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第五章
レベル88 第五章完結
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「お坊ちゃま、セット準備出来ました」
「よし、それじゃやるか」
オレ達は今、この世界で人々が最も多く集まると言われてる、聖皇国の首都にある広場に集まっていた。
聖皇国は近隣の国の要的な要素もアリ、様々な人達がココを訪れる。
そしてこの広場では、そういった人達に向けて数々の催しが行われていたりする。
すぐ隣では大道芸人が火を吹き、目を凝らせば、あちこちに吟遊詩人が唄を歌っていたりもした。
なので、オレ達も混ざらせてもらおうかと。
せっかくエクサリーを連れて来たんだ、観光して帰ろうぜって話になって。
二人っきりのデートを堪能して帰ってきた後、カユサルが随分興奮している。
ピクサスレーンやヘルクヘンセンの倍ほどもある巨大な都市。
その熱気の中、自由に歌い踊る人達。ぜひとも自分達も混ざりたいと。
すっかり田舎者丸出しのカユサルであった。
「人が集まるでしょうか? 実は昨日、グランドピアノを演奏した時はあまり芳しくなかったのです」
「そりゃ客層が違うからなぁ。それに、グランドピアノには演奏系スキルが無いから実音のみだし、遠くまでは聞こえまい」
しかし、ほんとに凄い人だかりだな。
ユーオリ様が、ここでは誰もが自由に商売をして構わないようになっているのですよ。と言ってくる。
「犯罪さえ犯さなければという、当たり前の前提はありますけどね」
茶目っ気たっぷにりウインクしてくる。
ところでユーオリ様、こんな所へ来て大丈夫なんですか?
仮にも一国のお姫様なんじゃ?
そしたらそのお姫様、胸を張って、変装しているから大丈夫。と言ってらっしゃいます。
今日のユーオリ様の服装はいつもの神官服ではなく、カジュアルな格好でいらっしゃいます。
しかしながら、国民の皆様にはバレているご様子。
遠くから微笑ましい視線がユーオリ様に注がれている。たぶん、見て見ぬ振りをされているようです。
この人、国民から慕われているんだなあ。
あの陛下の寝室での演奏の後、ユーオリ様の希望で城のホールでも演奏する事になった。
自分達だけじゃ勿体無いからお願いって言われて。
自分、ユーオリ様のお願いならなんでも聞いちゃう!
「ユーオリ様はアポロの恩人ですから! なんだって言ってください」
「ふふっ、それはありがたいわね。それじゃあクイーズちゃんには私の秘密を教えてあげようかな?」
なんでもユーオリ様のスキルは、聖なる癒し手という名前で、呪い・怪我・病気などを一瞬にして治してしまうそうだ。
「でもデメリットもあってね。これは誰にも言っちゃ駄目よ」
そう口に人差し指を当てながらウィンクしてくるおちゃめなユーオリ様。
なんでも効果は凄いが、一度使うと一ヶ月は使用出来ないそうだ。
「もし万が一、クイーズちゃんやクイーズちゃんの大事な人が大変な事になった時、私の元へ来なさい。神獣様を……お父様を救って頂いたあなたには、何を置いても優先させて頂きます」
そう言って深々と頭を下げるユーオリ様。
そ、そんな事やめて下さいよ! アポロの件で十分感謝しているんですから!
そう言うと、いい子ねクィーズちゃんは。と微笑む。
いや、自分、そんないい子だなんて……
「あらあら、ヤキモチ焼きの彼女が怒っていますね」
そこには化粧を落としたエクサリーさんが。
いやあれ地顔だから。ん? でも心なしかいつもより怖い感じが……
「クイーズはいつも女の人の前ではデレデレしている」
えっ、いやっ、そんな事ない! ってことは無いが、無いんですよ!?
「ソウソウ、クイーズウワキモノ」
お前までなんて事言うんだよ!
