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23話
いよいよ明日、ルナ嬢との婚姻の日を迎える。
お互い忙しいながらも少しずつ準備を進め、無事全てが整った。
お互いの希望で、あまり華美にはせず、小規模な形で執り行うこととした。
今日はルナ嬢との最後の打ち合わせだ。
打ち合わせというよりは、二人揃ってたわいない話が始まった。
「何だか色々ありましたがその割にはあっという間にも感じますね」
「本当にこんな日が訪れるなんてあの時の二人には考えられなかったからな」
「学校の方も今でこそ順調に進んでいますが、最初の頃は大変でしたものね」
「学校もそうだが、国の舵取りそのものが難しかったからな」
そんな会話から始まって、これからの話しまで延々と続いた。
これからもっとこの国を強くする為、まずはなんといっても人を育てることが一番大切だということ。
そしてその育てた優秀な人材の中から必ず、並外れた英知を持つ者達が出てくる筈だ。
そんな人材を他国へと流失させないよう、常に魅力のある国であり続けなけらばならない。
その為の努力を怠らない様に日々精進しなくてはと二人で話しながら自然とエマ嬢の話しへと移った。
エマ嬢への感謝の気持ちは勿論のこと、彼女の為に何か出来ることはないのか? 彼女が望む国作りには、余念がないつもりだが、その他はどうだろう、彼女は手紙に私達の幸せを祈っていると書いてくれたが、彼女の幸せはどうすれば良いのだろうか? 思い合う三人がいたら三人が皆、同時に幸せになることは叶わない。
そこは理解できても、それでも彼女にも幸せになってもらいたい、そう願うのは傲慢だと言われるのは分かっている。
それでも願わずにはいられない。
するとルナ嬢がポツリと言った。
「エマ様が後押しをして下さったからこそ、明日という日を迎えることが出来るのですね」
「本当に彼女には世話をかけてしまったな」
「エマ様には辛い想いをさせてしまったのですから、せめてそれに報(むく)いなければいけませんね」
そしていつかまた三人にで笑い合える日が来るようにと二人で願った。
そうしているうちに日も落ちてきたので明日に備え、それぞれ帰路に着いた。
そしてついに婚姻の日を迎えた。
緊張したルナ嬢を見つめながら誓いのキスをした。
本当に心の底から幸せを感じた。
今迄生きてきて、こんな幸せがあることを初めて知った。
『もういい年になるというのに』
と、心の中で苦笑しながら。
そして隣にいるルナ嬢を見ると瞼に涙を溜めていた。
私は驚いて、大丈夫かと尋ねた。
「悲しみの涙は何度も流しましたが嬉し涙は初めてです。人って嬉しい時にも涙が出るのですね」
その言葉に、今迄ルナ嬢が背負ってきた悲しみを垣間見た。
皆に挨拶をしながら歩いていたら、祝ってくれる人垣の中に、二人がずっと気にしていたエマ嬢の姿があった。
そしてこれはまぼろしか? と思ったが、その隣りには優しく微笑み、愛おし気にエマ嬢を見つめる男性の姿も見て取れた。
それを見た瞬間、とても心が満たされる思いがした。
『ああ、エマ嬢にも今、人生を共にできる人ができたのか』
私はそっとルナ嬢の耳元にエマ嬢の隣りの男性の存在を告げた。
するとルナ嬢は今迄見たことのない程の笑顔で微笑み返してくれた。
そしてエマ嬢と目が合った瞬間彼女も満面の笑みを返してくれた。
人々の見守る中、二人は腕を組みライスシャワーが降り注ぐ中を歩いた。
この日のことを生涯忘れぬよう心にきざみながら。
こうして無事に婚姻の義を終えることが出来た。
お互い忙しいながらも少しずつ準備を進め、無事全てが整った。
お互いの希望で、あまり華美にはせず、小規模な形で執り行うこととした。
今日はルナ嬢との最後の打ち合わせだ。
打ち合わせというよりは、二人揃ってたわいない話が始まった。
「何だか色々ありましたがその割にはあっという間にも感じますね」
「本当にこんな日が訪れるなんてあの時の二人には考えられなかったからな」
「学校の方も今でこそ順調に進んでいますが、最初の頃は大変でしたものね」
「学校もそうだが、国の舵取りそのものが難しかったからな」
そんな会話から始まって、これからの話しまで延々と続いた。
これからもっとこの国を強くする為、まずはなんといっても人を育てることが一番大切だということ。
そしてその育てた優秀な人材の中から必ず、並外れた英知を持つ者達が出てくる筈だ。
そんな人材を他国へと流失させないよう、常に魅力のある国であり続けなけらばならない。
その為の努力を怠らない様に日々精進しなくてはと二人で話しながら自然とエマ嬢の話しへと移った。
エマ嬢への感謝の気持ちは勿論のこと、彼女の為に何か出来ることはないのか? 彼女が望む国作りには、余念がないつもりだが、その他はどうだろう、彼女は手紙に私達の幸せを祈っていると書いてくれたが、彼女の幸せはどうすれば良いのだろうか? 思い合う三人がいたら三人が皆、同時に幸せになることは叶わない。
そこは理解できても、それでも彼女にも幸せになってもらいたい、そう願うのは傲慢だと言われるのは分かっている。
それでも願わずにはいられない。
するとルナ嬢がポツリと言った。
「エマ様が後押しをして下さったからこそ、明日という日を迎えることが出来るのですね」
「本当に彼女には世話をかけてしまったな」
「エマ様には辛い想いをさせてしまったのですから、せめてそれに報(むく)いなければいけませんね」
そしていつかまた三人にで笑い合える日が来るようにと二人で願った。
そうしているうちに日も落ちてきたので明日に備え、それぞれ帰路に着いた。
そしてついに婚姻の日を迎えた。
緊張したルナ嬢を見つめながら誓いのキスをした。
本当に心の底から幸せを感じた。
今迄生きてきて、こんな幸せがあることを初めて知った。
『もういい年になるというのに』
と、心の中で苦笑しながら。
そして隣にいるルナ嬢を見ると瞼に涙を溜めていた。
私は驚いて、大丈夫かと尋ねた。
「悲しみの涙は何度も流しましたが嬉し涙は初めてです。人って嬉しい時にも涙が出るのですね」
その言葉に、今迄ルナ嬢が背負ってきた悲しみを垣間見た。
皆に挨拶をしながら歩いていたら、祝ってくれる人垣の中に、二人がずっと気にしていたエマ嬢の姿があった。
そしてこれはまぼろしか? と思ったが、その隣りには優しく微笑み、愛おし気にエマ嬢を見つめる男性の姿も見て取れた。
それを見た瞬間、とても心が満たされる思いがした。
『ああ、エマ嬢にも今、人生を共にできる人ができたのか』
私はそっとルナ嬢の耳元にエマ嬢の隣りの男性の存在を告げた。
するとルナ嬢は今迄見たことのない程の笑顔で微笑み返してくれた。
そしてエマ嬢と目が合った瞬間彼女も満面の笑みを返してくれた。
人々の見守る中、二人は腕を組みライスシャワーが降り注ぐ中を歩いた。
この日のことを生涯忘れぬよう心にきざみながら。
こうして無事に婚姻の義を終えることが出来た。
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