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第十三章
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朝起きて服を着替えていると、半透明な姿をした炎を纏った小鳥が、扉をすり抜けて私の部屋に入ってくる。
「あれ? 何処行ってたのホウオウちゃん」
『ん~、ちょっとね。不埒な輩をこらしめてきただけ』
「あんまりひどいことしちゃ駄目よ?」
大丈夫、ちょっと脅しただけだから。って言いながら人型に姿を変えたホウオウちゃんは、冷蔵庫の扉を開けている。
『か~! 一仕事した後のアイスは旨い!』
ホントに大丈夫かな?
クイーズも、
「竜王クラスはレベルが上がりにくいはずなのに、結構なペースで上昇している。エンゲージリングだからまた違うのかな?」
なんて言って首を傾げていた。
ホウオウちゃんがアイスを食べ終わった後、私はお料理セットをカードに戻す。
こないだ正式にクイーズからこのカードをもらい受けたんだよね。
カフェの方はこいつに任せて、もっと一緒の時間を作ろう。なんて言って。
……だと言うのに、昨日も帰ってこなかった。
アポロ達と一緒に夕方出て行ったきり何の連絡もない。
ちょっと慌てた感じだから私も何も聞かなかったんだけど……
せめて一言あってもいいと思うんだ。
『えっ、もう浮気? たとえ我等が神であろうとも、煉獄地獄を味あわせてあげる!』
「大丈夫、そういうんじゃないから」
クイーズの周りには人がいっぱい集ってくるから仕方がないよね。
うん、いつも賑やかだし、私も優しい気持ちになれる。
そう思って気を取り直して立ち上がる。
「ようやく起きたか! こないだの演奏はとっても気持ちよかったぞよ! 次は何時やるのじゃっ」
扉を空けるとローゼマリアが立っていた。
もしかして一晩中そこに立っていたの?
ちょっと怖いのでやめてくれないかな。
「怖いのはお互いさまじゃろ?」
………………そうだね。
私は落ち込んだ表情で店の方へ歩いて行く。
そこではもう開店準備をしている従業員達がすでに居た。
「みんな大丈夫? 最近、店の方に顔出せなくてゴメンネ」
「気にする事ないべ、最近は客も多くてやる気モリモリだべ!」
「店長は歌をうたうのが仕事ッス! それが一番の営業ッスから!」
うん、私は従業員に恵まれてるよね。
『出でよ、お料理セット!』
私はお料理セット呼び出し、料理人召喚のスキルを使う。
すると髭を蓄えた紳士風の男性が現れる。
「それでは、今日もお願いしていいですか?」
「お任せあれ」
優雅にお辞儀をしてその男性は、さっそくコーヒー豆の選別にとりかかる。
さてと、お店の方はこれでいいとして、来週の準備をしなくちゃね。
来週は始めて行く場所だから、なにかお土産でも買って行ったほうがいいかな?
「のうのう、ほんとに次は何時やるのじゃ?」
街に買い物に出かけた私にローゼマリアがついてくる。
「来週、アンダーハイトという国で演奏を行う事になっているよ」
「ふむ、それは確か、こないだまで敵国であったと言ってた名前と似ておるな」
似てると言うより、そのものなんだけどね。
「大丈夫なのか? そんなところで演奏して」
『私が居るのよ? エクサリーには指一本触れさしゃしねえわよ。それより自分の事心配したら?』
「ハッハッハ、わらわは不死者だぞ! 人間ごときに遅れはとらぬわっ」
その時、ボッと言う音と共に私の後方で小さな炎が上がる。
振り向くと、小さな虫のようなものが地面に落ちて燃えている。
『まったく、手加減してあげてれば、つけあがりやがって……』
ブツブツ言いながらどこかへ飛んで行くホウオウちゃん。
それから暫く歩いていると、突如、大勢の男性が私達を取り囲む。
「エクサリー卿でありますな。我等と共に来てもらいたい」
「なんじゃおぬし等は? さてはあれじゃな! わらわ達を誘拐して人質にしようと言うのじゃなっ! そうは問屋が……イダダダ、ヤメッ」
即効お縄になっているローゼマリア。
さっき人間ごときって言ってたのはなんだったのだろう?
そしてその男達の手が私にも伸びようとしたとき、
『まったく……あのクソラビットも何考えてるのやら、こんなゴキブリ共は根元から根絶してやれば良いのに』
炎の壁と共に巨大なホウオウちゃんが現れる。
「バカな! まだ合図がっ!?」
『ん~、もしかして、アレ一体しか出せないと思ってる?』
そう言うと、ホウオウちゃんの体がいくつにも分身する。
『コレぐらいの大きさなら幾らでもだせるわよ~。本体になると別だけど、あんたらにゃそれを出す必要もないでしょ』
次の瞬間、私達を囲んでいた不審者達が一斉に燃え上がる!
「ちょっ、ちょっとホウオウちゃん! ヤリスギッ!」
『大丈夫、大丈夫。ちゃんと加減してあげてるから、ほら、燃えてるのは装備品と……髪の毛ぐらい?』
髪、燃やすのはやりすぎだと思うんだけど。
「アチッ、アチチチッ! おまっ、わらわまで燃えておるぞっ!」
『あら、ごめんあそばせ』
「おぬし、わざとじゃろうっ!」
コレ、調整難しいのよぉ。ってホウオウちゃんが言っている。
そんな事より火、消して上げたら?
