6 / 11
6
「ねぇ、隼人!今日は早く帰ってきてね?」
「…頑張るよ」
「うん!待ってるね」
僕は隼人にお弁当を渡しました。玄関でお見送りして、僕も大学に行く準備をします。
帰ってきてとは言ったものの、隼人は帰ってこない気がします。
「…僕に魅力がないのかな?」
そんなことを考えてしまっては、落ち込んでいます。
(前までいっぱい愛してくれたのに…)
大学に行くと、隼人を見つけました。走って駆け寄ると、隼人は嫌そうな顔をします。
「今度はどの人?」
「…あの子だよ、可愛いでしょ」
そう言って指差したのはロングの清楚な子でした。隼人のタイプは静かでおとなしい子らしいです。
恋人の前で堂々と他の女の子に可愛いだなんて言えるのはどうかと思います。
「今日さ、デートとかしない?記念日だし!」
「は?なんで記念日にデートすんの?」
「と、特別な日だし隼人といたいなぁって」
「…あのさ、別れようよ」
隼人の言葉に僕は目を見開きました。僕はその言葉の意味を理解してどんどん、顔が青ざめていきます。
「な、なんで…」
「鬱陶しいし、記念日とかウザいんだよね」
「えっ!じ、じゃあ!デートも行かなくていいし、早く帰ってこなくても…いいから」
僕は溢れる涙を拭いながら隼人に抱きつきいた。
「別れたくない…」
そう言うと隼人は溜息をついて、僕を引き剥がしました。
「分かったよ…」
「っ、うん」
なんとか、別れることを阻止できたはいいものの少し傷ついていました。
恋人というのは、こういうものなのでしょうか?
僕は帰りにケーキを買って家に帰ります。携帯を開くと隼人から一言。
『今日、飲み会あるから帰らない』
とだけ。帰ってこないとは分かっていたけれど、やっぱり涙が出てきました。
「…ケーキは冷蔵庫に入れとこう」
僕は、また前と同じような生活に戻ってしまいました。
その日はもう、何もする気が起きずにそのままベットで寝てしまいました。
翌朝、目が覚めて隼人の寝室を見に行きました。隼人はぐっすり眠っているよう。
僕は、台所についてご飯を作ります。
「ん…」
「隼人、おはよう!寝癖ついてるよ?フフ」
「…触んないで」
「あ、ごめんね…」
手を叩かれて僕は手を引っ込める。朝は皆んな機嫌が悪いものだよね、と自分を説得して器にご飯を盛る。
「隼人、できたよ」
「…ん」
「今日のお弁当はね、隼人の好きな唐揚げ入ってるからね」
「…」
(僕のことが好きだった時は凄く喜んでくれたのになぁ…)
泣きそうになるのを堪えて笑顔で、僕も食卓につく。
「今日の夜はケーキもあるから…その」
(今日は帰ってきて欲しいなんて言ったら嫌われるかな?)
「は、隼人の好きなハンバーグもつくるし」
「何?早く帰ってきて欲しいの?」
「ち、違う…」
隼人は、冷たい目で僕を見つめて言葉を放ちました。
「そういうのウザいって言ったよね?」
「ごめんなさい…」
「…もういらない」
そう言ってご飯を残して、準備を始めます。
「は、隼人!お弁当…」
「いらない」
そう言って家を出た。そんな隼人を見て僕は床に倒れ込むように座った。
僕はなんとか、笑顔をつくろうとする。
「また、愛してくれるはず…」
隼人に愛を囁いてもらえたんだ。ご飯を美味しいって言ってもらえて、いつもより早く帰ってきてくれて、エッチだって甘くて優しくて……でも
「もう、僕はいらないんだ」
僕は隼人に依存していたんです。愛を囁いてくれたから、優しくしてくれたから…
(隼人ばかりといてはダメだ!友だちを作ろう!)
