魔王の息子に転生したら、いきなり魔王が討伐された

ふぉ

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4章 神の雷光と裏切りの花

79 死霊の資料が欲しい

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 村で手に入れたボロ剣のおかげで、僕の強さが飛躍的に向上した。
 剣に炎を纏わせて力押しすると、中近距離戦でエリッタと五分に戦える。
 リプリアでさえ正面からの打ち合いでは対処不能になるレベルだ。
 ただしスピードで劣るのでリプリアが本気を出したら、打ち合う前に瞬殺される。
 魔導力の能力がもっと向上すれば、いつかリプリアに追いつけるかもしれない。

 僕達は徒歩でエンプティモの街を目指していた。
 目前というところで異変に気がつく。
 街の方から煙が上がっていた。
 その煙は生活によって発生する一般的な煙では無い、真っ黒い煙だ。
 そして近づくにつれてハッキリと聞こえてくる怒号と悲鳴、剣の打ち合う音。
 何かが起こっている。

 街へ急いだ。
 東門から中へ入る。
 一応兵士達が入り口周辺に配置されていたが、僕達は素通りだった。
 それどころでは無いらしい。
 街に入った瞬間から立ち上る瘴気。
 完全におかしな状況になっている。
 
 街の広場には民間人が避難してきている様子だった。
 中には怪我人もいる。
 親を探して泣いている子供、へたり込んでいる怪我人。
 瘴気が漂ってきているため、一般人にはかなりキツい状況だろう。
 僕はその中の一人に声をかける。

「いったい何があったんですか?」

 疲れ果てた表情で男が答える。

「魔族が攻めてきたんだ。
 骸骨やゾンビ共が東門から押し寄せてきて大変なことになってる。
 俺は街の中央にいたんだが、黒い悪魔まで出てきやがった。
 軍が戦っていたが、とても刃が立ちそうに無い相手だ。
 ここまで逃げてこられたのが奇跡だ。」

 死霊系の魔物は呪術を得意とする魔術師が瘴気を元に作り出す。
 自然発生することもあるが、大量に押し寄せてくるような数なら意図的なものだろう。
 魔族には呪術を得意とする種族がいる。
 そして街に漂う瘴気。
 通常、いきなり街を瘴気が覆うことなどあり得ない。
 なにか仕掛けがあるのだろう。

 男が話を続ける。

「君と同じぐらいの歳の子供が戦ってたんだ。
 えらく強かったけど、さすがに今頃・・・。
 自分が情けない。」

「子供というのは?」

「冒険者のようだった。
 二人は君と同じぐらいの歳で、もう一人はそっちの娘と同じぐらいだ。」

 男はエリッタの方を向く。
 8歳前後が三人で、もう一人が15歳ぐらいか。
 人のことは言えないけれど、無謀なパーティがいたものだ。

「だいぶヤバい状況だな。
 でも加勢するつもりなんだろ?」

 エリッタが言う。

「はい、危険ですがみんな力を貸してくれますか?」

 ここに来て逃げるという選択肢は無い。

「是非もありません。
 お供します。」

 メリクル神父は同意した。

「ご指示に従います。」

 僕達は戦闘準備を整え、街の中央へと進んだ。
 男が目撃した黒い悪魔というのは、召喚された悪魔(デーモン)の可能性が高い。
 人間の魂を引き替えに召喚する上位の魔物だ。
 僕達でどこまで戦えるかは未知数だ。

 僕は覚悟を決めて突入する。
 しかし街の中央は、激しい戦いの跡が残っているだけだった。
 いるのは怪我の治療を受けている兵士や冒険者だけで、敵はどこにもいない。

 治療を受けて休んでいる冒険者に話を聞いた。

「ここに黒い悪魔が出たと聞いたんですが。」

「また、子供の冒険者か。
 あの悪魔(デーモン)なら、子供の冒険者パーティーが倒していった。
 お前、彼奴等の仲間なのか?
 尋常じゃ無い強さだったぞ。」

 既に悪魔(デーモン)は倒されていたらしい。
 無双パーティーが先行して戦ってるみたいなんだけど、いったいどうなっているんだろう。

 僕達は中央から西へと向かう。
 そこは激しい戦場と化していた。
 兵士達が中央への道を塞ぎ、骸骨やゾンビの侵入を防いでいた。
 さらに冒険者達も加わり、激しい戦いとなっていた。
 後方では教会の司祭達が負傷者の治療をしている。
 戦場をざっと見渡したが、噂の子供パーティーは目に付かなかった。

 僕達は加勢するため封鎖ルートを通してもらった。
 子供の僕があっさり通されたのは、既に前例があるからなのだろう。
 凄まじい数の骸骨やゾンビ。
 僕達の戦いはこれから始まろうとしていた。






 子供パーティー無双が始まっていたらしい。
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