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第八章
レベル132 第八章完結
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「それじゃあオレは、もうちょっとレベル上げして帰る事にしようかと思うんだけど、アポロはどうする?」
「……もちろん付いて行く」
「ちょっと、ボクには聞かないの!?」
お前は強制参加な。別行動はラピスが許さないだろ?
「そんなぁ……」
そこへ、驚いた顔でモブディが問いかけてくる。
「レベル上げ? まさかまだ、この森で修行を積む気なのかね!?」
「ああ、鉱石Mの変形、まだまだギクシャクしているんだよな。とりあえずコレだけでもモノにしておきたい」
「そんなに強くなって……一体何と戦うつもりだね君は?」
まだまだ、上には上が居るからな、オレには現状で満足している余裕はないんだよ。
「そうか……君の強さの理由が少し分かったかもしれない」
そうなにより! 天敵であるヤツに対して、コレは絶対にモノにしなければならないのだ!
これがあればもう、あの天敵に対して怯える夜は来ない! はずだ。
そうして来た道を戻るオレ達。
「さあ帰って着たぞ我がマイホーム! もはや今日からは恐れるものは何も無い!」
「ガウ?」
ロリドラゴンがなんだコイツ。みたいな顔をしている。
フッ! そんな顔をしていられるのも今の内だけだ。
「ロリドラゴンので~べそ!」
「ガウッ!?」
オレはさっそくロリドラゴンを挑発して見る。
そしたら頭に血を昇らせて襲ってくる。
だが!
「ガウガツ!」
指輪にしてた鉱石Mが扇状に広がり、ロリドラゴンの攻撃を遮る。
フッフッフ! どうだ見たか! これならお前の牙など恐れるに足らず!
もう夜中に寝ぼけてガブリといかれる心配も無い!
どれだけ夜中に飛び起きて悲鳴を上げた事やら……
「クイーズさん……なんか大人げないッス」
「見た目は幼女を苛めてるようにしか見えないね!」
なんとでも言うといい!
オレが何度ロリドラゴンに辛酸を舐めさせられた事か!
エクサリーとの団欒を散々邪魔するわ、夜中にトイレと間違われて布団に粗相をしていくわ、ちょっとでも隙を見せたら襲いかかってくるわ。
隙を見せたら襲って来いって言ってたのはニースだろ!?
オレはそこまで達人じゃないんだよ! 普通に食らって痛いんだよ!
だがそれも昨日までの話。
この鉱石Mがあれば、ロリドラゴンの攻撃を防御できる。パワードスーツがあれば避ける事も可能だ!
必死で攻撃を繰り返すロリドラゴン。
しかし、鉱石Mがその都度変形し、その全てを防いでいく。
あっ、なんか涙目になってきている。
ちょっとやり過ぎたかも?
ここはオレの方から折れてやるか。
「今までの事は全部水に流してやろう。今後はもっと対等な立場でやっていこうではないか!」
そう言って、手を差し伸べる。
―――ガブリ!
しかし、食いついたのは手を覆った鉱石Mであった。
暫くそれに食いついていたロリドラゴン。
ドバッと目から涙を流したかと思うと、どこかへ駆けて行ってしまう。
「「………………」」
皆さんの視線がとても痛い。
自分、ちょっとテンション上がり過ぎていたッス。
いや、別に泣かすつもりはなかったんですよ? ほんとですよ?
ちょっとほら、イタズラを辞めてもらおうと思っただけなんスよ?
最後ぐらいは噛ましてやったほうが良かったかな?
「クイーズ……」
「うす! すぐ謝ってくるッス!」
しかし、どこを探しても見当たらない。
ラピスもまだ帰って来て居ないので居場所を探ることも出来ない。
夜中になっても帰ってこない。
エクサリーさんから見つけるまでご飯抜きとか言われた。
くっそ、あいつ居なくなってもオレにダメージ与えるな。
「うぉッ! なんだお前、ボロボロじゃないか」
数日後、随分ボロボロになったロリドラゴンが帰って来た。
どうやらどこかで修行をしていた模様。
「ガウガウ、コノウラミ、ハラサデオクベキカ」
「まあまあ落ち着け、こないだの事は謝る。ちょっとオレも大人気なかった」
「フッ、ソンナヨユウモ、イマノウチダ!」
そう言って襲いかかってくるロリドラゴン。
何度来ても同じ事だ!