周りを見ると、グループみたいなのができているようです。僕は話しかけようと思ったけど勇気が出ません。
「このままじゃ、ダメだ!」
心を奮い立たせて、声をかけてみる。
「あ、あの…」
「そういえばさ、彼女とはどうなの?」
「え?別れた」
「マジかよ!」
僕の声はかき消されてしまったようです。その後も話しかけてみたんですけど空気と化してしまいました。
「やっぱり無理だよ…」
「何が?」
「うひゃ!」
ベンチで反省会をしていると、急に後ろから声をかけられて振り返ると、イケメンがいる。
「アンタ、めっちゃ無視されてたよね」
「え、見てたの?」
恥ずかしい…あんな情けないところを見られていたとは。
「友達つくりたいの?」
「うん…そう」
「じゃあ、俺が友達になってあげるよ」
「え?!い、いいの?」
「うん、よろしくね」
友達なんて智紀くん以来です。
「俺は浅見祐希」
「あ、えっと春山玲です」
「敬語じゃなくていいよ、タメだし」
「え?同い年なの?」
「うん、講義でよく見かけるし」
僕は記憶を辿ってみるが、こんなイケメンいた覚えがないですね。
「じゃあ、よろしく玲!」
「う、うん!よろしく祐希」
友達ができてウキウキで家に帰ります。
(なんだか、今日は何でも出来そう)
家にいても落ち着かないのでとりあえず、夕飯を作ろうとしたのだが、作りすぎてしまったようです。
食卓がハンバーグで埋め尽くされています。すると、隼人が帰ってきました。
「おかえり!」
「……」
「もうご飯できてるから、手洗ってきて」
「…ん」
隼人がリビングにくると、驚いた声を出した。
「作りすぎでしょ…」
「ごめんね、冷蔵庫にもまだ入ってるから、明日のお昼もハンバーグかな」
「……最悪」
僕はなんとか、笑ってごめんねと謝ります。
「…マジで、玲なんか好きにならなければ良かった」
その一言を聞いた途端、僕はもう耐えられなかったのでした。
「…頑張るよ」
「うん!待ってるね」
僕は隼人にお弁当を渡しました。玄関でお見送りして、僕も大学に行く準備をします。
帰ってきてとは言ったものの、隼人は帰ってこない気がします。
「…僕に魅力がないのかな?」
そんなことを考えてしまっては、落ち込んでいます。
(前までいっぱい愛してくれたのに…)
大学に行くと、隼人を見つけました。走って駆け寄ると、隼人は嫌そうな顔をします。
「今度はどの人?」
「…あの子だよ、可愛いでしょ」
そう言って指差したのはロングの清楚な子でした。隼人のタイプは静かでおとなしい子らしいです。
恋人の前で堂々と他の女の子に可愛いだなんて言えるのはどうかと思います。
「今日さ、デートとかしない?記念日だし!」
「は?なんで記念日にデートすんの?」
「と、特別な日だし隼人といたいなぁって」
「…あのさ、別れようよ」
隼人の言葉に僕は目を見開きました。僕はその言葉の意味を理解してどんどん、顔が青ざめていきます。
「な、なんで…」
「鬱陶しいし、記念日とかウザいんだよね」
「えっ!じ、じゃあ!デートも行かなくていいし、早く帰ってこなくても…いいから」
僕は溢れる涙を拭いながら隼人に抱きつきいた。
「別れたくない…」
そう言うと隼人は溜息をついて、僕を引き剥がしました。
「分かったよ…」
「っ、うん」
なんとか、別れることを阻止できたはいいものの少し傷ついていました。
恋人というのは、こういうものなのでしょうか?