「あれ? 何処行ってたのホウオウちゃん」
『ん~、ちょっとね。不埒な輩をこらしめてきただけ』
「あんまりひどいことしちゃ駄目よ?」
大丈夫、ちょっと脅しただけだから。って言いながら人型に姿を変えたホウオウちゃんは、冷蔵庫の扉を開けている。
『か~! 一仕事した後のアイスは旨い!』
ホントに大丈夫かな?
クイーズも、
「竜王クラスはレベルが上がりにくいはずなのに、結構なペースで上昇している。エンゲージリングだからまた違うのかな?」
なんて言って首を傾げていた。
ホウオウちゃんがアイスを食べ終わった後、私はお料理セットをカードに戻す。
こないだ正式にクイーズからこのカードをもらい受けたんだよね。
カフェの方はこいつに任せて、もっと一緒の時間を作ろう。なんて言って。
……だと言うのに、昨日も帰ってこなかった。
アポロ達と一緒に夕方出て行ったきり何の連絡もない。
ちょっと慌てた感じだから私も何も聞かなかったんだけど……
せめて一言あってもいいと思うんだ。
『えっ、もう浮気? たとえ我等が神であろうとも、煉獄地獄を味あわせてあげる!』
「大丈夫、そういうんじゃないから」
クイーズの周りには人がいっぱい集ってくるから仕方がないよね。
うん、いつも賑やかだし、私も優しい気持ちになれる。
そう思って気を取り直して立ち上がる。
「ようやく起きたか! こないだの演奏はとっても気持ちよかったぞよ! 次は何時やるのじゃっ」
扉を空けるとローゼマリアが立っていた。
もしかして一晩中そこに立っていたの?
ちょっと怖いのでやめてくれないかな。
「怖いのはお互いさまじゃろ?」
………………そうだね。
私は落ち込んだ表情で店の方へ歩いて行く。
そこではもう開店準備をしている従業員達がすでに居た。
「みんな大丈夫? 最近、店の方に顔出せなくてゴメンネ」
「気にする事ないべ、最近は客も多くてやる気モリモリだべ!」
「店長は歌をうたうのが仕事ッス! それが一番の営業ッスから!」
うん、私は従業員に恵まれてるよね。
『出でよ、お料理セット!』
私はお料理セット呼び出し、料理人召喚のスキルを使う。
すると髭を蓄えた紳士風の男性が現れる。
「それでは、今日もお願いしていいですか?」
「お任せあれ」
優雅にお辞儀をしてその男性は、さっそくコーヒー豆の選別にとりかかる。
さてと、お店の方はこれでいいとして、来週の準備をしなくちゃね。
来週は始めて行く場所だから、なにかお土産でも買って行ったほうがいいかな?
「のうのう、ほんとに次は何時やるのじゃ?」
街に買い物に出かけた私にローゼマリアがついてくる。
「来週、アンダーハイトという国で演奏を行う事になっているよ」
「ふむ、それは確か、こないだまで敵国であったと言ってた名前と似ておるな」
似てると言うより、そのものなんだけどね。
「大丈夫なのか? そんなところで演奏して」
『私が居るのよ? エクサリーには指一本触れさしゃしねえわよ。それより自分の事心配したら?』
「ハッハッハ、わらわは不死者だぞ! 人間ごときに遅れはとらぬわっ」
その時、ボッと言う音と共に私の後方で小さな炎が上がる。
振り向くと、小さな虫のようなものが地面に落ちて燃えている。
『まったく、手加減してあげてれば、つけあがりやがって……』
ブツブツ言いながらどこかへ飛んで行くホウオウちゃん。
それから暫く歩いていると、突如、大勢の男性が私達を取り囲む。
「エクサリー卿でありますな。我等と共に来てもらいたい」
「なんじゃおぬし等は? さてはあれじゃな! わらわ達を誘拐して人質にしようと言うのじゃなっ! そうは問屋が……イダダダ、ヤメッ」
即効お縄になっているローゼマリア。
さっき人間ごときって言ってたのはなんだったのだろう?
そしてその男達の手が私にも伸びようとしたとき、
『まったく……あのクソラビットも何考えてるのやら、こんなゴキブリ共は根元から根絶してやれば良いのに』
炎の壁と共に巨大なホウオウちゃんが現れる。
「バカな! まだ合図がっ!?」
『ん~、もしかして、アレ一体しか出せないと思ってる?』
そう言うと、ホウオウちゃんの体がいくつにも分身する。
『コレぐらいの大きさなら幾らでもだせるわよ~。本体になると別だけど、あんたらにゃそれを出す必要もないでしょ』
次の瞬間、私達を囲んでいた不審者達が一斉に燃え上がる!
「ちょっ、ちょっとホウオウちゃん! ヤリスギッ!」
『大丈夫、大丈夫。ちゃんと加減してあげてるから、ほら、燃えてるのは装備品と……髪の毛ぐらい?』
髪、燃やすのはやりすぎだと思うんだけど。
「アチッ、アチチチッ! おまっ、わらわまで燃えておるぞっ!」
『あら、ごめんあそばせ』
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