鉱石Mがロリドラゴンの攻撃を受け止める。
その瞬間だった!
視界が突然上を向く。
そして背中に衝撃が!
どうやらいつの間にか、背中に向かって倒れこんだ模様。
「おっ、おもっ! 何だコレ! 鉱石Mがとんでもなく重くなったぞ!」
オレの上に乗った鉱石Mがとんでもなく重くてどかせない。
変形して小さくしようにも、重さで変形速度が上がらない。
「フッフッフ、ネングノ、オサメドキダ!」
恐怖を煽るようにゆっくりとオレに覆い被さってくるロリドラゴン。
チロチロと舌を出しているその様は、まさに獲物を捉えたドラゴンのようだ。
ヤメッ! 自分がわるうございました! 許してください!
オレはロリドラゴンに涙目で許しを請う。
「反省してます! 苛めてすいませんしたっ! もう二度としません! どうかお許しください、神様、仏様、ロウリ様!」
えっ、こっちの世界には、神も仏も居やしない?
いや、そうだけど。そうかもしれないけど!
ベロリと首筋を舐めるロリドラゴン。
「イタダキマス」
「ウッギャーーー!」
◇◆◇◆◇◆◇◆
「今回は随分ひどいことになってるね! ボクがいなければ命が危ういレベルだよ。感謝したまえ!」
なあカシュア、オレに回復魔法を教えてくれないか?
ちょっとコレはまずい状態なんだ。
ロリドラゴンのカードを見てみる。
レベルが30になって、スキル・重量軽減が重量操作に変わっていた。
即ち、軽くするだけじゃなく、重くすることも出来るって訳だ。
それで鉱石Mの重量をアップさせた模様。
これはヤバいよ? 服とか布団とか重くされたらその時点で身動きがとれない。
ロリドラゴンに齧られ放題だ。
「あんな事しなけりゃ良かったのに」
いやだってほら、鉱石Mの性能が良くてさ、ちょっと試して見たくなったんだよ?
えっ、自業自得だって?
そんな事言わず、ねえ!?
「……もちろん付いて行く」
「ちょっと、ボクには聞かないの!?」
お前は強制参加な。別行動はラピスが許さないだろ?
「そんなぁ……」
そこへ、驚いた顔でモブディが問いかけてくる。
「レベル上げ? まさかまだ、この森で修行を積む気なのかね!?」
「ああ、鉱石Mの変形、まだまだギクシャクしているんだよな。とりあえずコレだけでもモノにしておきたい」
「そんなに強くなって……一体何と戦うつもりだね君は?」
まだまだ、上には上が居るからな、オレには現状で満足している余裕はないんだよ。
「そうか……君の強さの理由が少し分かったかもしれない」
そうなにより! 天敵であるヤツに対して、コレは絶対にモノにしなければならないのだ!
これがあればもう、あの天敵に対して怯える夜は来ない! はずだ。
そうして来た道を戻るオレ達。
「さあ帰って着たぞ我がマイホーム! もはや今日からは恐れるものは何も無い!」
「ガウ?」
ロリドラゴンがなんだコイツ。みたいな顔をしている。
フッ! そんな顔をしていられるのも今の内だけだ。
「ロリドラゴンので~べそ!」
「ガウッ!?」
オレはさっそくロリドラゴンを挑発して見る。
そしたら頭に血を昇らせて襲ってくる。
だが!
「ガウガツ!」
指輪にしてた鉱石Mが扇状に広がり、ロリドラゴンの攻撃を遮る。
フッフッフ! どうだ見たか! これならお前の牙など恐れるに足らず!
もう夜中に寝ぼけてガブリといかれる心配も無い!
どれだけ夜中に飛び起きて悲鳴を上げた事やら……
「クイーズさん……なんか大人げないッス」
「見た目は幼女を苛めてるようにしか見えないね!」
なんとでも言うといい!
オレが何度ロリドラゴンに辛酸を舐めさせられた事か!
エクサリーとの団欒を散々邪魔するわ、夜中にトイレと間違われて布団に粗相をしていくわ、ちょっとでも隙を見せたら襲いかかってくるわ。
隙を見せたら襲って来いって言ってたのはニースだろ!?