僕は帰りにケーキを買って家に帰ります。携帯を開くと隼人から一言。
『今日、飲み会あるから帰らない』
とだけ。帰ってこないとは分かっていたけれど、やっぱり涙が出てきました。
「…ケーキは冷蔵庫に入れとこう」
僕は、また前と同じような生活に戻ってしまいました。
その日はもう、何もする気が起きずにそのままベットで寝てしまいました。
翌朝、目が覚めて隼人の寝室を見に行きました。隼人はぐっすり眠っているよう。
僕は、台所についてご飯を作ります。
「ん…」
「隼人、おはよう!寝癖ついてるよ?フフ」
「…触んないで」
「あ、ごめんね…」
手を叩かれて僕は手を引っ込める。朝は皆んな機嫌が悪いものだよね、と自分を説得して器にご飯を盛る。
「隼人、できたよ」
「…ん」
「今日のお弁当はね、隼人の好きな唐揚げ入ってるからね」
「…」
(僕のことが好きだった時は凄く喜んでくれたのになぁ…)
泣きそうになるのを堪えて笑顔で、僕も食卓につく。
「今日の夜はケーキもあるから…その」
(今日は帰ってきて欲しいなんて言ったら嫌われるかな?)
「は、隼人の好きなハンバーグもつくるし」
「何?早く帰ってきて欲しいの?」
「ち、違う…」
隼人は、冷たい目で僕を見つめて言葉を放ちました。
「そういうのウザいって言ったよね?」
「ごめんなさい…」
「…もういらない」
そう言ってご飯を残して、準備を始めます。
「は、隼人!お弁当…」
「いらない」
そう言って家を出た。そんな隼人を見て僕は床に倒れ込むように座った。
僕はなんとか、笑顔をつくろうとする。
「また、愛してくれるはず…」
隼人に愛を囁いてもらえたんだ。ご飯を美味しいって言ってもらえて、いつもより早く帰ってきてくれて、エッチだって甘くて優しくて……でも
「もう、僕はいらないんだ」
僕は隼人に依存していたんです。愛を囁いてくれたから、優しくしてくれたから…
(隼人ばかりといてはダメだ!友だちを作ろう!)
周りを見ると、グループみたいなのができているようです。僕は話しかけようと思ったけど勇気が出ません。
「このままじゃ、ダメだ!」
心を奮い立たせて、声をかけてみる。
「あ、あの…」
「そういえばさ、彼女とはどうなの?」
「え?別れた」
「マジかよ!」
僕の声はかき消されてしまったようです。その後も話しかけてみたんですけど空気と化してしまいました。
「やっぱり無理だよ…」
「何が?」
「うひゃ!」
ベンチで反省会をしていると、急に後ろから声をかけられて振り返ると、イケメンがいる。
「アンタ、めっちゃ無視されてたよね」
「え、見てたの?」
恥ずかしい…あんな情けないところを見られていたとは。
「友達つくりたいの?」
「うん…そう」
「じゃあ、俺が友達になってあげるよ」
「え?!い、いいの?」
「うん、よろしくね」
友達なんて智紀くん以来です。
「俺は浅見祐希」
「あ、えっと春山玲です」
「敬語じゃなくていいよ、タメだし」
「え?同い年なの?」
「うん、講義でよく見かけるし」
僕は記憶を辿ってみるが、こんなイケメンいた覚えがないですね。
「じゃあ、よろしく玲!」
「う、うん!よろしく祐希」
友達ができてウキウキで家に帰ります。
(なんだか、今日は何でも出来そう)
家にいても落ち着かないのでとりあえず、夕飯を作ろうとしたのだが、作りすぎてしまったようです。
食卓がハンバーグで埋め尽くされています。すると、隼人が帰ってきました。
「おかえり!」
「……」
「もうご飯できてるから、手洗ってきて」
「…ん」
隼人がリビングにくると、驚いた声を出した。
「作りすぎでしょ…」
「ごめんね、冷蔵庫にもまだ入ってるから、明日のお昼もハンバーグかな」
「……最悪」
僕はなんとか、笑ってごめんねと謝ります。
「…マジで、玲なんか好きにならなければ良かった」
その一言を聞いた途端、僕はもう耐えられなかったのでした。
あなたにおすすめの小説
計画的ルームシェアの罠
高木凛
BL
両親の転居をきっかけに、幼馴染の一ノ瀬涼の家に居候することになった湊。
「学生のうちは勉強に専念しろ」なんて正論を吐く涼に反発しながらも、湊は心に決めていた。
しかし湊は知らない。一ノ瀬涼の罠に。
【初回3話は毎日更新! 以降は火・木19時更新予定】
処刑される悪役令息に転生したらなぜか推しの騎士団長がグイグイ近づいてくる
猫に小判
BL
交通事故で死んだはずの会社員・田中悠人は、気がつくとBL小説『恋と陰謀~はじまりは夜に~』の世界に転生していた。
しかも転生先は、原作で処刑される悪役令息エリオット。
当然そんな未来は回避したい。
原作知識を頼りに慎重に立ち回るつもりだったのに、気づけば王宮を揺るがす事件に巻き込まれていき――。
さらに困ったことに、原作で一番の推しだった騎士団長ガイウスがやたらと距離を詰めてきて……?
