について推し進めている最中です。
それは王都に庶民が通える学校を作ることでした。
今は教会や修道院で学んでいる庶民もいますが、限られた小規模なものです。
私が思い描く学校は、読み書きだけではなく、算術なども取り入れ、将来的に職業の選択の幅を広げる為のものです。
王妃様も教会や修道院へと寄付の為、自らも足を運んでいます。
私の願いには、王妃様の賛同もあり、思った以上の速さで進んでいます。
建物は簡単な作りではありますが、学ぶ場所としては充分な広さのものです。
教師の選択は、私が通っていた学院の先生にもお願いしているところです。
一日も早い開校を目指して、皆様の力をお借りしながら過ごす毎日です。
そんな風に皆様がお忙しそうに働く側から、殿下は相変わらず、執務室にも顔出さない日が続いています。
陛下も王妃様も諦めてしまっているようです。
そのしわ寄せがどれだけ皆さんを忙しくさせているのか気にもしていないご様子です。
今迄、私やデイビス様が来る前はどうなさっていたのでしょうか? 疑問です。
メアリー様は相変わらず殿下以外の方達とは一切、関わろうとはしません。
それなのに着飾って、社交界にだけはいらっしゃいます。
その予算はどこから出ているのか知って頂きたいものですね。
殿下を愛しているのか、お金を愛しているのかどちらでも構いませんが、せめて少しはそのお金、慈善事業にまわして頂けると助かるのですが。
それなのに今日も殿下は、メアリー様とお出掛けだという、観劇の為に王都の街へ。
デイビス様も、お父様の補佐として王宮に上がり、私の仕事にも助言を頂いています。
そんな私に、嬉しい誤算が待っていました。
公妾のメアリー様が、殿下の監視役のように常に殿下に付き纏(まと)い、覚悟を決めた初夜でさえ、殿下はお見えになりませんでした。
その日から今日まで一度も。
陛下と王妃様は、その事をとても重く受け止め、殿下とメアリー様を強く戒めましたが、メアリー様は返って意固地になられたと、宰相であるデイビス様のお父様よりお聞きしました。
今、私の私室は執務室のすぐ近くのお部屋です。
余りにも豹変なされたメアリー様のお気持ちが、少し落ち着くまではと、私の方から陛下にお願いしたのです。
陛下は私に対して済まなさそうになさっていますが、それとは裏腹に私の心の中はとても穏やかです。
寧(むし)ろこんな日がずっと続いてくれることを祈りたいくらいです。
執務室の中は、いつも陛下と宰相様、補佐のデイビス様、そしてたまにお見えになる王妃様、あとは秘書官の方が二名と私です。
本当なら殿下も陛下の執務を手伝いながら、覚えなければいけない事が沢山あるというのに、殆どお見えになることはありません。
本来の殿下のお仕事は全て、私達皆んなが引き受けています。
今思えば、陛下が王太子妃に私を選ばれたのは、こうなることを見越してのことだったのだと、今は確信さえしています。
今、私は婚姻前に陛下にお約束頂いた件について推し進めている最中です。
それは王都に庶民が通える学校を作ることでした。
今は教会や修道院で学んでいる庶民もいますが、限られた小規模なものです。
私が思い描く学校は、読み書きだけではなく、算術なども取り入れ、将来的に職業の選択の幅を広げる為のものです。
王妃様も教会や修道院へと寄付の為、自らも足を運んでいます。
私の願いには、王妃様の賛同もあり、思った以上の速さで進んでいます。
建物は簡単な作りではありますが、学ぶ場所としては充分な広さのものです。
教師の選択は、私が通っていた学院の先生にもお願いしているところです。
一日も早い開校を目指して、皆様の力をお借りしながら過ごす毎日です。
そんな風に皆様がお忙しそうに働く側から、殿下は相変わらず、執務室にも顔出さない日が続いています。
陛下も王妃様も諦めてしまっているようです。
そのしわ寄せがどれだけ皆さんを忙しくさせているのか気にもしていないご様子です。
今迄、私やデイビス様が来る前はどうなさっていたのでしょうか? 疑問です。
メアリー様は相変わらず殿下以外の方達とは一切、関わろうとはしません。
それなのに着飾って、社交界にだけはいらっしゃいます。
その予算はどこから出ているのか知って頂きたいものですね。
殿下を愛しているのか、お金を愛しているのかどちらでも構いませんが、せめて少しはそのお金、慈善事業にまわして頂けると助かるのですが。
それなのに今日も殿下は、メアリー様とお出掛けだという、観劇の為に王都の街へ。
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