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第十六章
レベル248 終焉の大地
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なるほど、変装か!
確かにコレならば、オレだと気づく奴はいないだろう。
だがコレ、色々穴があり過ぎじゃないか?
「なんでよりにもよって女装なんだ?」
「性別が違うホウガ、バレにくいだロ」
「いやおめえ、声はどうすんのよ」
えっ、この姿に見えてる人は女性の声で聞こえる?
視界に映っていない人は?
やっぱ駄目だろ。
「エ~」
「え~言うな」
とにかく、もっとまともそうなものにしてくれ。
シブシブといった感じでサウが幻影のスキルを調整する。
赤子になったりよぼよぼのおじいさんになったり。
おい、人で遊ぶな!
「こんなんでましたケド」
「オークじゃねえか!」
人外は止めてくれ。
ほらカシュアが怯えているだろ。
ん、この姿ならカシュアに寄ってこられなくていいかも?
「例えどんな姿になってもボクはキミの事を離さないよ!」
うざっ!
そりゃ目をつぶってりゃ見えないもんな。
まあ、サウの幻惑で変えられるのは見た目だけだ。
万が一、視界外から触れられたときの為にも、背格好などは、できるだけ似せたほうがいいだろう。
「そうですね、それでは……」
ラピスがなにやらサウに耳打ちしている。
嫌な予感がする。
最終的にオレがやらされた姿は……
「うわぁ……」
「うっ、これはちょっと……いいのラピス?」
「なかなかのものじゃないでしょうか」
ティニーが呆れている以外はおおむね好評。
そう、オレの変装後の姿は、みまごうごとき美少女、にみえる男の子。
女装は嫌だ、というオレに、じゃあ性別は男性で、でも見た目は美少女にしましょって。
それ意味ねえよな!
まさか自分が男の娘になろうとは……
「…………私、昔から弟が欲しかった。今度からは私の事、アポロお姉ちゃんって呼んで」
ちょっとアポロさん、目が怖いんですが。
「これなら声もクリアできるでしょ」
「いやまあそうなんだけど……」
「ケケッ、面白くなってキタナ」
そう言って、ケタケタと笑うサウ。
おめえ、そうやって笑っていられるのも今のうちだぞ。
オレにひっついて四六時中幻影を維持し続けなければならないんだからな。
えっ、任せてろだって?
トイレだろうとお風呂だろうと、ずっと男の娘にしといてやるとか。
おまえ、どこまで付いて回るつもりなんだよ?
まあいい、戻ってきたとしてもそんなに長い間こっちにはいないだろう。
今はこの先へ進まなければならないからな。
「えっ、この姿のままで行くの? ヤダよ、元に戻せよ」
「「「え~」」」
「そろいもそろって、え~言うな」
まったくパセアラまで。
そんなに良いのだろうか?
オレには少し分からない世界だ。
◇◆◇◆◇◆◇◆
で、気を取り直して人類未踏のエリアに踏み込んだわけだが。
とにかく敵が硬い。
普通の武器では傷一つつけれやしない。
ティニーのサテライトキャノンで、地面がボコボコいってても平気で立っている。
「敵のレベルはだいたい80前後、稀に100近いのもいます。いよいよラストダンジョンが近いのですかねえ」
「なんだよラストダンジョンって、ゲームじゃあるまいし」
「二人ともくっちゃべってないでよ! 大ピンチだよ!」
カシュアが必死に敵の攻撃を受け止めている。
当然敵の攻撃も重いわけで。
ラピスでも一撃で行動不能レベル。
なんとかカシュアなら防御できてるかな。
「攻撃が通じるのはカシュアのホーリークラウンとドラゴンスレイヤーのみ」
「聖銃モードのティニーなら、特効のある人型モンスターにダメージは出てますね」
「ちょっと、だから今は分析している状況じゃないんだよ!?」
カシュアが半泣きである。
そんな事言ったっておめえ、それにダメージが通る攻撃が存在しないんだが?
