31 / 38
31話
しおりを挟む
次の日の朝、朝食を終え、二人揃って母の眠るお墓へと向かった。
途中リオネル様はお花屋さんでカスミ草の花を買い、ご自分で大事そうに抱えていた。
そしてお墓に着くと偶然にもお父様がそのお墓の前に佇んでいらっしゃって、私達に気づくと少し気不味気な感じだった。
「二人も来たのか」
お墓を見ると、立派なカサブランカの花が手向けられていた。
私は思わず口走った。
「お父様、お母様は香りのきついお花は苦手でしたよ」
するとお父様は寂しそうにポツリと言った。
「私は亡くなった今でも、妻に嫌な思いをさせてしまっているのだな」
私はすかさず返した。
「それでもこうして忘れずに来て下さっていることは喜んでいる筈です」
そして父はリオネル様に頭を下げた。
「アンナのこと、幸せにしてやって下さい。私が言えた義理ではありませんが」
そう言ってから驚くべき考えを私達に告げた。
それは自分の後継として息子のジャンは考えていない事、そして時期を見て今の妻と別れようと思っている事、その上、最も驚いたのは自分の後継は私とリオネル様にもし男の子が二人以上産まれたらその子に継がせたいと思っている事など、今考えている全てを話してくれた。
私達は驚きながらも、ただじっと父の話しを聞いていた。
そして最後にはとてもさっぱりとした表情で仰った。
「では、結婚式を楽しみにしているよ」
そう言って去って行かれた。
その後、私はお墓の前でお母様にリオネル様を紹介して、リオネル様もお母様に私の事を必ず幸せにしますと誓ってくれた。
途中リオネル様はお花屋さんでカスミ草の花を買い、ご自分で大事そうに抱えていた。
そしてお墓に着くと偶然にもお父様がそのお墓の前に佇んでいらっしゃって、私達に気づくと少し気不味気な感じだった。
「二人も来たのか」
お墓を見ると、立派なカサブランカの花が手向けられていた。
私は思わず口走った。
「お父様、お母様は香りのきついお花は苦手でしたよ」
するとお父様は寂しそうにポツリと言った。
「私は亡くなった今でも、妻に嫌な思いをさせてしまっているのだな」
私はすかさず返した。
「それでもこうして忘れずに来て下さっていることは喜んでいる筈です」
そして父はリオネル様に頭を下げた。
「アンナのこと、幸せにしてやって下さい。私が言えた義理ではありませんが」
そう言ってから驚くべき考えを私達に告げた。
それは自分の後継として息子のジャンは考えていない事、そして時期を見て今の妻と別れようと思っている事、その上、最も驚いたのは自分の後継は私とリオネル様にもし男の子が二人以上産まれたらその子に継がせたいと思っている事など、今考えている全てを話してくれた。
私達は驚きながらも、ただじっと父の話しを聞いていた。
そして最後にはとてもさっぱりとした表情で仰った。
「では、結婚式を楽しみにしているよ」
そう言って去って行かれた。
その後、私はお墓の前でお母様にリオネル様を紹介して、リオネル様もお母様に私の事を必ず幸せにしますと誓ってくれた。
470
あなたにおすすめの小説
拝啓 お顔もお名前も存じ上げない婚約者様
オケラ
恋愛
15歳のユアは上流貴族のお嬢様。自然とたわむれるのが大好きな女の子で、毎日山で植物を愛でている。しかし、こうして自由に過ごせるのもあと半年だけ。16歳になると正式に結婚することが決まっている。彼女には生まれた時から婚約者がいるが、まだ一度も会ったことがない。名前も知らないのは幼き日の彼女のわがままが原因で……。半年後に結婚を控える中、彼女は山の中でとある殿方と出会い……。
婚約解消から5年、再び巡り会いました。
能登原あめ
恋愛
* R18、シリアスなお話です。センシティブな内容が含まれますので、苦手な方はご注意下さい。
私達は結婚するはずだった。
結婚を控えたあの夏、天災により領民が冬を越すのも難しくて――。
婚約を解消して、別々の相手と結婚することになった私達だけど、5年の月日を経て再び巡り合った。
