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第四章
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えっ、ちょっと寄って行きたいところがある?
ほうほう、妹さんをカユサルに預けている? 難病?
カユサル様のあの状況見て、放置されていないか心配になってきた?
そりゃなるわな。
「その妹さんの病気というのは?」
ボウリックさんの妹さん、その昔、未知の魔道具のモルモットに立候補したらしい。
王家には時に、貴重な魔道具の商談が入る事がある。
しかし、その中には効果が不明な物もあり、なおかつ、そういった効果の不明なブツほど価値が高い物が多いという。
ボウリックさんの家系はそこそこ位の高い貴族であるが、家族が結構な浪費家で、当時はお金が底を尽き、このままでは屋敷を売って都落ち寸前だったとか。
そこで、末の妹をそういった魔道具の実験に差し出したようなのだ。
それに立候補すれば、成功しても失敗しても結構な資金を王家から頂けるとのこと。
「言い訳になるかも知れないが、そんなに危険な物だとは思っていなかったのだ。陛下も、俺達が路頭に迷わないようその仕事を回してくれた」
だが、思惑と外れ、妹さんに使用した魔道具は大変危険な代物だった。
最初は唯、魔力を蓄えるだけの大した事のない代物と思われていた。
その実、その魔道具は確かに魔力を蓄える、しかし! 永遠にだ。
10年過ぎた今尚、妹さんはその魔道具に魔力を吸い続けられている……
「壊したりは出来ないんですか?」
「蓄えた魔力を使ってな……すべての攻撃を無効化してしまう」
そして妹さんは魔力増強のスキル持ち。
そう、人より魔力が多いため、簡単に壊す事が出来なかった。
それは時が経てば経つほど困難になり、今では終わりが来るのを唯待つだけとなった。
「いつかは、魔力が一杯になり吸い上げる効果が終わる。それだけが……今の希望だ」
そうして訪れた妹さんの病室。
「随分小さいな……」
どうみても5歳くらいにしか見えない。
「徐々に縮んでいるんだ」
「えっ?」
「王家に持ち込まれたこの魔道具、魔力を蓄えるだけではなく、蓄えた魔力により……若返る事が『出来るかもしれない』魔道具だった」
有る程度効果は調査で絞られていたらしい、あとは魔力を流すだけという段階まで。
「……妹さんの年齢は?」
「当時16歳、結婚を……一ヵ月後に控えている時だった」
タイムリミットは……あまり残されて居ないと言う訳か。
ボウリックさんはベットの隣の椅子に腰掛けポツポツと語りだす。
「妹は日に何回か目を覚ますことがある」
しかし、目を覚ましても1時間もすればまた眠りにつく。
兄と両親は、すでに妹は居ないものと扱っている。
婚約者であった……第一王子もこないだの戦で戦死。
「その話、本当なのですかリックお兄様……」
「ヒメリア……! 起きていたのか!」
ツゥと妹さんの目から涙がこぼれる。
「そうですか……それでずっと……それに……お父様、お母様……ヒメリアはもう……貴方達の娘ではないのですね」
「ち、違うぞ。今は唯、疎遠になっているだけで、病気が治れば必ず!」
「お兄様……私を殺してください。もう、生きているのが……つらいんです」
「……っ!」
なんだか見て居られない。
ヤバいよ、なんでこんなにシリアスなの?
自分、もっと楽しく生きたいです。
「これがその魔道具……?」
小さな光が明滅している、ランタンのようなものが枕元に有る。
「こんなに近づけていいのか?」
「遠くに離れれば離れるほど、吸い上げる魔力が多くなってしまうのです」
そうか……オレがその魔道具に近寄り、手を差し伸べようとした――――その瞬間だった!
――バリンッ!
大きな音を立てて窓をつき破って入ってくる一匹の生物が!
「サワルナッ! ソレキケン!」
それは真っ白な小さなドラゴンであった。
そのドラゴンは勢いを付けてランタンに突進し――――それを噛み砕く!
「「「えっ……」」」
ちょっ、おまっ、なんてことするの!
そんなことしたら……あれ? どうなるの? たしか壊せないから困っていたんじゃ?
「ば、バカな! そんな簡単に壊せるはずが……」
「なるほどその手があったか……」
そこへ部屋に入ってくるカユサル。
「やはり、その子は幸せを呼ぶホワイトドランだな。ホワイトドラゴンには……魔法を無効にする力が有る」
カユサルの奴も、放置していた妹さんを気になって後をついて来た模様。
やっぱり放置してたんかい。
ちゃんとお城の人は世話してくれていたようだが。
「じゃ、じゃあもうヒメリアは……」
「その魔道具に魔力を吸い上げられることは……二度とない!」
「お、お、おおおお……!」
ボウリックさんが両手を顔に当てて男泣きしだした。
妹のヒメリアさんは、救世主であるホワイトドラゴンに抱きついて嬉し泣きしている。
良くやったロリドラゴン! お前は凄い奴だ!
――ガチンッ!
