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2章 爆発な事件
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「小さな事故が増えているとのことで、事故の種類を調べました。記録していないものも多かったのですが、聞き取りの結果、機械の誤操作や確認ミスなど人間のケアレスミスが多いようでした。
工作員などが妨害するなら、機器の要所に傷をいれるなど、事故原因者が分かり辛く、物理的な事故の方が都合がいいかと思います」
記録がまともになくて調査が大変だった。事故の予防のためにも、事故があったら日時、原因、対応、担当者位は最低限集約データとして残す体制を構築してほしい。
「ケアレスミスが増える原因として大きなものは、疲労です」
事業所長が馬鹿にするように言う。
「仕事をすれば疲れるのは当然だ。仕事をさせずに給料を払えと言うのか?」
「食生活を見直すことで、今より『疲れにくい』体作りをすることができます」
本当は仕事量から見直して欲しいけど、まずはここからだ。
「寮の食堂に聞いたところ、数ヵ月前から主食をポリッジからパンに替えたそうですね。飲み物もエールでなく紅茶にしたとか」
「そうだ。今時都会ではそれが当たり前だろう」
この地域では、昔から朝御飯はポリッジ(オート麦の粥)とエール(ビール)が定番だ。
しかし、精白した小麦のパンや、輸入品である紅茶が普及するようになり、大都市では庶民の朝御飯もパンと紅茶になった。エールをやめるのはアル中対策でもあり、一概に悪い訳ではないのだが--
「事故が増えたのは、そのメニュー変更が影響しているかもしれません」
目の前のおっさん達が3人揃って目を剥いた。怖い。
「ポリッジやエールには、重要な栄養素を沢山含む胚芽が入っています。ところが、精白された小麦のパンや紅茶にはこれがないため欠乏症になり、疲れやすくなったり、手足に力が入らないといった症状が出て、酷いと寝込んだります。『脚気』という病気です。
--これが、肉体労働の仕事中に事故が増えた一因である可能性が考えられます。
この欠乏症は、パンと紅茶の食事が増えた都市部、おかずが少なく主食に偏りがちな貧困層で特にみられます」
東の国でも同様の病気があるという。麦でなく米が主食の土地なのだが、地方では胚芽を含む玄米を食べるが都市部では精白した米を食べるため、地方在住の者が都市部へ行くと病み、地元へ帰ると治る不思議な病気として知られているそうだ。
「それから、この土地は鉱業が中心で土地が痩せてて農業が盛んでないため、新鮮な野菜をあまり食べないと聞きました。
『壊血病』はご存じですか?新鮮な野菜を摂れない長期航海の船乗りがなる病気として数百年前から知られています。
やはり疲れやすくなり、歯茎などから出血しやすくなるなどの症状があります。
これは海だけでなく陸でもみられる病気なんです。農産地から離れて人口が多い、新鮮な野菜が高価な都市部の貧困層などでよくみられます」
事業所長の怒りの形相がどんどん深刻化していく。眉間にコインが挟めそうだ。怖い。
「それから……寮のメニューでは肉や魚や卵などが殆ど出ていません。この付近の一般家庭でも殆ど食べられないとか。
これらはたんぱく質というものを含んでいて、筋肉を作るのに必要です。
筋肉を鍛えたり肉体労働すると筋肉がつくといいますが、実はそれだけでは筋肉はつきません。
肉体労働等をすると筋肉が一時的に傷ついて、そこにたんぱく質と休養を与えられると修復されます。この時傷つく前以上の筋肉がつきます。このメカニズムを『超回復』といいます。
しかしたんぱく質や休養を与えられないと、筋肉は傷が修復されず痩せ細る一方になります。
いくら肉体労働をしても筋肉がつかず、筋肉がしっかりついた場合より小さな力しか出せず、結果としてこれもまた疲れやすくなります」
きつい肉体労働をしているのに、岩のような筋肉の体格でない、と言うエリザベートの指摘を思い出す。こういうことなのだ。
事業所長はとうとう机を叩いて怒鳴りだした。
「貴族のように良いものを腹一杯食べさせろというのか?! 現実的に考えろ! 湯水のように金が出てくると思っているのか?! そんなに労働者をちやほやしてたらお前は気分が良いんだろうな。馬鹿野郎ふざけるな! 事業は慈善じゃないんだ!」
