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第四章
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週に1回は、ヘルクヘンセンに顔を出さないといけない。
骸骨が裏で糸を引いているとしても、形式上はオレが後見人となっている。
なので、仕事しているフリだけでもしないとならないらしい。
それで行くついでに骸骨に、
「なあ、ちょっと手のかかる悪ガキが居て困っているんだが」
と相談を持ちかけた。
「ふむふむ、ならば我輩に任せたまえ、こう見えても子育ては何人も経験・・コホン」
などと言うので、ロリドラゴンを連れて行ったのだが……
「ギィイイヤァアアー! 我輩は骨ではない! イダダダ! いや、やめて、相手があのドラスレなんて聞いてないでござる!」
どうやらドラスレに苦手意識があったもよう。
そら、2回もドスンっていわしてるからな。
そしてロリドラゴン、骸骨が気に入ったのか、あま噛みしてござる。まるで犬だな。
「懐かれて良かったじゃないか、オレだと肉ごと食い千切られるんだぞ」
「全然良くないわよ! ちょっとやめてよ!」
てんぱってオネエ言葉になっている骸骨。
そのうち、オレとロリドラゴンの襟首を持ち上げて、部屋の外へ放り出される。
扉の前でオレはロリドラゴンと顔を見合わせる。
――ガチンッ!
ウォッ! あぶな!
おい骸骨! オレとこいつを二人っきりにしないでくれ!
いだっ! このクソドラゴン! いでっ、いででで。
部屋の前でロリドラゴンと格闘を繰り広げていたところ、ドアがちょっとだけ開き、オレを手招きしてくる。
急いで部屋に入り戸を閉める。
「おまっ、オレをコロス気か!」
「随分嫌われているようですな」
「だからお前に調教を頼みに来たんじゃないか!」
まあそれはおいといて、と言う。いや、おいとかないでください。
「少しは会っていかれないのですかな?」
「……誰にだよ?」
骸骨が肩をすくめる。
「ずっと元気がなくてですな、今では痩せ細って見るに耐えない姿。過去にどういういざこざがあったか知りませんが、王位につけたという事はもう許しているのでしょう? ならば、少しは話をしていかれよ」
「……だから一体なんの事を言っているんだ」
いや、分かっている。
オレだってこのままじゃダメなんだって気づいてはいるんだ。
唯少し、もう少し、時間が欲しい。心の整理というかなんというか……
気付けは、オレは俯いて地面を見つめていた。
「ウフッ、意外とかわいい所もあるのね」
オレは面を上げる。
右を見る。左を見る。誰も居ない。
今ここにはオレと骸骨しか居ない。ということは、さっきのセリフは……
「我輩、どっちもいける口なので」
「ヒィイイ!」
オレは思わず後ずさる。
その時、背後の扉が開いた。
「ちょっとダンディ、ロゥリを放置しないでくださいよ。危険でしょ」
ラピスがそう言いながら入ってくる。
なあ、ところで皆、あのロリドラゴンの事をロゥリと言っているんだが、それもしかして名前か?
えっ、オレが言ってただろって? いやオレはそういうつもりで……まあいっか。
「優雅にお茶を飲んでいたら、お菓子ごと全部平らげられてしまったじゃないですか」
余裕だなお前。オレらは命がけで対策を練っていたのに。
「それでそのロリドラゴンはどうしたんだ」
「お腹がいっぱいになったのか寝に入りましたよ」
くっそ、あのロリドラゴン、自由だな!
もうここに置いて帰ろうか……
「ふむふむ、仕方あるまい。一度はやろうと言った事だ、我輩がなんとか躾をしよう」
「ほんとうか! お前、実はいい奴だったんだな!」
「我輩は最初からいい男であるぞ」
「「それはないな」」
二人同時に否定されて、ちょっと落ち込む骸骨。
「とりあえずそのロリドラゴン起こしに行くか」
と、向かったロリドラゴンが寝ている場所。
それは一人の女性の膝の上だった。
オレとその女性は無言で視線だけを交わす。
互いにジッと見つめあう。
ラピスが不思議そうな視線を向けてくる。
「ラピス、ダンディ、あいつの事は任した。オレは一足先に竜籠に行っている」
ダンディがヤレヤレと首を振るのを後に、オレはその場所を抜け出す。
「まあ、あの年頃は難しい時期だ。仕方有るまいて」
「へぇ、あのお坊ちゃまがねえ……そんな年相応な……私、ちょっとびっくりしました」
聞こえているぞラピス。
王都間を結ぶ交通に使われる竜籠で待っていた所、ダンディとラピスが現れる。
「あいつはどうした?」
「良く寝ているんで置いてきました。それでは後は頼みますよ飼育がか・・おっと、ダンディ」
「おい貴様、今、飼育係と言おうとしたか!?」
ラピスが骸骨の抗議を聞き流しながら、飛竜につなげられた客車に入って来る。
「いいのか起こさないで? せめて説明ぐらいはしたほうがいいんじゃないか?」
「大丈夫でしょう。ごねるようなら召喚で戻せばいいですし」
「まあラピス譲がそう言うなら大丈夫であるか」
いや骸骨、こいつの大丈夫はあまり当てにならないから気をつけろよ。
骸骨が裏で糸を引いているとしても、形式上はオレが後見人となっている。
なので、仕事しているフリだけでもしないとならないらしい。
それで行くついでに骸骨に、
「なあ、ちょっと手のかかる悪ガキが居て困っているんだが」
と相談を持ちかけた。
「ふむふむ、ならば我輩に任せたまえ、こう見えても子育ては何人も経験・・コホン」
などと言うので、ロリドラゴンを連れて行ったのだが……
「ギィイイヤァアアー! 我輩は骨ではない! イダダダ! いや、やめて、相手があのドラスレなんて聞いてないでござる!」
どうやらドラスレに苦手意識があったもよう。
そら、2回もドスンっていわしてるからな。
そしてロリドラゴン、骸骨が気に入ったのか、あま噛みしてござる。まるで犬だな。
「懐かれて良かったじゃないか、オレだと肉ごと食い千切られるんだぞ」
「全然良くないわよ! ちょっとやめてよ!」
てんぱってオネエ言葉になっている骸骨。
そのうち、オレとロリドラゴンの襟首を持ち上げて、部屋の外へ放り出される。
扉の前でオレはロリドラゴンと顔を見合わせる。
――ガチンッ!
