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潮の匂いを吸い込みながら、旅らしく、酒場に入る。
男たちのどんちゃん騒ぎの中に、娼婦らしき女たちも沢山いた。
ああいった娼婦は、彼氏彼女と言いあいながらも娼婦として生計を立てるのが殆どなのだ。ゆえに、見てくれだけは多変身なりが良い。
多くの男に貢いでもらわなければ生活ができないのだ。
ワインが無いらしく、ビールを頼んで乾杯をする。こっから先は、カンナが得意とする分野だ。
「うい~酒がしみるぜ~」
「あんまり飲みすぎんなよ」
「わかってるわかってる」
これは分かってない。
だが、いつの間にか、他の男と喋っているし、俺はしみったれた飲み方をしていく。
だが、まあ、しみったれた酒の飲み方ってのは、俺は好きなんだ。
どんちゃん騒ぐのは俺らしくない。
酒の飲み比べで競っているカンナがまた一人倒した。
どんちゃん騒ぎもますます大きくなり、殴り合いの喧嘩も起き始めている。
こんなろくでもない店に、一人のガキんちょが入ってきた。
見てくれは見すぼらしいが、ちゃんと金を持って、ビールを頼んできた。
「おっちゃんビール」
「俺はビールじゃねえよ」
「クソみたいな屁理屈言ってんじゃねえよ。さっさと出しやがれってんだ」
「ここはボウズみたいなガキが来る場所じゃねえよ。さっさと帰んな」
「うるせえ! オレはもうすぐ大人になるんだよ!」
「へいへい。じゃあ、大人になってから来るんだな」
軽くあしらうマスターに、ガキんちょは、不平と不満に満ちた唾を吐き捨てて出て行こうとする。
こんなことには慣れているのか、マスターは怒りもせず、エプロンを拭って、次の酒を作ろうとする。
そんなガキんちょが、酔っ払いの足に躓いて転びやがった。
こんな人ごみの多い場所で事故みたいなものだが、ガキが「すまない」と謝ったにも関わらず、酔っ払いの禿げ頭は、ガキんちょの胸倉を掴んで脅し始めやがった。
全く、ゴミみたいな奴らしかいないのか……。
「おい。ぶつかったなら、言葉だけじゃなくて金も出せよな!」
「てめえに払う金なんざねえよ!」
なおも、体を掴み上げて揺さぶる禿げ頭は、ガキんちょの頭を掴んで、思いっきり握り始めやがった。
必死にもがいているが、抜け出すまでもなくガキんちょは痛みに気絶しかかっていた。
「痛てえよ! やめろ!!」
「おら! さっさと金出せ」
「てめえ……!」
仕方なく、俺も腹を決めて、酔っ払いの禿げ頭を殴りつけた。
途端にガキが落ちるが、首根っこ掴んで助けてやる。
「よお。大丈夫か?」
「誰も助けてくれなんて言ってねえよ!」
「馬鹿言うんじゃねえ。あのままだったら、頭割れてたぞ」
「オレは一人でもあんな奴倒せんだよ」
「へいへい。そうかい」
禿げ頭の酔っ払いは立ち上がると、俺を睨みつけてきやがった。
「てめえ……。いきなり何しやがる……!」
「酒に飲まれてんじゃねえよ禿」
「俺は禿じゃねえよ! こういう髪型なんだよ!」
殴りかかってくる酔っ払いの拳を、寸でのところでかわしつつ、顔面にパンチを入れてやった。
酔っ払いは鼻が折れながらも、酒のせいで痛みが鈍いので、血を拭いながらも立ち上がってきた。
まだ、戦意は挫けていないようだ。
「ぶっ殺してやる!」
「相手してやるよ三下」
相手のガードをそのまま、俺は渾身の握力で相手の骨を握りつぶすと、崩れた隙に、顎に素早く一発を決めてやった。
脳が揺れた酔っ払いは、ゆっくりと気絶して倒れた。
「もうこんな場所に来るなよ。ガキんちょ」
俺がそう言っているのが、耳に入っていないのか、キラキラとした目で俺を見てきやがった。
