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第十七章
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「えっ、何? ロゥリと勝負しろだって?」
ある日突然、オレの元にやってきたニースとウィルマが、ロゥリと勝負をしろと言ってきた。
「やだよ、今のオレにはカードモンスターに対する弱体化つきなんだぜ」
「ガウガウ、オソレヲ、ナシタカ」
えっ、いつもオレの方からばっかでずるい?
偶にはロゥリからの勝負も受けろって?
そんな事、言われても、負けると決まっている戦いをするのは……そもそも、このカードモンスターに対する弱体化ってなんなんだろな。
ラピスが持っているオレのカードには『天敵・カードモンスター』と表示されている。
創造神のくせに、自分が生み出したカードモンスターに弱体化があるとか。
あっ、そういえば前世の神話では、神様っ奴は大概が、自分が生み出した存在によって滅ぼされてるよな。
そんなとこまで再現しなくてもいいのに。
「そうだな……よし、装備品以外で誰か一人、助っ人を認めてくれるなら勝負をしてやろう」
「それはさすがにロゥリでも厳しいのではないか? 私やウィルマ、ラピスと同時では勝ち目が薄いだろう」
「ガウッ! タトエ、ダレガアイテデモ、ロゥリハ、カツッ!」
まあまあ焦るな、助っ人といっても助っ人本人は戦わない。
そもそもその助っ人は、攻撃力は皆無に等しいからな。
「ガウッ!?」
そしていざ戦闘が始まったとき、オレの助っ人を見て驚愕の表情を見せるロゥリ。
そう、オレが選んだ助っ人は、ダークエルフのサウ、であった。
「ヒキョウダゾ!」
「フッ、お前が、助っ人は誰でもいいって言ったんだぜ?」
そして今のオレの姿は、サウの幻惑のスキルによって、ロゥリが一番懐いている、エクサリーの姿をとっているのだった。
常にサウと共に変装していてスキルの熟練度が上がったせいか、気配まで本人と遜色がない。
そんなエクサリーの姿をしたオレを、お前は攻撃できるかな?
ロゥリが拳を振り上げてオレに向かってくる、しかし、その拳はオレの眼前でピタリと止まる。
オラオラどうした、プルプル震えてるぜ。
そしてさらに、
『パワードスーツ・ドラゴニックモード!』
こないだパワードスーツが40レベルに達したのだった。
そして現れた選択肢2つ。
・ドラゴニックモード
と、
・フェンリルモード
何やら鎧部分のモード変換が可能になったようだ。
ドラゴニックモードはドラゴンのような形に変形して空が飛べるようになる。
逆にフェンリルモードは、狼のような姿になり、地面を高速で駆ける。と思う。こっちは選択していないから予想だ。
空を高速で駆け回りながら、聖銃ティニーの機関銃モードでロゥリを追い立てる。
さあどうしたロゥリ、手も足も出まい。
「本当に勝ってしまいそうじゃのう……」
良いのか? と少し離れて観戦している、本物のエクサリーを見ながらウィルマに問いかける。
「子種を貰うぐらい構わないでしょう。新たな竜王種の誕生は、何よりも優先されるべき事ですわ」
「うむむむ……まあ、ロゥリと主の関係は今更じゃしな。知らなかった事にしておけば問題はあるまい」
「何を知らなかった事にするのです」
そこに、ひょっこりラピスが登場。
飛び上がって驚くニース。
「ななな、なんでもないぞぉおお!」
「そんなに慌てなくても全部知ってますよ」
「えっ」
「ロゥリがそうなると、なし崩し的にも私にも……」
そう言って考え込むラピス。
「お主、何を考えておる? 嫌な予感はどんどん上がるのぉ」
◇◆◇◆◇◆◇◆
その夜の事だった。
なにやら下半身が涼しい。
ふと目を覚ましてみてみると、ロゥリがオレのズボンをずらしてジッと見つめている。
「…………何やってるのお前」
ガシッと掴む。
「イダダダ! やめんか! 突然何しだすんだよ!?」
「どうしたのクイーズ?」
隣で寝ていたエクサリーが目を覚ましてそう言ってくる。
そんなエクサリーに、とんでもないことを問いかけるロゥリ。
「ガウッ、ドウヤッタラ、コダネデル」
「えっ……?」
「クイーズトノ、コドモ、コサエル」
「誰が……?」
自分を指さすロゥリ。
うん、意味が分からん。
えっ、俺より強いやつの子種がいる? さらに分からん。
「アダダダ、だからやめろ、そこはもっとナイーブに扱え!」
◇◆◇◆◇◆◇◆
「昨日の晩、えらい目にあったんだが――お前、何か知らねえか?」
翌日、ラピスに問いかけてみる。
「ああ、なんでもお坊ちゃまは竜王種のお眼鏡にかなったようですよ」
「なんのだよ?」
えっ、昨日ロゥリに勝ったから子供を作らないといけなくなった。
だから意味が分からねえよ!