オレはそこまで達人じゃないんだよ! 普通に食らって痛いんだよ!
だがそれも昨日までの話。
この鉱石Mがあれば、ロリドラゴンの攻撃を防御できる。パワードスーツがあれば避ける事も可能だ!
必死で攻撃を繰り返すロリドラゴン。
しかし、鉱石Mがその都度変形し、その全てを防いでいく。
あっ、なんか涙目になってきている。
ちょっとやり過ぎたかも?
ここはオレの方から折れてやるか。
「今までの事は全部水に流してやろう。今後はもっと対等な立場でやっていこうではないか!」
そう言って、手を差し伸べる。
―――ガブリ!
しかし、食いついたのは手を覆った鉱石Mであった。
暫くそれに食いついていたロリドラゴン。
ドバッと目から涙を流したかと思うと、どこかへ駆けて行ってしまう。
「「………………」」
皆さんの視線がとても痛い。
自分、ちょっとテンション上がり過ぎていたッス。
いや、別に泣かすつもりはなかったんですよ? ほんとですよ?
ちょっとほら、イタズラを辞めてもらおうと思っただけなんスよ?
最後ぐらいは噛ましてやったほうが良かったかな?
「クイーズ……」
「うす! すぐ謝ってくるッス!」
しかし、どこを探しても見当たらない。
ラピスもまだ帰って来て居ないので居場所を探ることも出来ない。
夜中になっても帰ってこない。
エクサリーさんから見つけるまでご飯抜きとか言われた。
くっそ、あいつ居なくなってもオレにダメージ与えるな。
「うぉッ! なんだお前、ボロボロじゃないか」
数日後、随分ボロボロになったロリドラゴンが帰って来た。
どうやらどこかで修行をしていた模様。
「ガウガウ、コノウラミ、ハラサデオクベキカ」
「まあまあ落ち着け、こないだの事は謝る。ちょっとオレも大人気なかった」
「フッ、ソンナヨユウモ、イマノウチダ!」
そう言って襲いかかってくるロリドラゴン。
何度来ても同じ事だ!
鉱石Mがロリドラゴンの攻撃を受け止める。
その瞬間だった!
視界が突然上を向く。
そして背中に衝撃が!
どうやらいつの間にか、背中に向かって倒れこんだ模様。
「おっ、おもっ! 何だコレ! 鉱石Mがとんでもなく重くなったぞ!」
オレの上に乗った鉱石Mがとんでもなく重くてどかせない。
変形して小さくしようにも、重さで変形速度が上がらない。
「フッフッフ、ネングノ、オサメドキダ!」
恐怖を煽るようにゆっくりとオレに覆い被さってくるロリドラゴン。
チロチロと舌を出しているその様は、まさに獲物を捉えたドラゴンのようだ。
ヤメッ! 自分がわるうございました! 許してください!
オレはロリドラゴンに涙目で許しを請う。
「反省してます! 苛めてすいませんしたっ! もう二度としません! どうかお許しください、神様、仏様、ロウリ様!」
えっ、こっちの世界には、神も仏も居やしない?
いや、そうだけど。そうかもしれないけど!
ベロリと首筋を舐めるロリドラゴン。
「イタダキマス」
「ウッギャーーー!」
◇◆◇◆◇◆◇◆
「今回は随分ひどいことになってるね! ボクがいなければ命が危ういレベルだよ。感謝したまえ!」
なあカシュア、オレに回復魔法を教えてくれないか?
ちょっとコレはまずい状態なんだ。
ロリドラゴンのカードを見てみる。
レベルが30になって、スキル・重量軽減が重量操作に変わっていた。
即ち、軽くするだけじゃなく、重くすることも出来るって訳だ。
それで鉱石Mの重量をアップさせた模様。
これはヤバいよ? 服とか布団とか重くされたらその時点で身動きがとれない。
ロリドラゴンに齧られ放題だ。
「あんな事しなけりゃ良かったのに」
いやだってほら、鉱石Mの性能が良くてさ、ちょっと試して見たくなったんだよ?
えっ、自業自得だって?
そんな事言わず、ねえ!?
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