365日のこまり。

tonari0407

文字の大きさ
26 / 103

27日目 プラスの感情は還元したい 味噌生姜ラーメン

しおりを挟む
 こまりはうきうきしていた。今日は夜ご飯にラーメンを食べに連れていってもらう予定だからだ。あまり体調が良くなければ、延期予定だったが、お昼ご飯も食べることができ、何とか大丈夫そうだった。

 心配していた車酔いも、酔い止めを事前に飲んだお陰で回避することができた。ラーメンを食べる前に吐き気がしていたら、ラーメンに申し訳なさすぎる。

  目的のお店には、車で10分程で着いた。店の中に入ると、ラーメンの良い匂いが食欲をそそった。注文したのはお店の看板商品である味噌ラーメン。こまりの好物だ。

 ラーメンを食べるのは久しぶりだった。食べたいなと思うことは多々あるが、1人で外食する気にはなれなくて、なかなか行けなかった。他の人と一緒にご飯を食べられるのは幸せなことだとこまりは実感していた。

 向かい合って座ったテーブル席には、落書き帳と書かれたノートが置いてあった。開いてみると、お客さんがラーメンの感想や絵等を書いていた。お客さんの感想に対して、店主も返事を書いており、温かな交流の様子が読み取れた。こまりが楽しく読んでいると、ラーメンが運ばれてきた。

 薄いが大きいチャーシューの上にはすりおろし生姜がのっていた。野菜はネギにもやし、玉ねぎにめんまのラインナップ。れんげでスープをすくって飲むと、濃厚な味噌の味がした。油は少なめで飲みやすいスープだった。黄色い中太の縮れ麺にはスープが絡んで、噛む度に旨味のある味噌味が口の中に広がった。箸で切れるチャーシューは香ばしい匂いがして、肉肉しい。野菜は少し歯ごたえを残し、麺とチャーシューの間の良いアクセントになる。スープが飲みやすく美味しくて、頻繁にれんげでスープを口に運んだ。

美味しい。

ただ、美味しかった。

途中でチャーシューにのっていた生姜をスープに溶かすと、一気に味にしまりが出て、スープがよりぐいぐい飲めるものになった。味噌と生姜がこんなに合うなんてこまりには新発見だった。

 一番美味しい状態で食べたくて、ほぼ言葉を発せずに一気に食べた。

「ごちそうさまでした」

 心を込めて、手を合わせる。こまりはテーブルの上がきれいなのを確認して、先程の落書き帳を目の前に置いた。言葉を選んで文字を綴る。美味しかったの思いをこめて、舌をぺろんと出したにこちゃんマークを最後に描いた。

【初めて来ました。味噌ラーメンはスープも麺もお野菜もチャーシューも全部が美味しくて、夢中になって食べてしまいました。口福な時間をありがとうございました。お身体には気をつけて、これからも素敵なラーメンを作ってください。また来ます。ごちそうさまでした。 こまり】

 お店の方に「ごちそうさまでした。美味しかったです」と声をかけてお店を出る。まだ口の中が美味しい感じがした。

 こまりはプラスの感情は相手に伝えて還元したいと常日頃から思っていた。今回のようなノートを置いているお店は最近あまり見かけないが、こまりは好きだった。

 生姜に味噌って合うんだなー

 膨れたお腹を擦りつつ、帰り道で車に酔わないことを祈るこまりであった。


【今日できたこと】
・面倒くさがらずに自己満足ではあるが、プラスの感情は相手に伝える努力をすること
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

処理中です...