「なんでもロゥリは、自分の伴侶を探して、あちこちを飛び回っていたらしいですよ」
「ほうほう……あいつもお年頃なのかねえ。で、それとこれと何が繋がるんだ」
「察しが悪いですね、その伴侶にお坊ちゃまが選ばれた訳ですよ」
「オレ、竜種じゃねえんだが」
あら、昨日ドラゴンに変身してたじゃありませんか。などと言うラピス。
あれはただの変形だろ! しかも鎧が!
「まあ、ニースも人間の子供、狙っているようですし、竜種がどうとかは拘ってないんでしょ」
「いやそこは拘れよ」
というかロゥリに狙われたら、ものすごくやばいんだが。
万有引力で重力操作されたら身動きもできないし。
昨日はそのあたりの知識がなかったから助かったものの。
「ならお坊ちゃまは何としてでも、ロゥリから逃げおおせないとダメですね。じゃないと浮気になってしまいますよ」
万が一、ロゥリと浮気なんて事になったら……もちろん私とも浮気してくれますよね。などと耳元でささやく。
「なんでだよ?」
「一人も二人も一緒でしょ。そんな観念は一度崩れてしまえば……」
「おおい! お前なんて事言うの!? オレはエクサリーさん一筋だからな!」
「エロい方のロゥリに迫られても、同じ事、言えますかねぇ」
……ラピスさんお願いします、変なことをロゥリに吹き込まないでください。
ある日突然、オレの元にやってきたニースとウィルマが、ロゥリと勝負をしろと言ってきた。
「やだよ、今のオレにはカードモンスターに対する弱体化つきなんだぜ」
「ガウガウ、オソレヲ、ナシタカ」
えっ、いつもオレの方からばっかでずるい?
偶にはロゥリからの勝負も受けろって?
そんな事、言われても、負けると決まっている戦いをするのは……そもそも、このカードモンスターに対する弱体化ってなんなんだろな。
ラピスが持っているオレのカードには『天敵・カードモンスター』と表示されている。
創造神のくせに、自分が生み出したカードモンスターに弱体化があるとか。
あっ、そういえば前世の神話では、神様っ奴は大概が、自分が生み出した存在によって滅ぼされてるよな。
そんなとこまで再現しなくてもいいのに。
「そうだな……よし、装備品以外で誰か一人、助っ人を認めてくれるなら勝負をしてやろう」
「それはさすがにロゥリでも厳しいのではないか? 私やウィルマ、ラピスと同時では勝ち目が薄いだろう」
「ガウッ! タトエ、ダレガアイテデモ、ロゥリハ、カツッ!」
まあまあ焦るな、助っ人といっても助っ人本人は戦わない。
そもそもその助っ人は、攻撃力は皆無に等しいからな。
「ガウッ!?」
そしていざ戦闘が始まったとき、オレの助っ人を見て驚愕の表情を見せるロゥリ。
そう、オレが選んだ助っ人は、ダークエルフのサウ、であった。
「ヒキョウダゾ!」
「フッ、お前が、助っ人は誰でもいいって言ったんだぜ?」
そして今のオレの姿は、サウの幻惑のスキルによって、ロゥリが一番懐いている、エクサリーの姿をとっているのだった。
常にサウと共に変装していてスキルの熟練度が上がったせいか、気配まで本人と遜色がない。
そんなエクサリーの姿をしたオレを、お前は攻撃できるかな?
