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第五章
レベル83 聖皇国グランドバレス
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カユサルが、戦争の仲介のお願いの為に、色々お話を皇帝にしている。
しかしその皇帝陛下、興味なさそうに片頬をついて欠伸とかしている。
あと、やけに高いな王座。王座の前には階段があり、謁見者を随分と見下ろす位置にある。
あんな遠い所から聞こえるのだろうか? もしかして聞く気がないのかな。
「ようは停戦の仲介をすればよいのだな? 分かったからもう下がるが良い」
カユサルの話をぶった切るようにそう言ってくる。
ほんとやる気がなさそうだ。
とりあえず振りだけするのがミエミエだ。
まあ、オレ達もその程度の事は予想済みだ。
「おお、それは誠ですか! 心強いお言葉感謝致します」
カユサルの奴も随分なピエロ役だな。心にも無い事をスラスラ口から出ている。
「我が国、実は戦争などしている余裕が無いのですよ」
そう言いながら手を叩くカユサル。
すると後方から、巨大な宝箱が運ばれてくる。
今回のオレ達のお土産だ。さて、どう出てくるか。
オレはその巨大な宝箱を開く。
観音開きになった、まるで仏壇のようなその宝箱、その中には――――巨大な魔法石が約一個。
そうそれは、ピクサスレーンの旧王都、魔都サンムーンにあった魔法石。骸骨王ダンディが守っていた、死者を操るダンジョンコアであった。
と、とたん身を乗り出して、それを目玉が飛び出しそうな勢いで覗きこんでくる皇帝陛下。
王座から転げ落ちそうな体勢で身を乗り出してくる。
どうやら随分と気が引けたご様子。むしろ、効果が有り過ぎるぐらいだ。
「なんと見事な禍々しき宝玉……それはいったいどこで手に入れたのだ?」
「このダンジョンコアは、我が国の旧王都、サンムーンにて在った物でございます」
「ま、魔都サンムーンを…………攻略したと言うのか!?」
ザワザワとざわめきが辺りを支配する。
誰もが驚愕の顔を隠しきれない。
カユサルが一歩進み出て、ペチペチとそのダンジョンコアを叩く。
「お、おい、そのように無下に扱うでない! そ、それは、大変貴重なものであろう」
それを見て慌てる皇帝陛下。もう自分の物になったと思っている口ぶりだな。
「我々はこれを機に開拓を再開しようと思って居ます」
今回のオレ達のシナリオはこうだ。
戦争が決着したら、ダンジョンコアごと魔都サンムーンその物を聖皇国へ献上する。でっかいお土産だぜ。
まあうちとしては、死者が徘徊していた都。再建しようにも誰も移民して来ようとはしない。
なのでいっそのこと、この地を聖皇国の物としてもらい、再建をお願いしようと。
神殿を中心とする聖皇国なら浄化も得意だろうし、なにより遠方にあるので魔都サンムーンの悪名も薄い。
ここをお任せする事により、サンムーンを中心として領地を広げる算段も付く。
国の中心に聖皇国の飛び地があるという事で、子飼いの各国は手を出しづらくもなるだろう。
「まさか……サンムーンが開放されていたとは……」
「益々ピクサスレーンが力を付けてくる事になるな」
「その先端を我が国の物と出来るなら……これはどっちがいいか迷うな」
遠くで聖皇国の重鎮達がそんなお話をしている。
停戦が行われれば、ピクサスレーンが力を付け過ぎる事になりかねない。
しかし、サンムーンを手にする事により楔を打ち込む事は出来る。
聖皇国以外にとっては悪事であろうが、停滞している聖皇国にとっては、またとないチャンス。
「良いぞ! 良いぞ! 彼の地を贈ると言うのなら何でもしてやろうではないか!」
手を叩いて喜ぶ皇帝陛下。
目が随分ギョロリとしている。心なしか涎まで垂れているような気がする。
「しかし、一体どのようにして開放されたのか? それにアンデッドがほぼ消滅したと言うのも信用ならぬな」
「カシュア、お前の剣を見せてやれ」
カシュアが前に進み出て、巨大な盾に収納されている大剣を引き抜く。
それを見て動揺する各々方。
「あれは……あの輝きは……聖文にあった聖剣の……」
「そんなまさか! いつ持ち出されたのだ!?」
「担い手が……現れたと言うのか!?」
ん? なんか雰囲気が一気に悪くなったな?
というか盗人扱いされているような……
聖剣……聖なる国を自負するこの国にとって腫れ物扱いだったのかも。迂闊に見せない方が良かったか?
だがカシュア、そんな雰囲気を物ともせず、見せ付ける様に高々と持ち上げる。
「聖剣はもはや君達だけの特権ではない! どうだね! すごく立派だろう!」
お前は少しは空気を読むって事を覚えたらどうだ? それともわざとなのか?
一気に殺気立つ聖皇国の方々。
「どうやったかだって! いいだろう、見せてしんぜよう!」
そう言ってそのバカ、剣を思いっきり振り下ろす。皇帝陛下の方へ向かって。
失礼にも程が在るだろう。
その瞬間だった!