エルンストがさりげなくぐっと前にのりだし、事業所長を目で威圧する。お陰でベルティーナに向けて放射される憎悪のビリビリする波動が少し遮られて、ベルティーナは小さく息を吐く。
……やっぱりそうきたか。
そう来ると思って、予め用意していた提案があるんで、話を遮らないでほしい。
「そうですよね、コストは大きな問題ですよね、分かります。なのでそれを踏まえた改善策なのですが。
平民が経済的理由で肉や魚など動物性の食品を殆ど食べられないのは一般的なことですが、たんぱく質は豆などにもあるんです。
この土地ならレンズ豆が安いので、レンズ豆のスープを取り入れてはいかがでしょう。豆は保存がきく分、流通コストが低くて比較的安く手に入ります。
あと、パンを全粒粉にすれば胚芽を取り入れられます。
じゃがいももおすすめです。この土地は野菜は余所から買ってくるので高くなりがちですが、貯蔵がきくじゃがいもは流通コストが安いし、新鮮な野菜のように壊血病を防ぐ栄養素を沢山含みます。
壊血病や脚気を防いで疲れにくくなり、筋肉がつけば、労働生産性も上がります。結果として事業主の方の利益も上がり、事故が減れば人や施設の損害も抑えられます」
ウィルマに紹介して貰った女性達に、この土地で安い食材をきいて、必要な栄養素を多く含むものをお勧めすることにしたのだ。
できれば酪農も検討してほしい。
痩せた土地でも草は生えるから、畑を作るより向いてると思う。家畜という財産を殺さずに継続的に動物性たんぱく質を得られる酪農は頼もしい。
病気に強いとか育てやすさの観点だとヤギだけど、人口を考えると量がとれる牛乳が望ましい。
これは事業所長でなく領地運営の男爵の権限になってしまう。話すなら、男爵本人より話が通じそうなウィルフリードがいいな…とベルティーナは考えを巡らす。
「お前の話は分かった」
ずっとしかめ面で黙っていた男爵が口を開いた。
よかった、説得できたか、と密かに息を吐く。--しかし。
「お前が馬鹿げた妄想ばかりで、頭がおかしいということがよく分かった。だから女に任せるなど正気の沙汰ではないというのだ。時間の無駄だった。話は終わりだ」
男爵は悠然と歩き去り、部屋を出ていった。
ベルティーナは体が凍りついたまま動けない。
--心が凍りついてひび割れる音がした気がした。学生時代から何度も経験してきた感覚が蘇る。
理性と誠意が門前払いされる。言葉が通じない。尊厳ある人間として扱われない--
尻馬に乗って、事業所長が怒鳴り騎士団支部長が嘲笑する。エルンストが根気強く反論していたが、やがて両者立ち上がって掴みかからんばかりになったところで、部屋の外からコーエンが駆け込んできて、ベルティーナ達を部屋から連れ出した。
表情が消えた顔でベルティーナが呟いた言葉を、エルンストは沈痛な思いで聞いた。
「--それでも、地球は回っている」
◇◆◇◆◇◆
「お疲れ様です。お茶でもどうですか」
エリザベートが声をかける。
宿のダイニングテーブルに座ったベルティーナは弱々しく笑って首を振る。
「では、モフでもどうですか」
ベルティーナの膝に仔犬を載せる。
「あぁぁ……モフーー!!」
抱き込んでワシャワシャすると、べべべと尻尾でベルティーナの顔をはたいた。
調査結果は昨夜エリザベートに説明済みだ。流石師匠、と喜んでくれた。
今日報告したら村へ帰ることは伝えてあり、荷造りはしてもらっていた。
報告から帰って、言葉少なに、納得はして貰えなかったがすべき仕事は果たしたとだけ伝えると、エリザベートは察して深く追及せず、ベルティーナを元気づけようと気を遣ってくれる。
エルンストはベルティーナを先に帰らせ、コーエンと後処理をしてから宿に帰ると言っていた。
エリザベートに見せる初めての『理系屋さん』の仕事がこんな結果になってしまったのは申し訳ないが、もはや科学の、ベルティーナの力の及ぶ範囲ではない。
頭を切り替えて村へ帰ろう。
そして春に買ったいいレンズの望遠鏡で星を見よう。ここは鉱山の影響で空気に煤が多くて星がよく見えない。
--この世の真理が、霞んで見える。
その時、玄関で激しく戸を叩く音がした。エルンストが帰ったにしては叩き方が妙だ。
玄関の覗き窓から見るとコーエンだった。駆けてきたらしく息が上がっている。