ロゥリが拳を振り上げてオレに向かってくる、しかし、その拳はオレの眼前でピタリと止まる。
オラオラどうした、プルプル震えてるぜ。
そしてさらに、
『パワードスーツ・ドラゴニックモード!』
こないだパワードスーツが40レベルに達したのだった。
そして現れた選択肢2つ。
・ドラゴニックモード
と、
・フェンリルモード
何やら鎧部分のモード変換が可能になったようだ。
ドラゴニックモードはドラゴンのような形に変形して空が飛べるようになる。
逆にフェンリルモードは、狼のような姿になり、地面を高速で駆ける。と思う。こっちは選択していないから予想だ。
空を高速で駆け回りながら、聖銃ティニーの機関銃モードでロゥリを追い立てる。
さあどうしたロゥリ、手も足も出まい。
「本当に勝ってしまいそうじゃのう……」
良いのか? と少し離れて観戦している、本物のエクサリーを見ながらウィルマに問いかける。
「子種を貰うぐらい構わないでしょう。新たな竜王種の誕生は、何よりも優先されるべき事ですわ」
「うむむむ……まあ、ロゥリと主の関係は今更じゃしな。知らなかった事にしておけば問題はあるまい」
「何を知らなかった事にするのです」
そこに、ひょっこりラピスが登場。
飛び上がって驚くニース。
「ななな、なんでもないぞぉおお!」
「そんなに慌てなくても全部知ってますよ」
「えっ」
「ロゥリがそうなると、なし崩し的にも私にも……」
そう言って考え込むラピス。
「お主、何を考えておる? 嫌な予感はどんどん上がるのぉ」
◇◆◇◆◇◆◇◆
その夜の事だった。
なにやら下半身が涼しい。
ふと目を覚ましてみてみると、ロゥリがオレのズボンをずらしてジッと見つめている。
「…………何やってるのお前」
ガシッと掴む。
「イダダダ! やめんか! 突然何しだすんだよ!?」
「どうしたのクイーズ?」
隣で寝ていたエクサリーが目を覚ましてそう言ってくる。
そんなエクサリーに、とんでもないことを問いかけるロゥリ。
「ガウッ、ドウヤッタラ、コダネデル」
「えっ……?」
「クイーズトノ、コドモ、コサエル」
「誰が……?」
自分を指さすロゥリ。
うん、意味が分からん。
えっ、俺より強いやつの子種がいる? さらに分からん。
「アダダダ、だからやめろ、そこはもっとナイーブに扱え!」
◇◆◇◆◇◆◇◆
「昨日の晩、えらい目にあったんだが――お前、何か知らねえか?」
翌日、ラピスに問いかけてみる。
「ああ、なんでもお坊ちゃまは竜王種のお眼鏡にかなったようですよ」
「なんのだよ?」
えっ、昨日ロゥリに勝ったから子供を作らないといけなくなった。
だから意味が分からねえよ!
「なんでもロゥリは、自分の伴侶を探して、あちこちを飛び回っていたらしいですよ」
「ほうほう……あいつもお年頃なのかねえ。で、それとこれと何が繋がるんだ」
「察しが悪いですね、その伴侶にお坊ちゃまが選ばれた訳ですよ」
「オレ、竜種じゃねえんだが」
あら、昨日ドラゴンに変身してたじゃありませんか。などと言うラピス。
あれはただの変形だろ! しかも鎧が!
「まあ、ニースも人間の子供、狙っているようですし、竜種がどうとかは拘ってないんでしょ」
「いやそこは拘れよ」
というかロゥリに狙われたら、ものすごくやばいんだが。
万有引力で重力操作されたら身動きもできないし。
昨日はそのあたりの知識がなかったから助かったものの。
「ならお坊ちゃまは何としてでも、ロゥリから逃げおおせないとダメですね。じゃないと浮気になってしまいますよ」
万が一、ロゥリと浮気なんて事になったら……もちろん私とも浮気してくれますよね。などと耳元でささやく。
「なんでだよ?」
「一人も二人も一緒でしょ。そんな観念は一度崩れてしまえば……」
「おおい! お前なんて事言うの!? オレはエクサリーさん一筋だからな!」
「エロい方のロゥリに迫られても、同じ事、言えますかねぇ」
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