完結 殿下、婚姻前から愛人ですか? 

ヴァンドール

文字の大きさ
26 / 27

24話


 婚姻の義のあと、エマ嬢が一緒にいた男性を連れ、挨拶に訪れてくれた。
 そして私達に彼を紹介してくれた。

「こちらは私のビジネスパートナーのレイモンドよ。今、私は彼のお父様が営んでいるザニール商会を手伝っているの」
 
 すると彼が少し怒ったように言った。

「おいおい、ビジネスパートナーは酷いじゃないか」

「あら、だって事実でしょ?」

「俺は何度も君に結婚を申し込んでいるのに、はぐらしてばかりじゃないか」

「だ・か・ら・今はビジネスパートナーであっているでしょ?」
 
「あくまでも『今』だけだ」

 そしてエマ嬢はキツいことを平然と、言ってのける。

「私、おしゃべりな男性は嫌いよ」

 すると彼が言い訳のように返した。

「これはあくまでもおしゃべりではなく説明だ」

 いつまでも終わりそうもない会話の応酬だ。
 ルナ嬢と私は思わず吹き出してしまった。
 すると今度はエマ嬢が怒りながら聞いてきた。

「何がおかしいのかしら?」

「なんだか二人共、似ているなと思っただけだ」

 そう言って、今迄の経緯を聞いた。

 何でもあの後、リンドバーグで商会を立ち上げる為、姉のシャーロット妃に相談したところ王室と取引のあるザニール商会で少しの間、学んだらどうかとなって、そこの会長のご子息であるレイモンド氏を紹介され、その後、色々と商会について学んでいくうちに親しくなったという。
 そして今度マイヤー国にエマ嬢も出資をして支店を出すことになり視察を兼ねて来たそうだ。

 その後、父であるブラバント公爵に我々の結婚式のことを聞き急遽、出席してくれることになったという。
 エマ嬢にその支店に適した場所はないか、相談に乗って欲しいと頼まれた私は勿論、二つ返事で了承した。
 
「ザニール商会といえばリンドバーグでも一、二を争う商会ではないか」
 
「そうなのよ、本当は私が一から立ち上げて一番にしようと思っていたのに」

 するとまた彼が怒っている。

「二人でザニール商会をもっと大きくしていけば良いではないか」
 
 やれやれまた始まったぞ、とルナ嬢を見ると楽しそうに微笑んでいた。
 その後は具体的に商会の内容を聞き、希望するおおよその場所を絞ってもらい、幾つかの提案をした。

 取り敢えず今日はその話しを持ち帰えり、明日はもっと詰めた話しをしようと伝えると、リンドバーグで大事な商談がある為、明日の午後にはこちらを経たないと間に合わないと言うので後日、まずは手紙のやり取りで打ち合わせをすることとし、その日は別れた。
 

感想 0

あなたにおすすめの小説

幼馴染が最優先な婚約者など、私の人生には不要です。

たると
恋愛
シュタイン伯爵家の長女エルゼは、公爵子息フィリップに恋をしていた。 彼の婚約者として選ばれた時は涙を流して喜んだが、その喜びもいまは遠い。 『君は一人でも大丈夫だろう。この埋め合わせは必ずする。愛している』 「……『愛している』、ですか」 いつも幼馴染を優先するアルベルトに、恋心はすっかり冷めてしまった。

婚約破棄? ありがとうございます。やっと本当の人生が始まります

たくわん
恋愛
婚約破棄された令嬢がすべきことといえば、泣くか、喚くか、復讐を誓うか——らしい。 リーナ・フォスター公爵令嬢がしたことは、荷造りだった。 「冷たくて人を愛せない」と王太子に切り捨てられた夜、リーナは一度も振り返らずに王城を出た。向かった先は辺境の荒れ地。目的は薬草の栽培と薬品事業の立ち上げ。前世の記憶から温めてきた、誰にも言えなかった計画の実行だ。 リーナはそこで不器用だが誠実な騎士ヴァルターと出会う。一方、残された王太子とその新しい婚約者は、少しずつ、静かに、取り返しのつかない方向へと歩んでいたーー。

侯爵家に不要な者を追い出した後のこと

mios
恋愛
「さあ、侯爵家に関係のない方は出て行ってくださる?」 父の死後、すぐに私は後妻とその娘を追い出した。

残念ながら、定員オーバーです!お望みなら、次期王妃の座を明け渡しますので、お好きにしてください

mios
恋愛
ここのところ、婚約者の第一王子に付き纏われている。 「ベアトリス、頼む!このとーりだ!」 大袈裟に頭を下げて、どうにか我儘を通そうとなさいますが、何度も言いますが、無理です! 男爵令嬢を側妃にすることはできません。愛妾もすでに埋まってますのよ。 どこに、捻じ込めると言うのですか! ※番外編少し長くなりそうなので、また別作品としてあげることにしました。読んでいただきありがとうございました。

第一王子様が最後に選んだのは、妹ではなく私だったようです

睡蓮
恋愛
姉であるオルシナと、妹のマリーシア。マリーシアは小さな時から周囲の人物を次々と味方につけ、オルシナの事を孤立させていった。マリーシアに対しては誰もがちやほやと接してくるのに、オルシナに対しては冷たい態度を取る者がほとんどで、それがこれから先も続くものと思われていた。そんな中、二人のもとに一通の手紙が届く。差出人はフォルグ第一王子であり、二人のうちのいずれかを婚約者として迎え入れるということが書かれていた…。

それは私の仕事ではありません

mios
恋愛
手伝ってほしい?嫌ですけど。自分の仕事ぐらい自分でしてください。

ベールを上げた新郎は『君じゃない』と叫んだ

ハートリオ
恋愛
結婚式で新郎に『君じゃない』と叫ばれたのはウィオラ。 スピーナ子爵家の次女。 どうやら新郎が結婚する積りだったのは姉のリリウム。 ウィオラはいつも『じゃない方』 認められない、 選ばれない… そんなウィオラは―― 中世ヨーロッパ風異世界でのお話です。 よろしくお願いします。

【完結】病弱な妹に魔力を分け続け死ぬ寸前の私を、宮廷魔術師になった旧友が攫ってくれました。家族を捨てて幸せになっていいんですか?

未知香
恋愛
「あなたはもう十分楽しんだでしょう? 今度はミアーラの番よ」 膨大な魔力と知識を持ち、聖女候補とまで言われた、天才魔術師エリアーナ。 彼女は、病弱な妹ミアーラの為、家族に言われるまま自らの膨大な魔力を差し出すことにした。 「そうだ。私は健康で、今まで十分に楽しんできた。だから、あげるのは当然だ」 魔力を与え続けた結果、彼女は魔力を失い、容姿も衰え、社交界から姿を消してしまう事となった。 一方、妹ミアーラは姉から与えられた魔力を使い、聖女候補として称賛されるように。 家族の呪縛に縛られ、「今まで多くを貰いすぎていたのだ」と信じ、利用され続けるエリアーナ。 そんな彼女の前に現れたのは、かつての旧友であり宮廷魔術師となった青年だった。 ハッピーエンドです!