* 話の都合上、お互いに別の人と結婚します。白い結婚ではないので苦手な方はご注意下さい(別の相手との詳細なRシーンはありません)
* 全11話予定
* Rシーンには※つけます。終盤です。
* コメント欄のネタバレ配慮しておりませんのでお気をつけください。
* 表紙はCanvaさまで作成した画像を使用しております。
ローラ救済のパラレルのお話。↓
『愛する人がいる人と結婚した私は、もう一度やり直す機会が与えられたようです』
貴方の✕✕、やめます
戒月冷音
恋愛
私は貴方の傍に居る為、沢山努力した。
貴方が家に帰ってこなくても、私は帰ってきた時の為、色々準備した。
・・・・・・・・
しかし、ある事をきっかけに全てが必要なくなった。
それなら私は…
上手に騙してくださらなかった伯爵様へ
しきど
恋愛
アイルザート・ルテシオ伯爵は十七歳で家督を継いだ方だ。
文武両道、容姿端麗、人柄も良く領民の誰からも愛される方だった。そんな若き英雄の婚約者に選ばれたメリッサ・オードバーン子爵令嬢は、自身を果報者と信じて疑っていなかった。
彼が屋敷のメイドと関係を持っていると知る事になる、その時までは。
貴族に愛人がいる事など珍しくもない。そんな事は分かっているつもりだった。分かっていてそれでも、許せなかった。
メリッサにとってアイルザートは、本心から愛した人だったから。
【完結】あなたを忘れたい
やまぐちこはる
恋愛
子爵令嬢ナミリアは愛し合う婚約者ディルーストと結婚する日を待ち侘びていた。
そんな時、不幸が訪れる。
■□■
【毎日更新】毎日8時と18時更新です。
【完結保証】最終話まで書き終えています。
最後までお付き合い頂けたらうれしいです(_ _)
あなたに嘘を一つ、つきました
小蝶
恋愛
ユカリナは夫ディランと政略結婚して5年がたつ。まだまだ戦乱の世にあるこの国の騎士である夫は、今日も戦地で命をかけて戦っているはずだった。彼が戦地に赴いて3年。まだ戦争は終わっていないが、勝利と言う戦況が見えてきたと噂される頃、夫は帰って来た。隣に可愛らしい女性をつれて。そして私には何も告げぬまま、3日後には結婚式を挙げた。第2夫人となったシェリーを寵愛する夫。だから、私は愛するあなたに嘘を一つ、つきました…
最後の方にしか主人公目線がない迷作となりました。読みづらかったらご指摘ください。今さらどうにもなりませんが、努力します(`・ω・́)ゞ
報われなかった姫君に、弔いの白い薔薇の花束を
さくたろう
恋愛
その国の王妃を決める舞踏会に招かれたロザリー・ベルトレードは、自分が当時の王子、そうして現王アルフォンスの婚約者であり、不遇の死を遂げた姫オフィーリアであったという前世を思い出す。
少しずつ蘇るオフィーリアの記憶に翻弄されながらも、17年前から今世まで続く因縁に、ロザリーは絡め取られていく。一方でアルフォンスもロザリーの存在から目が離せなくなり、やがて二人は再び惹かれ合うようになるが――。
20話です。小説家になろう様でも公開中です。
【完結】あなたのいない世界、うふふ。
やまぐちこはる
恋愛
17歳のヨヌク子爵家令嬢アニエラは栗毛に栗色の瞳の穏やかな令嬢だった。近衛騎士で伯爵家三男、かつ騎士爵を賜るトーソルド・ロイリーと幼少から婚約しており、成人とともに政略的な結婚をした。
しかしトーソルドには恋人がおり、結婚式のあと、初夜を迎える前に出たまま戻ることもなく、一人ロイリー騎士爵家を切り盛りするはめになる。
とはいえ、アニエラにはさほどの不満はない。結婚前だって殆ど会うこともなかったのだから。
===========
感想は一件づつ個別のお返事ができなくなっておりますが、有り難く拝読しております。
4万文字ほどの作品で、最終話まで予約投稿済です。お楽しみいただけましたら幸いでございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる