アカシア外伝アナザー

山田ジギタリス

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彼女の事情

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夫とは見合い結婚だった。私より3つ年上のちょっと神経質そうな人だった。

大学を出たものの就職に失敗してアルバイトをしている毎日で将来に不安があった私は夫との話に飛びついてしまった。それまで、何人かとお付き合いはあったが私の体型へのコンプレックスでみんな体目当てにしか思えないのですぐに別れてしまっていた。

だから、夫と結婚するまで処女だった。


夫は私が若いことを理由に子供はまだいいねと言っていた。僕も避妊するけど何かあったら大変だから君も薬を飲んでおきなと進めてくれた。結婚式の少し前から薬を飲み始めた。


新婚旅行は楽しかった。夫のエスコートは素晴らしくて、私を大事にしてくれていることがよくわかった。私もはしゃいでいっぱい楽しんだ。でも夜になると昼間の疲れですぐに寝てしまった。夫にはすまないと思っていた。ただ、朝起きると股間に痛みがあった。夫に言うとだいぶ歩いたからね、疲れたのだろう、といたわってくれた。結局新婚旅行中は夫との初夜はなかった。


旅行から帰ってみんなに報告してやっと落ち着いたころ寝室で夫からビデオを見せられた。私はそれをみて目を疑った。


画面の中の私は裸にされてベッドの上で寝ている。部屋は旅行初日のホテルだ。画面の横から黒人男性が出てきて私の胸をさわりこちらを向き、本当にやっていいのかと現地語で聞いてくる。

また私の方をみて股間に頭を埋めて何やらやっている。ビデオが動いて男が私の股間を舐めている様子が映し出される。

放心状態でそれを見てると、

「さぁ本番だよ、君の初めてだ、よく見ておきなさい。」

と夫がいう。

男が私の股間に彼の大きなペニスを合わせてぐいと押し込む。

私は目を瞑った。見ていられない。

夫はビデオを早送りした。

2日目、3日目と寝ている私を犯す男たち、人種も年齢もばらばらだった。


私は結婚まで処女を守るつもりはなかった。たまたまそうなっただけだ。でも、結婚してから他の男に汚されるのは嫌だった。それが信頼していた夫のせいでそうなったのはショックだった。

呆然としている私を夫が押し倒す。私はなされるがままだった。夫の愛撫は優しかった。ホテルでの行為は記憶になのだからこれが自分にとっての初めて。でも画面の中の私はいろんな男に汚されている。

夫が私に挿入したとき自然と涙が出てきた。


しばらくはそのビデオを見せられながら夫とセックスをした。夫は優しく私もだんだんセックスに慣れてきて感じるようになった。画面の中の私は私に似たAV女優でAVを見ながらしている、そう思い込んでいた。

その頃になると夫の反応が悪くなっている気がした。そして夫から次の話が、指示がでた。


他の男に抱かれてきて報告する。

そんなことできるわけない。必死で断ったが押し切られてしまった。


最初は夫に手伝ってもらってそのころからはやりはじめていた出会いサイトで相手を探した。でもすぐにみんな同じことに気がつきそれからはパート先で探すことにした。

パート先で、あとくされの無い既婚者を狙って、向こうから手を出すように仕向けて、した。美人ではないが男をそそる身体に群がる男は多かった。パートを掛け持ちすればすぐに男が釣れた。


彼に会ったのはそんなパート先の一つだった。

彼は気がついていなかったけどそこでも2、3人と関係している。

たまたま彼と一緒に帰った時の反応をみて女ずれしてないことがわかった。

もしかして、未経験?


遅くまで彼が一人で仕事をしていることは知っていたので、忘れ物をしたふりをして彼を一緒に帰り、彼の部屋に入り込んで彼の始めてを頂いた。

全く慣れてない彼だが飲み込みは早かった。三回目は私を十分に楽しませてくれた。


夫に報告したときに避妊するのを忘れたことを謝った。

夫はそれにも興奮したようで

「誰かの種をもらって孕まされたお前とするのもいいな」

とさらに地獄に突き落とすようなことを言った。


冗談かと思ったら本気だった。


今までは、一人一回か二回で別れていたけど彼とは妊娠しやすい時期なら妊娠するまで何回もしてよいと言われた。もちろん、毎回報告するという条件付きだった。


私は、夫に報告しているとき以外も彼とねた。それこそ獣のように求めた。夫以外をこんなに求めたのは初めてだった。


夫にとって彼とのセックスの報告は次第につまらなくなってきたようなので他の男にも抱かれた。彼に対して罪悪感を感じた。もちろん、彼以外とは避妊させている。


彼の子を孕むのには案外時間がかかった。彼には夫の子供と伝えた。少しでも罪悪感を感じさせないように。

そして、しばらく夫以外の男性に抱かれることがないことにほっとしていた。


初めての育児はきつかった。娘を育てている間は他の男に抱かれることもなかった。幸せな時期はそれほど長くはなかった。

卒乳するころパートと男に抱かれることを再開した。


卒乳したからと言って母乳が止まるわけではない。セックスしてるときに垂れてくる母乳に興奮する男性もいた。次の子供は夫の子供が欲しいので避妊薬は飲んでいなかった。夫には飲んでると言って避妊なしでしていたので次の子供ができたときはてっきり夫の子供かと思った。

産まれた長男はあまり夫には似ていない。小学生になるころに血液型を調べて、夫の子供でないことがわかった時は、失望というより絶望に近かった。

夫には隠す必要はないので血液型からすると夫の子供でないことを知らせた。

夫はどう考えていたのかわからないが慰められた。珍しく夫から求められてうれしかったのを覚えている。


娘と夫の関係は最初は気がつかなかった。気がついたというより夫に見せつけられたころには娘はすっかり夫とのセックスに慣れたころだった。

さすがに夫に抗議してやめさせようとしたが夫は頑固だった。娘を連れて家を出ることも考えたが、私は夫に支配されていたのだろう、できなかった。


とにかく、外に男を作り男に抱かれれば夫が喜びご褒美に抱いてくれる。


娘は娘ではなく夫を巡るライバルとしての女の顔になってきた。


娘に彼氏ができた。たまたま外で見かけたら、次の週末に家に連れてきた。最初は、奈津子ちゃんとその彼氏と一緒に来たがそのうち二人で来るようになった。


見た目はいまどきのチャラ男だったけど礼儀正しくさすがにいい学校にいってると思わせる子だった。ただ、何度か来るうちに視線を感じるようになった。まぁ、男の人が私の胸に視線を向けるのはよくあることなので気にしていなかった。でも、なんか違う。

夫もその視線に気がついたようだった。


次は彼が相手にしようか、と言ったのは私からだった。夫は家に呼ぶならビデオカメラを仕掛けようと言った。リビングと寝室にカメラを仕掛けたようだった。


用事をでっちあげて彼を呼ぶ。娘は夫が連れ出した。きっとどこかのホテルに行くのだろう。息子は友人と出掛けている。


二人きりになって、いろいろ話をしながら彼の横に座る。ちょっと煽ると彼は飛びついてきた。リビングだと外から見えるからと寝室に誘う。寝室でキスをしてこようとするのでかわしてズボンを脱がせてフェラチオを始める。夫にカメラの方向を支持されていたのでよく見えるように気を付けた。

彼は娘とが初体験で娘としか経験していないと言っていた。その割に上手なのは娘が手ほどきしているからなのか。年下と侮っていたらいかされてしまった。


彼が娘の事を愛しているのはわかった。そのうえで私にひとめぼれしたらしい。

娘に夫を取られたのだから私も娘の彼氏ぐらい味見してもいいわよね。


ただ、彼との関係を続ける気はなかった。次はないことをしっかりと伝え、実際に誘われてもきっぱり断った。思い余った彼に襲われるかもと心配と期待もあったがそのようなことはなかった。


娘が彼を結婚相手として連れてきた。夫は喜んで娘をよろしくと祝福していた。

結婚の準備が進むのに夫と娘の関係は続いている。私は寝室にレコーダーをいくつかセットした。録音を聞くと夫はまだ娘に子供を産ませるつもりなのが分かった。


残念ながらそれは無理。私も未練がましく夫の子供を産もうとしていた時期があった。その頃に夫の精子を検査してもらい通常のセックスではほぼ子供は無理なことを知った。


娘の彼を呼び出し夫と娘の事を洗いざらい話した。彼を誘惑した理由まで話してしまった。彼は吹っ切れたように言った。

「じゃ、俺たちもちょっとだけ仕返ししましょう。」


彼は奈津子ちゃんのお母さんを巻き込み計画を練った。娘の父親は名前と学校と学部はわかるのよね、と言うと探してきてくれた。


彼には奥さんと子供たちがいた。奥さんは浮気をしていた。


彼にその写真を見せるとかなりショックだったのだろう。呆然としていた。私も保険でホテルに連れ込み抱かれたがその必要もなかったかもしれない。あとは私たちの言うがままに動いてくれた。


彼に娘を孕ませるときになって罪悪感が湧いてきた。それでもここまで来たら止められない。娘に種付けするたびに彼は私を求めてくる。私もそれに応じた。


娘の妊娠が確認できたころ、彼の奥さんの浮気の理由や状況が分かった。彼はまじめすぎる性格で子供たちはおろそかにしないけど仕事も忙しかった。自然と奥さんとの時間は無くなる。奥さんはパート先の質の悪い男に引っかかり浮気をしていた。

ハルさんと娘の彼、もう旦那さんになっていたが、が手を回し、間男が手を出していたほかの女性の旦那に証拠を送りそちらに対応させた。間男も馬鹿じゃないので証拠のあった女性だけ白状し逃げて行った。


奥さんの浮気はなかったことにした。

彼は奥さんと子供たちの元に帰って行った。



仕返しが終って娘も私も独身に戻った。

娘の旦那も仕事を変え引っ越すことになった。


私は何も考えず勢いで仕返ししてしまったので先の事は考えてなかった。

弁護士さんがいろいろ手配してくれて財産分与はすんなり終わった。

夫は、元夫は結婚してからの事を謝ってくれた。それでも、娘と娘の子を育てるためまだまだ頑張らないとと寂しそうに言っていた。

息子はとうに家を出ている。家も売り遠くで3人で住むからこれでお別れだね。

娘は最後まで顔を見せなかった。




娘と入れ替わりで家をでてアパートに入った私を娘の元旦那が訪ねてきた。

「俺の愛人になれ」

奥さんではなくて愛人、それもなってくださいではなくてなれ。

私は断ったが強引に連れ出されて車で連れていかれた先で女性二人を紹介された。

若い女性とその母親。若い女性は妻の予定。母親は愛人2号、私は愛人1号と言われた。勝手なこと言わないで、と怒ったけど、彼は気にも留めなかった。


家には小さい子が二人いた。二人とも彼の子供だった。年上の子供は母親が年下の子供は娘が産んだそうだ。


彼は、貴女にも産ませたいといったがさすがに無理だと断った。

でも、孕ませるまであきらめないと宣言された。

でもアラフィフでの出産は母体も子供も危険だということを愛人二人で説得してようやくあきらめてくれた。まぁ、私もそろそろ閉経するだろう。子供を産むのは正妻に任せよう。


3人や4人でとかインモラルなことをやらされるのかと思ったらそうではなかった。若いころにさんざんやって懲りたからねと正妻と愛人2号が笑ってた。彼女たちはそのころのことは詳しく教えてくれない。私も聞かない。


いびつな家庭かもしれないが、以前よりはましかもしれない。
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