ベルティーナは不穏さを感じながら戸を開けた。
「コーエンさん。どうしました?」
「来てくれ! また爆発があって、エルンストが坑道に閉じ込められている!」
工作員などが妨害するなら、機器の要所に傷をいれるなど、事故原因者が分かり辛く、物理的な事故の方が都合がいいかと思います」
記録がまともになくて調査が大変だった。事故の予防のためにも、事故があったら日時、原因、対応、担当者位は最低限集約データとして残す体制を構築してほしい。
「ケアレスミスが増える原因として大きなものは、疲労です」
事業所長が馬鹿にするように言う。
「仕事をすれば疲れるのは当然だ。仕事をさせずに給料を払えと言うのか?」
「食生活を見直すことで、今より『疲れにくい』体作りをすることができます」
本当は仕事量から見直して欲しいけど、まずはここからだ。
「寮の食堂に聞いたところ、数ヵ月前から主食をポリッジからパンに替えたそうですね。飲み物もエールでなく紅茶にしたとか」
「そうだ。今時都会ではそれが当たり前だろう」
この地域では、昔から朝御飯はポリッジ(オート麦の粥)とエール(ビール)が定番だ。
しかし、精白した小麦のパンや、輸入品である紅茶が普及するようになり、大都市では庶民の朝御飯もパンと紅茶になった。エールをやめるのはアル中対策でもあり、一概に悪い訳ではないのだが--
「事故が増えたのは、そのメニュー変更が影響しているかもしれません」
目の前のおっさん達が3人揃って目を剥いた。怖い。
「ポリッジやエールには、重要な栄養素を沢山含む胚芽が入っています。ところが、精白された小麦のパンや紅茶にはこれがないため欠乏症になり、疲れやすくなったり、手足に力が入らないといった症状が出て、酷いと寝込んだります。『脚気』という病気です。
--これが、肉体労働の仕事中に事故が増えた一因である可能性が考えられます。
この欠乏症は、パンと紅茶の食事が増えた都市部、おかずが少なく主食に偏りがちな貧困層で特にみられます」
東の国でも同様の病気があるという。麦でなく米が主食の土地なのだが、地方では胚芽を含む玄米を食べるが都市部では精白した米を食べるため、地方在住の者が都市部へ行くと病み、地元へ帰ると治る不思議な病気として知られているそうだ。
「それから、この土地は鉱業が中心で土地が痩せてて農業が盛んでないため、新鮮な野菜をあまり食べないと聞きました。
『壊血病』はご存じですか?新鮮な野菜を摂れない長期航海の船乗りがなる病気として数百年前から知られています。
やはり疲れやすくなり、歯茎などから出血しやすくなるなどの症状があります。
これは海だけでなく陸でもみられる病気なんです。農産地から離れて人口が多い、新鮮な野菜が高価な都市部の貧困層などでよくみられます」
事業所長の怒りの形相がどんどん深刻化していく。眉間にコインが挟めそうだ。怖い。
「それから……寮のメニューでは肉や魚や卵などが殆ど出ていません。この付近の一般家庭でも殆ど食べられないとか。
これらはたんぱく質というものを含んでいて、筋肉を作るのに必要です。
筋肉を鍛えたり肉体労働すると筋肉がつくといいますが、実はそれだけでは筋肉はつきません。
肉体労働等をすると筋肉が一時的に傷ついて、そこにたんぱく質と休養を与えられると修復されます。この時傷つく前以上の筋肉がつきます。このメカニズムを『超回復』といいます。
しかしたんぱく質や休養を与えられないと、筋肉は傷が修復されず痩せ細る一方になります。
いくら肉体労働をしても筋肉がつかず、筋肉がしっかりついた場合より小さな力しか出せず、結果としてこれもまた疲れやすくなります」
きつい肉体労働をしているのに、岩のような筋肉の体格でない、と言うエリザベートの指摘を思い出す。こういうことなのだ。
事業所長はとうとう机を叩いて怒鳴りだした。
「貴族のように良いものを腹一杯食べさせろというのか?! 現実的に考えろ! 湯水のように金が出てくると思っているのか?! そんなに労働者をちやほやしてたらお前は気分が良いんだろうな。馬鹿野郎ふざけるな! 事業は慈善じゃないんだ!」
エルンストがさりげなくぐっと前にのりだし、事業所長を目で威圧する。お陰でベルティーナに向けて放射される憎悪のビリビリする波動が少し遮られて、ベルティーナは小さく息を吐く。
……やっぱりそうきたか。