「いつもいやらしい目でボクを見つめて来るんだよ」
「何時だよ! 嘘ばっかり言うなよ!」
えっ、風呂上りとかガン見しているだろって? そりゃおめえが素っ裸で出歩くからだ!
「お坊ちゃまったら、ほんと気が多くて困ります」
多くないよ? オレ、エクサリーさん一筋ッスよ?
ホントです! 信じてください!
「分かっている。私も努力が必要」
「ふふっ、みんな賑やかで楽しそうね」
そんな中ユーオリ様がエクサリーを手招きしている。
「あの……なにか?」
「ねえあなた、この国に引っ越して来る気は無い?」
「ええっ!?」
ちょっと、突然何言ってるんですか?
「身分差が気になっているんでしょ? こっちへ来ればクイーズちゃんと同じ公爵家の地位をあげるわよ」
「えっ、えっ、でもそんなっ」
「フフッ、あなたが来れば漏れなくクイーズちゃんが付いて来るかしら?」
そう言ってニッコリと笑うユーオリ様。
しかし、次の瞬間急に真顔に戻る。
「でもね、これはクイーズちゃんの一件が無くても私はこの提案をあなたにしたわ」
あなたにはそれだけの価値がある。と前置きした後、言葉を続ける。
「言葉、には魔力が宿る。声、には命が宿る。私達はそう信じて居ます」
人を惹きつける為には言葉が必要である。
その言葉には声がなによりも必要である。
人と人の繋がりの間には必ず声がそこにはある。
「あなたはいずれ、その声で人を集める事になるでしょう。それはきっと、この国、いえ、この世界の人々の心を打つ。私はそう信じて居ます」
一人のシンガーソングライターの声が世界中の人々の心を打つ。
それは、オレの前世の世界で実際にあった事だ。
一人の音楽家の下へ世界中の人々が集まる。
「それには、世界中の人々に聞かせる事がなによりも必要となる事でしょう。でもあなたは、実際にそれを行えるスキルを持っている」
その気になれば、エクサリーのスキルは全土へ声を届けることが出来る。かもしれない。
その歌声を聞いた人々は、エクサリーのファンになるかも知れない。
そうしてファンになった人々は、エクサリーの為にと行動を起こすかもしれない。
「それはまるで、教会が信徒を増やす事と似たような現象であります」
分かりますか? あなたの声は、使いようによっては兵器となるのですよ。いつもとは違った雰囲気で厳かに語るユーオリ様。
「そんな、たった声だけで……」
その時は納得していないエクサリーだったが……
今、広場には、熱狂的に興奮した人々がオレ達の前に集まっている。
エクサリーの声で、オレ達の音楽で、あれほどいた広場の住民達が、まるで人の絨毯のように集まって来ている。
誰もが手を止め、誰もが耳を傾け、誰もが拍手を贈る。
それを見てエクサリーが震える。
「私の歌が、こんなにも人々に影響を与える……」
「フフッ、だから言ったでしょ? あなたの声は人々を集める。そして貴方の声を持って、これだけの行動を起こす」
目の前では、誰もが高く手をあげエールを送ってくる。
今日披露したのは前世の曲ではない。
オレとカユサルが作った、オリジナルの、この世界の言葉で綴った歌である。
だからこれは、紛れもなく、エクサリーの……オレ達の……行動の結果なのだ。
「クイーズ……」
「大丈夫だ、オレが付いている!」
ちょっと怯えたようなエクサリーにグッと親指を立てて答えてやる。
カユサルやラピス、おまけにグランドピアノのセレナーデさんまで、オレと同じようにグッとエクサリーを励ます。
「それじゃあもう一曲行きますよ! 今は唯、音楽を楽しみましょう!」
ラピスがそう言ってドラムを叩き始める。
それに合わせてオレもギターを掻き鳴らす。
エクサリーの震えが止まる。