カシュアが必死で攻撃を受け止めている敵、アークデーモン。
今まで見た事の無い種族、悪魔族のモンスターである。
レベルは130、さすがにこのレベルになると、ホーリークラウンもドラスレもスッパリとはいかない。
さっきから聖銃モードになっているティニーで必死に弾丸を打ちこんではいるが、怯む気配すらない。
一発当てるごとにレベルが一つ上がっている。
レべリングにはよさそうだな。
「そんな暢気な事、言ってないでよ!」
「もうちょっと耐えてくれ、今、ロゥリがメテオブレイカーの準備をしている」
『ガウッ! メテオブレイカー!』
ロゥリの目の前で高速回転していたドラスレが射出される。
竜王ウィルマですら貫いた必殺技だ、これで駄目ならもう逃げ帰るしか手は無い。
最初の頃は敵のレベルが80前後だろうが、サウとティニーのおかげでなんとかなっていた。
サウが幻惑で姿を消して上空から索敵、敵を見つけたところでティニーをライフルに変えて遠距離から一撃必殺。
弱らせた所を、カシュアとラピスが片付ける。
しかし、ある程度掃討していると、ここらの主らしきモンスターが飛んできた。
それが目の前に居る、身の丈3メートルはありそうなアークデーモン。
そいつはロゥリから放たれたドラスレを両手で受け止めている。
剣の先はからだを貫いて、背からちょっと頭をだしている。
それでも未だ戦闘意欲は薄れていなさそう。
「ロゥリ、ドラスレを戻すんだ」
「ガウッ!」
突き刺さっていたドラスレが消えてロゥリの手元にもどる。
少しタタラを踏んで膝を付いたところをカシュアが首を刎ねる。
よしっ! と思ったが、転がった首を手で掴むと大きく後ろにバックジャンプするアークデーモン。
「逃がしません!」『モンスターカード!』
そのまま空を飛んで逃げようとしたアークデーモンに向かってカードを掲げるラピス。
しかし、ゲットする事は適わず、カードは光となって消えてしまう。
ラピスはここで、何度が良さそうなモンスターをゲットしようとしていたが、ことごとく失敗している。
「今回も駄目ですか……やはり、自分よりレベルが高いモンスターはゲットできないのかもしれませんね」
「えっ、それじゃオレが今までゲットして来たのは?」
「お坊ちゃまの場合は、相手が強制的にレベル1になってしまいますからねえ」
確かにコレならば、オレだと気づく奴はいないだろう。
だがコレ、色々穴があり過ぎじゃないか?
「なんでよりにもよって女装なんだ?」
「性別が違うホウガ、バレにくいだロ」
「いやおめえ、声はどうすんのよ」
えっ、この姿に見えてる人は女性の声で聞こえる?
視界に映っていない人は?
やっぱ駄目だろ。
「エ~」
「え~言うな」
とにかく、もっとまともそうなものにしてくれ。
シブシブといった感じでサウが幻影のスキルを調整する。
赤子になったりよぼよぼのおじいさんになったり。
おい、人で遊ぶな!
「こんなんでましたケド」
「オークじゃねえか!」
人外は止めてくれ。
ほらカシュアが怯えているだろ。
ん、この姿ならカシュアに寄ってこられなくていいかも?
「例えどんな姿になってもボクはキミの事を離さないよ!」
うざっ!
そりゃ目をつぶってりゃ見えないもんな。
まあ、サウの幻惑で変えられるのは見た目だけだ。
万が一、視界外から触れられたときの為にも、背格好などは、できるだけ似せたほうがいいだろう。
「そうですね、それでは……」
ラピスがなにやらサウに耳打ちしている。
嫌な予感がする。
最終的にオレがやらされた姿は……
「うわぁ……」
「うっ、これはちょっと……いいのラピス?」
「なかなかのものじゃないでしょうか」
ティニーが呆れている以外はおおむね好評。
そう、オレの変装後の姿は、みまごうごとき美少女、にみえる男の子。
女装は嫌だ、というオレに、じゃあ性別は男性で、でも見た目は美少女にしましょって。
それ意味ねえよな!
まさか自分が男の娘になろうとは……
「…………私、昔から弟が欲しかった。今度からは私の事、アポロお姉ちゃんって呼んで」
ちょっとアポロさん、目が怖いんですが。
「これなら声もクリアできるでしょ」
「いやまあそうなんだけど……」
「ケケッ、面白くなってキタナ」
そう言って、ケタケタと笑うサウ。
おめえ、そうやって笑っていられるのも今のうちだぞ。
オレにひっついて四六時中幻影を維持し続けなければならないんだからな。
えっ、任せてろだって?
トイレだろうとお風呂だろうと、ずっと男の娘にしといてやるとか。
おまえ、どこまで付いて回るつもりなんだよ?
まあいい、戻ってきたとしてもそんなに長い間こっちにはいないだろう。
今はこの先へ進まなければならないからな。
「えっ、この姿のままで行くの? ヤダよ、元に戻せよ」
「「「え~」」」
「そろいもそろって、え~言うな」
まったくパセアラまで。
そんなに良いのだろうか?
オレには少し分からない世界だ。
◇◆◇◆◇◆◇◆
で、気を取り直して人類未踏のエリアに踏み込んだわけだが。
とにかく敵が硬い。
普通の武器では傷一つつけれやしない。
ティニーのサテライトキャノンで、地面がボコボコいってても平気で立っている。
「敵のレベルはだいたい80前後、稀に100近いのもいます。いよいよラストダンジョンが近いのですかねえ」
「なんだよラストダンジョンって、ゲームじゃあるまいし」
「二人ともくっちゃべってないでよ! 大ピンチだよ!」
カシュアが必死に敵の攻撃を受け止めている。
当然敵の攻撃も重いわけで。
ラピスでも一撃で行動不能レベル。
なんとかカシュアなら防御できてるかな。
「攻撃が通じるのはカシュアのホーリークラウンとドラゴンスレイヤーのみ」
「聖銃モードのティニーなら、特効のある人型モンスターにダメージは出てますね」
「ちょっと、だから今は分析している状況じゃないんだよ!?」
カシュアが半泣きである。
そんな事言ったっておめえ、それにダメージが通る攻撃が存在しないんだが?
カシュアが必死で攻撃を受け止めている敵、アークデーモン。
今まで見た事の無い種族、悪魔族のモンスターである。
レベルは130、さすがにこのレベルになると、ホーリークラウンもドラスレもスッパリとはいかない。
さっきから聖銃モードになっているティニーで必死に弾丸を打ちこんではいるが、怯む気配すらない。
一発当てるごとにレベルが一つ上がっている。
レべリングにはよさそうだな。
「そんな暢気な事、言ってないでよ!」
「もうちょっと耐えてくれ、今、ロゥリがメテオブレイカーの準備をしている」
『ガウッ! メテオブレイカー!』
ロゥリの目の前で高速回転していたドラスレが射出される。
竜王ウィルマですら貫いた必殺技だ、これで駄目ならもう逃げ帰るしか手は無い。
最初の頃は敵のレベルが80前後だろうが、サウとティニーのおかげでなんとかなっていた。
サウが幻惑で姿を消して上空から索敵、敵を見つけたところでティニーをライフルに変えて遠距離から一撃必殺。
弱らせた所を、カシュアとラピスが片付ける。
しかし、ある程度掃討していると、ここらの主らしきモンスターが飛んできた。
それが目の前に居る、身の丈3メートルはありそうなアークデーモン。
そいつはロゥリから放たれたドラスレを両手で受け止めている。
剣の先はからだを貫いて、背からちょっと頭をだしている。
それでも未だ戦闘意欲は薄れていなさそう。
「ロゥリ、ドラスレを戻すんだ」
「ガウッ!」
突き刺さっていたドラスレが消えてロゥリの手元にもどる。
少しタタラを踏んで膝を付いたところをカシュアが首を刎ねる。
よしっ! と思ったが、転がった首を手で掴むと大きく後ろにバックジャンプするアークデーモン。
「逃がしません!」『モンスターカード!』
そのまま空を飛んで逃げようとしたアークデーモンに向かってカードを掲げるラピス。
しかし、ゲットする事は適わず、カードは光となって消えてしまう。
ラピスはここで、何度が良さそうなモンスターをゲットしようとしていたが、ことごとく失敗している。
「今回も駄目ですか……やはり、自分よりレベルが高いモンスターはゲットできないのかもしれませんね」
「えっ、それじゃオレが今までゲットして来たのは?」
「お坊ちゃまの場合は、相手が強制的にレベル1になってしまいますからねえ」
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