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5章 希望の家と集う仲間
129 合流と交流
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今回の作戦は少数精鋭で行く。
ブリデイン王国の首都に強襲をかける都合上、陸上からの攻略は不可能だ。
ブリューデンによる降下強襲以外に方法が無い。
そして乗れる人数が限られている以上、メンバーを厳選しなければならない。
機動力を考えるとせいぜい六人だ。
まず僕は確定だ。
そしてギスケから預かった助っ人のネリネ。
勇者ジキルももちろん参加してもらう。
戦力的にはパメラも必要だ。
リプリアにも合流してもらう。
残り一名の枠にサリアかエリッタというところか。
エリッタは遺跡町の仕事が忙しい中修行を怠らず、「今ならリプリアにも負けない、連れて行け」と息巻いていた。
僕は留守番を指導力に長けている学者に任せることにした。
名前をエンドールという。
科学知識よりも経済学寄りの人物だ。
その能力を生かして商業ギルドでコンサルをしていた経歴を持つ。
僕がマクロ経済の話をしたときに、あっという間に内容を理解して実戦に生かし始めた人物だ。
この世界にはそんな概念はこれっぽっちも無かったはずなのにだ。
能力的に確実に僕を凌駕しているのに、常に尊敬の眼差しを向けられるのが痛い。
少々時間をかけたが、ここで出来る準備は整った。
ネリネの訓練も順調に進み、予想を超える技量を身につけた。
僕、ネリネ、サリア、エリッタはブリューデンに乗り、合流場所であるクエルク自治領を目指した。
最終パーティーの決定は合流した後に決めることにする。
そして移動中に空戦になることも無く、田舎の国クエルク自治領に到着した。
ふと思ったんだけど、ブリデイン王国に飛龍とかが配備されていたら今回の作戦は頓挫するんだよね。
僕がいたときにはそんな話は一切無かったんだけど、相手が師匠だと思うと、何をやってくるか分からないという恐怖感がある。
一応ギスケの話だと、飛龍を使っているのはギスケの配下だけ、炎竜を乗り回しているのは僕ぐらいらしい。
合流地点ではジキルとパメラが待っていた。
近くにさらに二人の人影を確認する。
ジキルとパメラは共に少し疲れた顔をしていた。
特にジキルの顔色が悪い。
「二人とも無事で良かった。」
僕はブリューデンから降りて二人に駆け寄る。
僕を見たジキルが申し訳なさそうな顔をしていた。
「オキス、僕はリーフを助けられなかった。
勇者とか呼ばれていい気になっていただけで無力だった。」
いきなりネガティブモードの勇者ジキル。
「一人で何でも出来ると思うのは傲慢だよ。
僕も一人で何とかしようと思ったときは失敗だらけだった。
力が足りないのは確かだけど、その力は個人の力じゃ無い。
みんなの力を合わせて補えば良いんだ。
とにかく誰も死んではいない。
これから取り返せるし、今はみんな無事だったことを喜ぼう。」
僕はそう言った。
そしてジキルは笑った。
僕が必死に慰めようとしていることに気がついて、自分がしっかりしなければと考えたのだろう。
「せめてリーフを正気に戻す方法が分かれば良かったんだけど。
私たちが最後にあったときは、本当に別人みたいだったわ。」
パメラはリーフの状況を教えてくれた。
精神魔法でもかけられているのだろうか?
しかし師匠レベルの魔術師でも、人の思考を別人にまで変化させてしまうような精神魔法は使えないはずだ。
懸案事項ではあるが、リーフの件はいったん後回しだ。
「まずは神魔砲を止めるために、ブリデイン王国の神の遺跡の封印を解く。
クルセイダーズと対峙するのはそれ以降だ。」
僕は作戦を伝えようとした。
その時、僕は別の人物から声をかけられた。
「オキス、久しぶりだな。」
声の方へ振り向くと、そこにいたのはカシムだった。
希望の家出身の元いじめっ子、今は冒険者カシムだ。
カシムはそろそろ12歳になる頃だと思うんだけど、体格が既に子供とは思えない。
がっしりとしていて身長も180センチぐらいある。
これで神の残滓を使うと、相当な攻撃力がありそうだ。
しかしそのカシム以上に存在感を放つ人物が隣にいた。
「そうか、お前がオキスか・・・。」
噂のミイラ男だった。
エジプト無双か?