そう来ると思って、予め用意していた提案があるんで、話を遮らないでほしい。
「そうですよね、コストは大きな問題ですよね、分かります。なのでそれを踏まえた改善策なのですが。
平民が経済的理由で肉や魚など動物性の食品を殆ど食べられないのは一般的なことですが、たんぱく質は豆などにもあるんです。
この土地ならレンズ豆が安いので、レンズ豆のスープを取り入れてはいかがでしょう。豆は保存がきく分、流通コストが低くて比較的安く手に入ります。
あと、パンを全粒粉にすれば胚芽を取り入れられます。
じゃがいももおすすめです。この土地は野菜は余所から買ってくるので高くなりがちですが、貯蔵がきくじゃがいもは流通コストが安いし、新鮮な野菜のように壊血病を防ぐ栄養素を沢山含みます。
壊血病や脚気を防いで疲れにくくなり、筋肉がつけば、労働生産性も上がります。結果として事業主の方の利益も上がり、事故が減れば人や施設の損害も抑えられます」
ウィルマに紹介して貰った女性達に、この土地で安い食材をきいて、必要な栄養素を多く含むものをお勧めすることにしたのだ。
できれば酪農も検討してほしい。
痩せた土地でも草は生えるから、畑を作るより向いてると思う。家畜という財産を殺さずに継続的に動物性たんぱく質を得られる酪農は頼もしい。
病気に強いとか育てやすさの観点だとヤギだけど、人口を考えると量がとれる牛乳が望ましい。
これは事業所長でなく領地運営の男爵の権限になってしまう。話すなら、男爵本人より話が通じそうなウィルフリードがいいな…とベルティーナは考えを巡らす。
「お前の話は分かった」
ずっとしかめ面で黙っていた男爵が口を開いた。
よかった、説得できたか、と密かに息を吐く。--しかし。
「お前が馬鹿げた妄想ばかりで、頭がおかしいということがよく分かった。だから女に任せるなど正気の沙汰ではないというのだ。時間の無駄だった。話は終わりだ」
男爵は悠然と歩き去り、部屋を出ていった。
ベルティーナは体が凍りついたまま動けない。
--心が凍りついてひび割れる音がした気がした。学生時代から何度も経験してきた感覚が蘇る。
理性と誠意が門前払いされる。言葉が通じない。尊厳ある人間として扱われない--
尻馬に乗って、事業所長が怒鳴り騎士団支部長が嘲笑する。エルンストが根気強く反論していたが、やがて両者立ち上がって掴みかからんばかりになったところで、部屋の外からコーエンが駆け込んできて、ベルティーナ達を部屋から連れ出した。
表情が消えた顔でベルティーナが呟いた言葉を、エルンストは沈痛な思いで聞いた。
「--それでも、地球は回っている」
◇◆◇◆◇◆
「お疲れ様です。お茶でもどうですか」
エリザベートが声をかける。
宿のダイニングテーブルに座ったベルティーナは弱々しく笑って首を振る。
「では、モフでもどうですか」
ベルティーナの膝に仔犬を載せる。
「あぁぁ……モフーー!!」
抱き込んでワシャワシャすると、べべべと尻尾でベルティーナの顔をはたいた。
調査結果は昨夜エリザベートに説明済みだ。流石師匠、と喜んでくれた。
今日報告したら村へ帰ることは伝えてあり、荷造りはしてもらっていた。
報告から帰って、言葉少なに、納得はして貰えなかったがすべき仕事は果たしたとだけ伝えると、エリザベートは察して深く追及せず、ベルティーナを元気づけようと気を遣ってくれる。
エルンストはベルティーナを先に帰らせ、コーエンと後処理をしてから宿に帰ると言っていた。
エリザベートに見せる初めての『理系屋さん』の仕事がこんな結果になってしまったのは申し訳ないが、もはや科学の、ベルティーナの力の及ぶ範囲ではない。
頭を切り替えて村へ帰ろう。
そして春に買ったいいレンズの望遠鏡で星を見よう。ここは鉱山の影響で空気に煤が多くて星がよく見えない。
--この世の真理が、霞んで見える。
その時、玄関で激しく戸を叩く音がした。エルンストが帰ったにしては叩き方が妙だ。
玄関の覗き窓から見るとコーエンだった。駆けてきたらしく息が上がっている。
ベルティーナは不穏さを感じながら戸を開けた。
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*カクヨム様で先行掲載しております
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