完結 殿下、婚姻前から愛人ですか? 

ヴァンドール

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16話

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 いよいよ下院からの承認が上がって来た。
 内容は国王と大臣の思惑がかなり反映されてはいたが、関税額や時期に関しては、大臣達の思惑とは反していた。

 上院では下院の意見を完全に無視することは許されない。
 それ程、下院は今や力を持っている。
 それなのに国王は横暴な意見を言う。

「下院の意見は尊重している。下院も関税引き上げには賛成しておるのだ。
 関税額と時期くらいこちらで決定しても問題無かろう」

 そう言って関税額を今迄の倍に増やしてしまい、その上、時期は二か月後からだと言う。
 低位貴族達を取り込んでいる大臣派は、三大公爵を含む高位貴族達を完全に無視して、賛成者多数として、最後は王命まで使い強引に可決させた。

 議会終了後すぐに私達は集まり、今回の可決は想定してしていたとはいえ、時期は予想以上に早かったので皆、慌てた。
 しかしそれぞれが役割を果たす為、出立した。
 エマ様はリンドバーグ王国へ、デイビス様はインガスター王国、そして私はバーミヤン王国へと。

 エマ様は留学していたので会話も出来る。
 それにお姉様も嫁がれて大分経つので言葉の心配はない。
 デイビス様は学院時代、学ばれていたが念の為、通訳も一人連れて行かれた。
 私の場合は、お義姉様であるベネッセ様がおられるので安心だ。

 そして三人は自分達の役割を果たす為、各国へ懸命な働きかけをし、概ね成果を実らせ帰国した。 
 それぞれが王都へ戻ると共に、いつもの会合が開かれた。
 それこそ三者三様に苦労はあったようだ。
 中でもやはり、デイビス様の行ったインガスター王国の国王は、かなり手強かったようだ。
 期限も半年以上は待てないと言われたと言う。
 疫病から立ち直ったばかりのこの国は、軍事力もかなり落ちているはずだと足元を見られたという。
 しかしインガスター王国にとっての最大の輸出国であるのは我が国だ。
 そのお陰での貿易黒字だということは間違いない。
 そこは釘を刺してきたという。   
 流石はデイビス様だ。
 リンドバーグ国とバーミヤン国は身内意識も相まって、かなり友好的だった。
 後は関税引き上げ後、どの程度で民衆が騒ぎ出すかだ。
 私達はその時に備えて慎重に構えた。
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