キッと観衆を睨み付けるエクサリー。化粧の所為か、それはとても神々しく見えた。
「彼女はまさしく、シンボル、足りえる存在でありますね……」
そんなオレ達を眩しく見つめるユーオリ様であった。
「よし、それじゃやるか」
オレ達は今、この世界で人々が最も多く集まると言われてる、聖皇国の首都にある広場に集まっていた。
聖皇国は近隣の国の要的な要素もアリ、様々な人達がココを訪れる。
そしてこの広場では、そういった人達に向けて数々の催しが行われていたりする。
すぐ隣では大道芸人が火を吹き、目を凝らせば、あちこちに吟遊詩人が唄を歌っていたりもした。
なので、オレ達も混ざらせてもらおうかと。
せっかくエクサリーを連れて来たんだ、観光して帰ろうぜって話になって。
二人っきりのデートを堪能して帰ってきた後、カユサルが随分興奮している。
ピクサスレーンやヘルクヘンセンの倍ほどもある巨大な都市。
その熱気の中、自由に歌い踊る人達。ぜひとも自分達も混ざりたいと。
すっかり田舎者丸出しのカユサルであった。
「人が集まるでしょうか? 実は昨日、グランドピアノを演奏した時はあまり芳しくなかったのです」
「そりゃ客層が違うからなぁ。それに、グランドピアノには演奏系スキルが無いから実音のみだし、遠くまでは聞こえまい」
しかし、ほんとに凄い人だかりだな。
ユーオリ様が、ここでは誰もが自由に商売をして構わないようになっているのですよ。と言ってくる。
「犯罪さえ犯さなければという、当たり前の前提はありますけどね」
茶目っ気たっぷにりウインクしてくる。
ところでユーオリ様、こんな所へ来て大丈夫なんですか?
仮にも一国のお姫様なんじゃ?
そしたらそのお姫様、胸を張って、変装しているから大丈夫。と言ってらっしゃいます。
今日のユーオリ様の服装はいつもの神官服ではなく、カジュアルな格好でいらっしゃいます。
しかしながら、国民の皆様にはバレているご様子。
遠くから微笑ましい視線がユーオリ様に注がれている。たぶん、見て見ぬ振りをされているようです。
この人、国民から慕われているんだなあ。
あの陛下の寝室での演奏の後、ユーオリ様の希望で城のホールでも演奏する事になった。
自分達だけじゃ勿体無いからお願いって言われて。
自分、ユーオリ様のお願いならなんでも聞いちゃう!
「ユーオリ様はアポロの恩人ですから! なんだって言ってください」
「ふふっ、それはありがたいわね。それじゃあクイーズちゃんには私の秘密を教えてあげようかな?」
なんでもユーオリ様のスキルは、聖なる癒し手という名前で、呪い・怪我・病気などを一瞬にして治してしまうそうだ。
「でもデメリットもあってね。これは誰にも言っちゃ駄目よ」
そう口に人差し指を当てながらウィンクしてくるおちゃめなユーオリ様。
なんでも効果は凄いが、一度使うと一ヶ月は使用出来ないそうだ。
「もし万が一、クイーズちゃんやクイーズちゃんの大事な人が大変な事になった時、私の元へ来なさい。神獣様を……お父様を救って頂いたあなたには、何を置いても優先させて頂きます」
そう言って深々と頭を下げるユーオリ様。
そ、そんな事やめて下さいよ! アポロの件で十分感謝しているんですから!
そう言うと、いい子ねクィーズちゃんは。と微笑む。
いや、自分、そんないい子だなんて……
「あらあら、ヤキモチ焼きの彼女が怒っていますね」
そこには化粧を落としたエクサリーさんが。
いやあれ地顔だから。ん? でも心なしかいつもより怖い感じが……
「クイーズはいつも女の人の前ではデレデレしている」
えっ、いやっ、そんな事ない! ってことは無いが、無いんですよ!?
「ソウソウ、クイーズウワキモノ」
お前までなんて事言うんだよ!
