完結 虐げられ令嬢はたくましく生きます

ヴァンドール

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6話

 辻馬車を乗り継ぎ六日掛けて、隣りの領地に着いた。
 そしてまず向かったのはその街にある教会だ。そこでは勿論、自分の素性を隠してまずシスターに会いに行き名前をアンナとだけ名乗り、事情を説明してから神父様の元へと通された。
 そして私は神父様に尋ねてみた。

「突然、勝手なお願いなのですが、訳あって家を出て来て、行く宛が無いので暫くこちらに滞在させて頂けないでしょうか?」

 すると神父様は

「では、シスター達の手伝いをしながら滞在して下さい」
 
「期限については少し考えさせてもらいたい」

 そう仰った。私は一礼をした。
 
「ありがとうございます頑張ってお手伝いさせて頂きます」

 そして直ぐにシスター達のお部屋へと案内された。

「今日はもう疲れているでしょう? ここでゆっくり休んで下さい」

「いえ、直ぐに着替えますので何か出来る事があればお手伝いさせて下さい」

「でしたら、これから子供達の夕食の支度をするので隣りの棟に来て下さい」

「はい、着替え次第すぐに向かいます」 

 そう答え、まずはこちらに滞在出来た事に、胸を撫で下ろした。

 着替えてから隣りの棟に行くとそこには赤ちゃんから十二、三才位迄の子供達が十五人程いた。
 そして隣りにあるキッチンでは六人のシスター達が働いていた。

 私はシスター達に挨拶をした。

「今日から暫くお世話になるアンナと申します。何でもやりますので宜しくお願いします」
 
 シスター達は皆優しそうな方達だった。

「わからない事があったら何でも聞いてくださいね」
 
 私はまずじゃがいもの皮剥きを手伝い、その後は食器を並べたり仕込みに使った鍋などを洗った。
 流石に味付けは慣れてる人がしてくれるので、私は待っている間子供達の所へ行った。
 そして近くにあった絵本を手に取ると三、四人の子供達が集まって来た。
 そして目をきらきらさせながらこちらを見つめてくる。

「絵本、読みましょうか?」

「やったー」

 皆、喜んでくれた
 私は食事が出来るまでの間、絵本を読み聞かせた。
 すると他の子供達も集まって来て私の前にお行儀よく座って静かに聞いてくれた。

 その様子を見ていたシスターがアンナちゃんは字が読めるのね。凄いわと驚いていた。

 確かにこの時代の識字率は低くかった。私の場合たまたま貴族の家に生まれたお陰で学園にも通えたので当たり前のように思っていたが、平民達は殆どが識字教育を受ける機会がなかった。
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