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14話
エマはある日、父を問い詰めた。
「お父様、デイビス様と王妃様のことで何か私に隠しいることはないのかしら?」
「相変わらずお前というやつは変に勘が鋭いのう、誰に似たんだか」
「あの二人の雰囲気を見ていれば分かることよ」
「別に隠している訳ではないが、敢えて言う必要もないと思っただけだ、もう既に終わったことだしな」
それはどういうことかと尋ねた。
「お前は当時、留学していたから知らないだろうが、元々あの二人は、同じ学院に通っていて、同じく師事していた人物の影響を強く受けている」
確かに立派な教師だと聞き及んでいたがな。
そしてその教師の元、二人は常に首席を争い、切磋琢磨していたようだ。
そして卒業したら婚約するという噂があったのだが、その前に王命で当時の殿下、今の陛下に嫁がされてしまったんだよ。
その上、今の陛下の公妾様はその時既にいたんだよ。
つまり、公妾のいる男に嫁がされたという訳だ。
思わずエマは大きな声を上げた。
「そんな酷いことが罷(まか)り通るだなんて!」
「それでデイビスくんは、その時の宰相だった自分の父に願い出て、勿論、議会の承認を受けてだが、宰相補佐として王妃様を陰ながら支えてきたのだよ」
「そんな大事なお話し、どうして黙ってらしたのですか?」
エマは怒ったが、父は平然と答える。
「いずれはデイビスくんも別の誰かと婚姻すると、父親に約束してたと聞いていたからな。敢えて教えることもないと思ったまでだ。政略結婚なんぞ貴族の常だしな」
私はその時思った。
この国は大国と言われてはいるが、ただ単に軍事力と経済が勝っているだけで、人々の価値観は私が留学していた国の方が余程進歩的だと。
今時こんな遅れた考えが、普通に語られるとは。
あちらの国では、今や、貴族だって、恋愛結婚が認められているというのに思わずまた、ため息が出てしまった。
『ああ、想い人のいる人との婚姻か』
何だか、私らしさが無くなりそうで考えさせられてしまう。
確かにデイビス様は魅力的な方なんだけどな。
今回のことで、婚姻無効が認められた王妃様をどう想われているのかしら? 私との婚約がなければ二人は結ばれていたのかもしれない、そう思うとなんか、私って邪魔者じゃない? そう思わずには、いられなかった。
そしてエマは自分なりに考えを巡らせていた。
「お父様、デイビス様と王妃様のことで何か私に隠しいることはないのかしら?」
「相変わらずお前というやつは変に勘が鋭いのう、誰に似たんだか」
「あの二人の雰囲気を見ていれば分かることよ」
「別に隠している訳ではないが、敢えて言う必要もないと思っただけだ、もう既に終わったことだしな」
それはどういうことかと尋ねた。
「お前は当時、留学していたから知らないだろうが、元々あの二人は、同じ学院に通っていて、同じく師事していた人物の影響を強く受けている」
確かに立派な教師だと聞き及んでいたがな。
そしてその教師の元、二人は常に首席を争い、切磋琢磨していたようだ。
そして卒業したら婚約するという噂があったのだが、その前に王命で当時の殿下、今の陛下に嫁がされてしまったんだよ。
その上、今の陛下の公妾様はその時既にいたんだよ。
つまり、公妾のいる男に嫁がされたという訳だ。
思わずエマは大きな声を上げた。
「そんな酷いことが罷(まか)り通るだなんて!」
「それでデイビスくんは、その時の宰相だった自分の父に願い出て、勿論、議会の承認を受けてだが、宰相補佐として王妃様を陰ながら支えてきたのだよ」
「そんな大事なお話し、どうして黙ってらしたのですか?」
エマは怒ったが、父は平然と答える。
「いずれはデイビスくんも別の誰かと婚姻すると、父親に約束してたと聞いていたからな。敢えて教えることもないと思ったまでだ。政略結婚なんぞ貴族の常だしな」
私はその時思った。
この国は大国と言われてはいるが、ただ単に軍事力と経済が勝っているだけで、人々の価値観は私が留学していた国の方が余程進歩的だと。
今時こんな遅れた考えが、普通に語られるとは。
あちらの国では、今や、貴族だって、恋愛結婚が認められているというのに思わずまた、ため息が出てしまった。
『ああ、想い人のいる人との婚姻か』
何だか、私らしさが無くなりそうで考えさせられてしまう。
確かにデイビス様は魅力的な方なんだけどな。
今回のことで、婚姻無効が認められた王妃様をどう想われているのかしら? 私との婚約がなければ二人は結ばれていたのかもしれない、そう思うとなんか、私って邪魔者じゃない? そう思わずには、いられなかった。
そしてエマは自分なりに考えを巡らせていた。
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