「いつもいやらしい目でボクを見つめて来るんだよ」
「何時だよ! 嘘ばっかり言うなよ!」
えっ、風呂上りとかガン見しているだろって? そりゃおめえが素っ裸で出歩くからだ!
「お坊ちゃまったら、ほんと気が多くて困ります」
多くないよ? オレ、エクサリーさん一筋ッスよ?
ホントです! 信じてください!
「分かっている。私も努力が必要」
「ふふっ、みんな賑やかで楽しそうね」
そんな中ユーオリ様がエクサリーを手招きしている。
「あの……なにか?」
「ねえあなた、この国に引っ越して来る気は無い?」
「ええっ!?」
ちょっと、突然何言ってるんですか?
「身分差が気になっているんでしょ? こっちへ来ればクイーズちゃんと同じ公爵家の地位をあげるわよ」
「えっ、えっ、でもそんなっ」
「フフッ、あなたが来れば漏れなくクイーズちゃんが付いて来るかしら?」
そう言ってニッコリと笑うユーオリ様。
しかし、次の瞬間急に真顔に戻る。
「でもね、これはクイーズちゃんの一件が無くても私はこの提案をあなたにしたわ」
あなたにはそれだけの価値がある。と前置きした後、言葉を続ける。
「言葉、には魔力が宿る。声、には命が宿る。私達はそう信じて居ます」
人を惹きつける為には言葉が必要である。
その言葉には声がなによりも必要である。
人と人の繋がりの間には必ず声がそこにはある。
「あなたはいずれ、その声で人を集める事になるでしょう。それはきっと、この国、いえ、この世界の人々の心を打つ。私はそう信じて居ます」
一人のシンガーソングライターの声が世界中の人々の心を打つ。
それは、オレの前世の世界で実際にあった事だ。
一人の音楽家の下へ世界中の人々が集まる。
「それには、世界中の人々に聞かせる事がなによりも必要となる事でしょう。でもあなたは、実際にそれを行えるスキルを持っている」
その気になれば、エクサリーのスキルは全土へ声を届けることが出来る。かもしれない。
その歌声を聞いた人々は、エクサリーのファンになるかも知れない。
そうしてファンになった人々は、エクサリーの為にと行動を起こすかもしれない。
「それはまるで、教会が信徒を増やす事と似たような現象であります」
分かりますか? あなたの声は、使いようによっては兵器となるのですよ。いつもとは違った雰囲気で厳かに語るユーオリ様。
「そんな、たった声だけで……」
その時は納得していないエクサリーだったが……
今、広場には、熱狂的に興奮した人々がオレ達の前に集まっている。
エクサリーの声で、オレ達の音楽で、あれほどいた広場の住民達が、まるで人の絨毯のように集まって来ている。
誰もが手を止め、誰もが耳を傾け、誰もが拍手を贈る。
それを見てエクサリーが震える。
「私の歌が、こんなにも人々に影響を与える……」
「フフッ、だから言ったでしょ? あなたの声は人々を集める。そして貴方の声を持って、これだけの行動を起こす」
目の前では、誰もが高く手をあげエールを送ってくる。
今日披露したのは前世の曲ではない。
オレとカユサルが作った、オリジナルの、この世界の言葉で綴った歌である。
だからこれは、紛れもなく、エクサリーの……オレ達の……行動の結果なのだ。
「クイーズ……」
「大丈夫だ、オレが付いている!」
ちょっと怯えたようなエクサリーにグッと親指を立てて答えてやる。
カユサルやラピス、おまけにグランドピアノのセレナーデさんまで、オレと同じようにグッとエクサリーを励ます。
「それじゃあもう一曲行きますよ! 今は唯、音楽を楽しみましょう!」
ラピスがそう言ってドラムを叩き始める。
それに合わせてオレもギターを掻き鳴らす。
エクサリーの震えが止まる。
キッと観衆を睨み付けるエクサリー。化粧の所為か、それはとても神々しく見えた。
「彼女はまさしく、シンボル、足りえる存在でありますね……」
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