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しおりを挟むあれから1人でボーッとしていると光生からメッセージが来て嬉しさのあまりすぐに電話をしてしまった。拗ねていることに気づいて欲しい気持ちなんて光生はやっぱりお見通しらしい。
「光生と夜に外で会うの初めてだ!」
なんだか夜ってだけでワクワクしてしまう。家にいてと言われたけど玄関を出るくらいなら大丈夫だろう。女の子じゃあるまいし光生はいつも心配しすぎだ。
「あっ!光生だ!」
少しすると人影が見えて光生だとすぐにわかる。手を振って光生の元に走ればほっぺたをムギュッと痛いくらいにつままれる。
「なんで外で待ってんの。連絡するまで家にいてって言ったじゃん。」
そんなに怒らなくてもいいのに。しかも光生は冗談じゃなくて本気で怒っている。
「………だって、、」
「変な人いるかもしれないでしょ。声かけられてどっか知らないところ連れて行かれたらどうすんの。」
光生を怒らせたくて外に出たわけじゃない。会えることが嬉しかったしそれに待ってたら喜んでくれるかなって思っただけなのに。
「……だって光生に早く会いたかったんだもん……」
じわっと視界を滲ませる涙に気づいた光生はすぐに抱きしめてくれる。
「ん、ごめんごめん。涼の気持ち考えずに強く言い過ぎちゃったね。」
背中をスリスリとさすられるとその優しさに余計に涙が出てくる。
「…っ……光生のこと待ってたら喜んでくれるかなって思っただけなのにっ……」
謝らないといけないのはいつだって俺の方なのになんでこんなにも素直になれないのだろう。
「ねぇ、散歩の前にちょっとだけ公園行こっか。」
泣きやまない俺のためか手を引っ張りさっきクレープを一緒に食べた公園へと連れて行かれる。俺のことをベンチに座らせた光生は向かい合うように目の前にしゃがみ両手を握ってくれる。
「ごめんね。俺のために外で待っててくれてたんだもんね。それなのに怒っちゃって嫌だったよね。」
俺が悪くてもいつも庇って謝ってくれる光生はまっすぐに目を見てくれる。どんな小さなことにでも真剣に向き合ってくれるところにいつもすごいなと思う。
「……光生ごめんね…俺が勝手なことしちゃったから……それに謝るのは俺のほうだもん……」
「んーん、すごい嬉しかったよ、駆け寄ってきてくれて。でも本当に心配になるからこれからは待ってる時はいつでも俺に電話できる状態でいてね。」
コクンと黙ったまま頷けばニコッといつもの優しい顔で笑ってくれる。
「ふふっ、ありがと。よし、じゃあこの話はもう終わり!」
ガシガシと頭を強く撫でてくれる光生はこういう時まで大人だ。いつだって空気を一瞬で変えてくれる。
「ほら、散歩しよ。」
差し伸べてくれる手を握れば光生のポケットの中に入れられる。夜だから人も少ないし暗いから手を繋いで歩けることが嬉しい。
「あっ!光生!この家の犬すっごい吠えてくるから、そーっと歩かなきゃ!」
「そうなの?涼は何でも知ってるね。」
優しく微笑んでくれるその顔に嬉しくなる。でもそんなことを言っていられないくらいに凶暴な犬なんだ。
「ふふっ、なんで息まで止めてんの。そんなに吠えるの?」
存在を消す俺に気づいたのかいつも通りの声で話しかけてくる光生に慌てて繋いでいた手を離し口元を抑える。
「光生!静かにして!」
なにもわかっていない光生は足音すらも平気でたてる。その音に気づき勢いよく走ってきた犬に、もう終わったとあきらめようとすればなぜか全く吠えない。
「え、、?なんで?」
もしかして犬にも光生がかっこいいことがわかるのだろうか。
「あははっ!全然吠えないじゃん!」
楽しそうに笑う光生は犬にまでモテるらしい。
「俺にはめちゃくちゃ吠えるのに!」
今日は何回やきもちを妬けばいいんだ。犬に手を振る光生はそんな俺の気持ちに全く気づいていない。
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