平穏に生きたい元悪役令息と、過保護な騎士団長がじれじれ距離を縮める話。
ガイウス(騎士団長)×エリオット(元悪役令息)
『2度目の世界で、あなたと……』 ― 魔法と番が支配する世界で、二度目の人生を ―
なの
BL
Ωとして生まれたリオナは、政略結婚の駒として生き、信じていた結婚相手に裏切られ、孤独の中で命を落とした。
――はずだった。
目を覚ますと、そこは同じ世界、同じ屋敷、同じ朝。
時間だけが巻き戻り、前世の記憶を持つのは自分だけ。
愛を知らないまま死んだ。今度こそ、本物の愛を知り、自ら選び取る人生を生きる。
これは、愛を知らず道具として生きてきたΩが、初めて出会った温もりに触れ、自らの意思で愛を選び直す物語。
「愛を知らず道具として生きてきたΩが転生を機に、
年上αの騎士と本物の愛を掴みます。
全6話+番外編完結済み!サクサク読めます。
愛されたいだけなのに
まさお
BL
我儘令息だったノアは一回目の人生で最愛の人からの裏切りの末、殺される。
気がつくと人生が巻き戻っていて人生二週目が始まる。
しかしまた殺される。
何度も何度も繰り返した人生の中で自分が愛されることを諦めてしまう。
アプリで元カノを気にしなくなるくらい魅力的になろうとした結果、彼氏がフリーズしました
あと
BL
「目指せ!!魅力的な彼氏!!」
誰にでも優しいように見えて重い…?攻め×天然な受け
⚠️攻めの元カノが出て来ます。
⚠️強い執着・ストーカー的表現があります。
⚠️細かいことが気になる人には向いてません。
合わないと感じた方は自衛をお願いします。
受けは、恋人が元カノと同級生と過去の付き合いについて話している場面に出くわしてしまう。失意の中、人生相談アプリの存在を知る。実は、なぜか苗字呼び、家に入れてもらえない、手を出さないといった不思議がある。こうして、元カノなんか気にしなくなるほど魅力的になろうとするための受けの戦いが始まった…。
攻め:進藤郁也
受け:天野翔
※誤字脱字・表現の修正はサイレントで行う場合があります。
※タグは定期的に整理します。
※批判・中傷コメントはご遠慮ください。
【完結】もしかして俺の人生って詰んでるかもしれない
バナナ男さん
BL
唯一の仇名が《根暗の根本君》である地味男である<根本 源(ねもと げん)>には、まるで王子様の様なキラキラ幼馴染<空野 翔(そらの かける)>がいる。
ある日、そんな幼馴染と仲良くなりたいカースト上位女子に呼び出され、金魚のフンと言われてしまい、改めて自分の立ち位置というモノを冷静に考えたが……あれ?なんか俺達っておかしくない??
イケメンヤンデレ男子✕地味な平凡男子のちょっとした日常の一コマ話です。
キミがいる
hosimure
BL
ボクは学校でイジメを受けていた。
何が原因でイジメられていたかなんて分からない。
けれどずっと続いているイジメ。
だけどボクには親友の彼がいた。
明るく、優しい彼がいたからこそ、ボクは学校へ行けた。
彼のことを心から信じていたけれど…。