突如、糸の切れた人形のように王座から滑り落ち階段を転げ落ちる人が約一名。
どうやらカシュアのその仕草に気絶した模様。
ああ、これはヤバイどころの騒ぎじゃ済まないかもしれない。
しかしその皇帝陛下、興味なさそうに片頬をついて欠伸とかしている。
あと、やけに高いな王座。王座の前には階段があり、謁見者を随分と見下ろす位置にある。
あんな遠い所から聞こえるのだろうか? もしかして聞く気がないのかな。
「ようは停戦の仲介をすればよいのだな? 分かったからもう下がるが良い」
カユサルの話をぶった切るようにそう言ってくる。
ほんとやる気がなさそうだ。
とりあえず振りだけするのがミエミエだ。
まあ、オレ達もその程度の事は予想済みだ。
「おお、それは誠ですか! 心強いお言葉感謝致します」
カユサルの奴も随分なピエロ役だな。心にも無い事をスラスラ口から出ている。
「我が国、実は戦争などしている余裕が無いのですよ」
そう言いながら手を叩くカユサル。
すると後方から、巨大な宝箱が運ばれてくる。
今回のオレ達のお土産だ。さて、どう出てくるか。
オレはその巨大な宝箱を開く。
観音開きになった、まるで仏壇のようなその宝箱、その中には――――巨大な魔法石が約一個。
そうそれは、ピクサスレーンの旧王都、魔都サンムーンにあった魔法石。骸骨王ダンディが守っていた、死者を操るダンジョンコアであった。
と、とたん身を乗り出して、それを目玉が飛び出しそうな勢いで覗きこんでくる皇帝陛下。
王座から転げ落ちそうな体勢で身を乗り出してくる。
どうやら随分と気が引けたご様子。むしろ、効果が有り過ぎるぐらいだ。
「なんと見事な禍々しき宝玉……それはいったいどこで手に入れたのだ?」
「このダンジョンコアは、我が国の旧王都、サンムーンにて在った物でございます」
「ま、魔都サンムーンを…………攻略したと言うのか!?」
ザワザワとざわめきが辺りを支配する。
誰もが驚愕の顔を隠しきれない。
カユサルが一歩進み出て、ペチペチとそのダンジョンコアを叩く。
「お、おい、そのように無下に扱うでない! そ、それは、大変貴重なものであろう」
それを見て慌てる皇帝陛下。もう自分の物になったと思っている口ぶりだな。
「我々はこれを機に開拓を再開しようと思って居ます」
今回のオレ達のシナリオはこうだ。
戦争が決着したら、ダンジョンコアごと魔都サンムーンその物を聖皇国へ献上する。でっかいお土産だぜ。
まあうちとしては、死者が徘徊していた都。再建しようにも誰も移民して来ようとはしない。
なのでいっそのこと、この地を聖皇国の物としてもらい、再建をお願いしようと。
神殿を中心とする聖皇国なら浄化も得意だろうし、なにより遠方にあるので魔都サンムーンの悪名も薄い。
ここをお任せする事により、サンムーンを中心として領地を広げる算段も付く。
国の中心に聖皇国の飛び地があるという事で、子飼いの各国は手を出しづらくもなるだろう。
「まさか……サンムーンが開放されていたとは……」
「益々ピクサスレーンが力を付けてくる事になるな」
「その先端を我が国の物と出来るなら……これはどっちがいいか迷うな」
遠くで聖皇国の重鎮達がそんなお話をしている。
停戦が行われれば、ピクサスレーンが力を付け過ぎる事になりかねない。
しかし、サンムーンを手にする事により楔を打ち込む事は出来る。
聖皇国以外にとっては悪事であろうが、停滞している聖皇国にとっては、またとないチャンス。
「良いぞ! 良いぞ! 彼の地を贈ると言うのなら何でもしてやろうではないか!」
手を叩いて喜ぶ皇帝陛下。
目が随分ギョロリとしている。心なしか涎まで垂れているような気がする。
「しかし、一体どのようにして開放されたのか? それにアンデッドがほぼ消滅したと言うのも信用ならぬな」
「カシュア、お前の剣を見せてやれ」
カシュアが前に進み出て、巨大な盾に収納されている大剣を引き抜く。
それを見て動揺する各々方。
「あれは……あの輝きは……聖文にあった聖剣の……」
「そんなまさか! いつ持ち出されたのだ!?」
「担い手が……現れたと言うのか!?」
ん? なんか雰囲気が一気に悪くなったな?
というか盗人扱いされているような……
聖剣……聖なる国を自負するこの国にとって腫れ物扱いだったのかも。迂闊に見せない方が良かったか?
だがカシュア、そんな雰囲気を物ともせず、見せ付ける様に高々と持ち上げる。
「聖剣はもはや君達だけの特権ではない! どうだね! すごく立派だろう!」
お前は少しは空気を読むって事を覚えたらどうだ? それともわざとなのか?
一気に殺気立つ聖皇国の方々。
「どうやったかだって! いいだろう、見せてしんぜよう!」
そう言ってそのバカ、剣を思いっきり振り下ろす。皇帝陛下の方へ向かって。
失礼にも程が在るだろう。
その瞬間だった!
突如、糸の切れた人形のように王座から滑り落ち階段を転げ落ちる人が約一名。
どうやらカシュアのその仕草に気絶した模様。
ああ、これはヤバイどころの騒ぎじゃ済まないかもしれない。
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