ブリデイン王国の首都に強襲をかける都合上、陸上からの攻略は不可能だ。
ブリューデンによる降下強襲以外に方法が無い。
そして乗れる人数が限られている以上、メンバーを厳選しなければならない。
機動力を考えるとせいぜい六人だ。
まず僕は確定だ。
そしてギスケから預かった助っ人のネリネ。
勇者ジキルももちろん参加してもらう。
戦力的にはパメラも必要だ。
リプリアにも合流してもらう。
残り一名の枠にサリアかエリッタというところか。
エリッタは遺跡町の仕事が忙しい中修行を怠らず、「今ならリプリアにも負けない、連れて行け」と息巻いていた。
僕は留守番を指導力に長けている学者に任せることにした。
名前をエンドールという。
科学知識よりも経済学寄りの人物だ。
その能力を生かして商業ギルドでコンサルをしていた経歴を持つ。
僕がマクロ経済の話をしたときに、あっという間に内容を理解して実戦に生かし始めた人物だ。
この世界にはそんな概念はこれっぽっちも無かったはずなのにだ。
能力的に確実に僕を凌駕しているのに、常に尊敬の眼差しを向けられるのが痛い。
少々時間をかけたが、ここで出来る準備は整った。
ネリネの訓練も順調に進み、予想を超える技量を身につけた。
僕、ネリネ、サリア、エリッタはブリューデンに乗り、合流場所であるクエルク自治領を目指した。
最終パーティーの決定は合流した後に決めることにする。
そして移動中に空戦になることも無く、田舎の国クエルク自治領に到着した。
ふと思ったんだけど、ブリデイン王国に飛龍とかが配備されていたら今回の作戦は頓挫するんだよね。
僕がいたときにはそんな話は一切無かったんだけど、相手が師匠だと思うと、何をやってくるか分からないという恐怖感がある。
一応ギスケの話だと、飛龍を使っているのはギスケの配下だけ、炎竜を乗り回しているのは僕ぐらいらしい。
合流地点ではジキルとパメラが待っていた。
近くにさらに二人の人影を確認する。
ジキルとパメラは共に少し疲れた顔をしていた。
特にジキルの顔色が悪い。
「二人とも無事で良かった。」
僕はブリューデンから降りて二人に駆け寄る。
僕を見たジキルが申し訳なさそうな顔をしていた。
「オキス、僕はリーフを助けられなかった。
勇者とか呼ばれていい気になっていただけで無力だった。」
いきなりネガティブモードの勇者ジキル。
「一人で何でも出来ると思うのは傲慢だよ。
僕も一人で何とかしようと思ったときは失敗だらけだった。
力が足りないのは確かだけど、その力は個人の力じゃ無い。
みんなの力を合わせて補えば良いんだ。
とにかく誰も死んではいない。
これから取り返せるし、今はみんな無事だったことを喜ぼう。」
僕はそう言った。
そしてジキルは笑った。
僕が必死に慰めようとしていることに気がついて、自分がしっかりしなければと考えたのだろう。
「せめてリーフを正気に戻す方法が分かれば良かったんだけど。
私たちが最後にあったときは、本当に別人みたいだったわ。」
パメラはリーフの状況を教えてくれた。
精神魔法でもかけられているのだろうか?
しかし師匠レベルの魔術師でも、人の思考を別人にまで変化させてしまうような精神魔法は使えないはずだ。
懸案事項ではあるが、リーフの件はいったん後回しだ。
「まずは神魔砲を止めるために、ブリデイン王国の神の遺跡の封印を解く。
クルセイダーズと対峙するのはそれ以降だ。」
僕は作戦を伝えようとした。
その時、僕は別の人物から声をかけられた。
「オキス、久しぶりだな。」
声の方へ振り向くと、そこにいたのはカシムだった。
希望の家出身の元いじめっ子、今は冒険者カシムだ。
カシムはそろそろ12歳になる頃だと思うんだけど、体格が既に子供とは思えない。
がっしりとしていて身長も180センチぐらいある。
これで神の残滓を使うと、相当な攻撃力がありそうだ。
しかしそのカシム以上に存在感を放つ人物が隣にいた。
「そうか、お前がオキスか・・・。」
噂のミイラ男だった。
エジプト無双か?
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