ウォッ! あぶな!
おい骸骨! オレとこいつを二人っきりにしないでくれ!
いだっ! このクソドラゴン! いでっ、いででで。
部屋の前でロリドラゴンと格闘を繰り広げていたところ、ドアがちょっとだけ開き、オレを手招きしてくる。
急いで部屋に入り戸を閉める。
「おまっ、オレをコロス気か!」
「随分嫌われているようですな」
「だからお前に調教を頼みに来たんじゃないか!」
まあそれはおいといて、と言う。いや、おいとかないでください。
「少しは会っていかれないのですかな?」
「……誰にだよ?」
骸骨が肩をすくめる。
「ずっと元気がなくてですな、今では痩せ細って見るに耐えない姿。過去にどういういざこざがあったか知りませんが、王位につけたという事はもう許しているのでしょう? ならば、少しは話をしていかれよ」
「……だから一体なんの事を言っているんだ」
いや、分かっている。
オレだってこのままじゃダメなんだって気づいてはいるんだ。
唯少し、もう少し、時間が欲しい。心の整理というかなんというか……
気付けは、オレは俯いて地面を見つめていた。
「ウフッ、意外とかわいい所もあるのね」
オレは面を上げる。
右を見る。左を見る。誰も居ない。
今ここにはオレと骸骨しか居ない。ということは、さっきのセリフは……
「我輩、どっちもいける口なので」
「ヒィイイ!」
オレは思わず後ずさる。
その時、背後の扉が開いた。
「ちょっとダンディ、ロゥリを放置しないでくださいよ。危険でしょ」
ラピスがそう言いながら入ってくる。
なあ、ところで皆、あのロリドラゴンの事をロゥリと言っているんだが、それもしかして名前か?
えっ、オレが言ってただろって? いやオレはそういうつもりで……まあいっか。
「優雅にお茶を飲んでいたら、お菓子ごと全部平らげられてしまったじゃないですか」
余裕だなお前。オレらは命がけで対策を練っていたのに。
「それでそのロリドラゴンはどうしたんだ」
「お腹がいっぱいになったのか寝に入りましたよ」
くっそ、あのロリドラゴン、自由だな!
もうここに置いて帰ろうか……
「ふむふむ、仕方あるまい。一度はやろうと言った事だ、我輩がなんとか躾をしよう」
「ほんとうか! お前、実はいい奴だったんだな!」
「我輩は最初からいい男であるぞ」
「「それはないな」」
二人同時に否定されて、ちょっと落ち込む骸骨。
「とりあえずそのロリドラゴン起こしに行くか」
と、向かったロリドラゴンが寝ている場所。
それは一人の女性の膝の上だった。
オレとその女性は無言で視線だけを交わす。
互いにジッと見つめあう。
ラピスが不思議そうな視線を向けてくる。
「ラピス、ダンディ、あいつの事は任した。オレは一足先に竜籠に行っている」
ダンディがヤレヤレと首を振るのを後に、オレはその場所を抜け出す。
「まあ、あの年頃は難しい時期だ。仕方有るまいて」
「へぇ、あのお坊ちゃまがねえ……そんな年相応な……私、ちょっとびっくりしました」
聞こえているぞラピス。
王都間を結ぶ交通に使われる竜籠で待っていた所、ダンディとラピスが現れる。
「あいつはどうした?」
「良く寝ているんで置いてきました。それでは後は頼みますよ飼育がか・・おっと、ダンディ」
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ラピスが骸骨の抗議を聞き流しながら、飛竜につなげられた客車に入って来る。
「いいのか起こさないで? せめて説明ぐらいはしたほうがいいんじゃないか?」
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