男たちのどんちゃん騒ぎの中に、娼婦らしき女たちも沢山いた。
ああいった娼婦は、彼氏彼女と言いあいながらも娼婦として生計を立てるのが殆どなのだ。ゆえに、見てくれだけは多変身なりが良い。
多くの男に貢いでもらわなければ生活ができないのだ。
ワインが無いらしく、ビールを頼んで乾杯をする。こっから先は、カンナが得意とする分野だ。
「うい~酒がしみるぜ~」
「あんまり飲みすぎんなよ」
「わかってるわかってる」
これは分かってない。
だが、いつの間にか、他の男と喋っているし、俺はしみったれた飲み方をしていく。
だが、まあ、しみったれた酒の飲み方ってのは、俺は好きなんだ。
どんちゃん騒ぐのは俺らしくない。
酒の飲み比べで競っているカンナがまた一人倒した。
どんちゃん騒ぎもますます大きくなり、殴り合いの喧嘩も起き始めている。
こんなろくでもない店に、一人のガキんちょが入ってきた。
見てくれは見すぼらしいが、ちゃんと金を持って、ビールを頼んできた。
「おっちゃんビール」
「俺はビールじゃねえよ」
「クソみたいな屁理屈言ってんじゃねえよ。さっさと出しやがれってんだ」
「ここはボウズみたいなガキが来る場所じゃねえよ。さっさと帰んな」
「うるせえ! オレはもうすぐ大人になるんだよ!」
「へいへい。じゃあ、大人になってから来るんだな」
軽くあしらうマスターに、ガキんちょは、不平と不満に満ちた唾を吐き捨てて出て行こうとする。
こんなことには慣れているのか、マスターは怒りもせず、エプロンを拭って、次の酒を作ろうとする。
そんなガキんちょが、酔っ払いの足に躓いて転びやがった。
こんな人ごみの多い場所で事故みたいなものだが、ガキが「すまない」と謝ったにも関わらず、酔っ払いの禿げ頭は、ガキんちょの胸倉を掴んで脅し始めやがった。
全く、ゴミみたいな奴らしかいないのか……。
「おい。ぶつかったなら、言葉だけじゃなくて金も出せよな!」
「てめえに払う金なんざねえよ!」
なおも、体を掴み上げて揺さぶる禿げ頭は、ガキんちょの頭を掴んで、思いっきり握り始めやがった。
必死にもがいているが、抜け出すまでもなくガキんちょは痛みに気絶しかかっていた。
「痛てえよ! やめろ!!」
「おら! さっさと金出せ」
「てめえ……!」
仕方なく、俺も腹を決めて、酔っ払いの禿げ頭を殴りつけた。
途端にガキが落ちるが、首根っこ掴んで助けてやる。
「よお。大丈夫か?」
「誰も助けてくれなんて言ってねえよ!」
「馬鹿言うんじゃねえ。あのままだったら、頭割れてたぞ」
「オレは一人でもあんな奴倒せんだよ」
「へいへい。そうかい」
禿げ頭の酔っ払いは立ち上がると、俺を睨みつけてきやがった。
「てめえ……。いきなり何しやがる……!」
「酒に飲まれてんじゃねえよ禿」
「俺は禿じゃねえよ! こういう髪型なんだよ!」
殴りかかってくる酔っ払いの拳を、寸でのところでかわしつつ、顔面にパンチを入れてやった。
酔っ払いは鼻が折れながらも、酒のせいで痛みが鈍いので、血を拭いながらも立ち上がってきた。
まだ、戦意は挫けていないようだ。
「ぶっ殺してやる!」
「相手してやるよ三下」
相手のガードをそのまま、俺は渾身の握力で相手の骨を握りつぶすと、崩れた隙に、顎に素早く一発を決めてやった。
脳が揺れた酔っ払いは、ゆっくりと気絶して倒れた。
「もうこんな場所に来るなよ。ガキんちょ」
俺がそう言っているのが、耳に入っていないのか、キラキラとした目で俺を見てきやがった。
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