ちょっ、おまえ! ここは感動して頭をなでさせてくれる場面だろ!? オレもお前のフサフサなとこ触りたいんだよぉおおお!
ほうほう、妹さんをカユサルに預けている? 難病?
カユサル様のあの状況見て、放置されていないか心配になってきた?
そりゃなるわな。
「その妹さんの病気というのは?」
ボウリックさんの妹さん、その昔、未知の魔道具のモルモットに立候補したらしい。
王家には時に、貴重な魔道具の商談が入る事がある。
しかし、その中には効果が不明な物もあり、なおかつ、そういった効果の不明なブツほど価値が高い物が多いという。
ボウリックさんの家系はそこそこ位の高い貴族であるが、家族が結構な浪費家で、当時はお金が底を尽き、このままでは屋敷を売って都落ち寸前だったとか。
そこで、末の妹をそういった魔道具の実験に差し出したようなのだ。
それに立候補すれば、成功しても失敗しても結構な資金を王家から頂けるとのこと。
「言い訳になるかも知れないが、そんなに危険な物だとは思っていなかったのだ。陛下も、俺達が路頭に迷わないようその仕事を回してくれた」
だが、思惑と外れ、妹さんに使用した魔道具は大変危険な代物だった。
最初は唯、魔力を蓄えるだけの大した事のない代物と思われていた。
その実、その魔道具は確かに魔力を蓄える、しかし! 永遠にだ。
10年過ぎた今尚、妹さんはその魔道具に魔力を吸い続けられている……
「壊したりは出来ないんですか?」
「蓄えた魔力を使ってな……すべての攻撃を無効化してしまう」
そして妹さんは魔力増強のスキル持ち。
そう、人より魔力が多いため、簡単に壊す事が出来なかった。
それは時が経てば経つほど困難になり、今では終わりが来るのを唯待つだけとなった。
「いつかは、魔力が一杯になり吸い上げる効果が終わる。それだけが……今の希望だ」
そうして訪れた妹さんの病室。
「随分小さいな……」
どうみても5歳くらいにしか見えない。
「徐々に縮んでいるんだ」
「えっ?」
「王家に持ち込まれたこの魔道具、魔力を蓄えるだけではなく、蓄えた魔力により……若返る事が『出来るかもしれない』魔道具だった」
有る程度効果は調査で絞られていたらしい、あとは魔力を流すだけという段階まで。
「……妹さんの年齢は?」
「当時16歳、結婚を……一ヵ月後に控えている時だった」
タイムリミットは……あまり残されて居ないと言う訳か。
ボウリックさんはベットの隣の椅子に腰掛けポツポツと語りだす。
「妹は日に何回か目を覚ますことがある」
しかし、目を覚ましても1時間もすればまた眠りにつく。
兄と両親は、すでに妹は居ないものと扱っている。
婚約者であった……第一王子もこないだの戦で戦死。
「その話、本当なのですかリックお兄様……」
「ヒメリア……! 起きていたのか!」
ツゥと妹さんの目から涙がこぼれる。
「そうですか……それでずっと……それに……お父様、お母様……ヒメリアはもう……貴方達の娘ではないのですね」
「ち、違うぞ。今は唯、疎遠になっているだけで、病気が治れば必ず!」
「お兄様……私を殺してください。もう、生きているのが……つらいんです」
「……っ!」
なんだか見て居られない。
ヤバいよ、なんでこんなにシリアスなの?
自分、もっと楽しく生きたいです。
「これがその魔道具……?」
小さな光が明滅している、ランタンのようなものが枕元に有る。
「こんなに近づけていいのか?」
「遠くに離れれば離れるほど、吸い上げる魔力が多くなってしまうのです」
そうか……オレがその魔道具に近寄り、手を差し伸べようとした――――その瞬間だった!
――バリンッ!
大きな音を立てて窓をつき破って入ってくる一匹の生物が!
「サワルナッ! ソレキケン!」
それは真っ白な小さなドラゴンであった。
そのドラゴンは勢いを付けてランタンに突進し――――それを噛み砕く!
「「「えっ……」」」
ちょっ、おまっ、なんてことするの!
そんなことしたら……あれ? どうなるの? たしか壊せないから困っていたんじゃ?
「ば、バカな! そんな簡単に壊せるはずが……」
「なるほどその手があったか……」
そこへ部屋に入ってくるカユサル。
「やはり、その子は幸せを呼ぶホワイトドランだな。ホワイトドラゴンには……魔法を無効にする力が有る」
カユサルの奴も、放置していた妹さんを気になって後をついて来た模様。
やっぱり放置してたんかい。
ちゃんとお城の人は世話してくれていたようだが。
「じゃ、じゃあもうヒメリアは……」
「その魔道具に魔力を吸い上げられることは……二度とない!」
「お、お、おおおお……!」
ボウリックさんが両手を顔に当てて男泣きしだした。
妹のヒメリアさんは、救世主であるホワイトドラゴンに抱きついて嬉し泣きしている。
良くやったロリドラゴン! お前は凄い奴だ!
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