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6章 魔王の息子と最後の無双
146 バチが当たりそうな場違い
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みんなが不安そうな顔をしている。
皇帝との謁見といっても、とって食われる訳では無い。
そんな顔をしなくても大丈夫だと声をかけたら、行儀が分からないという答えが返ってきた。
とくにカシムのテンパりっぷりが酷い。
意外に小心者なのか。
「とりあえずは僕の真似をすれば大丈夫。
基本僕が話すから、みんなは・・・まあ声をかけられたら上手く対処して。」
最初の言葉でみんなの表情が明るくなったが、最後の言葉で再び不安そうな顔に戻る。
どうせ希望の家育ちのThe田舎者集団だ、せいぜい冷たい視線のシャワーで身を清めることにしよう。
僕達は謁見の間に通され、そして跪(ひざまづ)く。
「この度は拝謁の栄誉を賜り、歓喜の念にたえません。
私を含め辺境育ち故、先に不作法をお詫びいたします。」
僕は適当にそれっぽく挨拶しておく。
「よくおいでになりました。
わたくしがオブリエン帝国皇帝エスフェリアです。
みなさん、お顔を拝見したく存じます。」
僕達は顔を上げた。
うん、この女帝は美人だ。
今まで見たこの世界の女性で最高ランクだろう。
さすがとしか言いようが無い。
皇帝の横にはギスケが待機している。
その後ろに侍女らしき人物、そして僕達を取り囲むように騎士達が立っている。
騎士達の中に師匠レベルの気配を漂わせている人物が混じっているんだけど、怖いからそんなに僕を観察しないで欲しい。
それと女性比率が高すぎ。
そもそも女性騎士って元の世界だと基本的に無いんだよね。
まあこっちの世界の常識ではそうでは無いのだろうけど。
皇帝は僕の顔を見てにっこりと微笑む。
師匠の笑顔と違って癒やされる微笑みだ。
異様な気配を感じ取ってちらりとカシムを横目で見ると、顔はあげたものの表情が凍り付いている。
ジキルは平静を保っていたが、パメラがちょっと青い顔をしている。
「こんな大勢に囲まれては親しくお話をすることも出来ません。
ギスケとアグレス以外は下がりなさい。」
皇帝がそう言うと、異論が出ることも無く騎士達が命令に従う。
アグレスというのは後ろに控えていた侍女のようだ。
そして騎士達が出て行ったところでギスケが口を開く。
「直接会うのは久しぶりだな。
頻繁にやりとりしているせいで、あんまり実感は無いが。」
「ギスケ、今はわたくしがお話をする時間ですよ。
オキス様には色々と聞きたいことがあるのですから。」
この皇帝、さっきと雰囲気が変わっている。
「オキス様、ギスケは向こうの世界ではどういった感じだったんですか?」
「え?」
それ、最初の質問?
他に聞くことがあるんじゃ無いの?
とにかく勅命・・・なのか?答えなければ。
「はい、数学の天才で、とてもひねくれ者でした。
今もあまり変わっていないようですが、私が知っている頃のケイス・・ギスケはもっとやさぐれておりました。」
あのころから結構ぶっ飛んでたからなあ。
「おいエスフェリア、いきなり何を聞いてるんだよ?」
ギスケが割り込んでくる。
「あら、あなたは自分の昔のことを全然語らないから知っている人に尋ねているのよ。
数少ない情報源ですから。」
皇帝が言う。
「彼女とかいたんですか?」
侍女アグレスからも質問が飛んでくる。
カシムは最初からだが、ジキルとパメラもこの意味の分からないやりとりに凍り付いていた。
なんなんだ、この人達は?
皇帝が無双だった。
皇帝との謁見といっても、とって食われる訳では無い。
そんな顔をしなくても大丈夫だと声をかけたら、行儀が分からないという答えが返ってきた。
とくにカシムのテンパりっぷりが酷い。
意外に小心者なのか。
「とりあえずは僕の真似をすれば大丈夫。
基本僕が話すから、みんなは・・・まあ声をかけられたら上手く対処して。」
最初の言葉でみんなの表情が明るくなったが、最後の言葉で再び不安そうな顔に戻る。
どうせ希望の家育ちのThe田舎者集団だ、せいぜい冷たい視線のシャワーで身を清めることにしよう。
僕達は謁見の間に通され、そして跪(ひざまづ)く。
「この度は拝謁の栄誉を賜り、歓喜の念にたえません。
私を含め辺境育ち故、先に不作法をお詫びいたします。」
僕は適当にそれっぽく挨拶しておく。
「よくおいでになりました。
わたくしがオブリエン帝国皇帝エスフェリアです。
みなさん、お顔を拝見したく存じます。」
僕達は顔を上げた。
うん、この女帝は美人だ。
今まで見たこの世界の女性で最高ランクだろう。
さすがとしか言いようが無い。
皇帝の横にはギスケが待機している。
その後ろに侍女らしき人物、そして僕達を取り囲むように騎士達が立っている。
騎士達の中に師匠レベルの気配を漂わせている人物が混じっているんだけど、怖いからそんなに僕を観察しないで欲しい。
それと女性比率が高すぎ。
そもそも女性騎士って元の世界だと基本的に無いんだよね。
まあこっちの世界の常識ではそうでは無いのだろうけど。
皇帝は僕の顔を見てにっこりと微笑む。
師匠の笑顔と違って癒やされる微笑みだ。
異様な気配を感じ取ってちらりとカシムを横目で見ると、顔はあげたものの表情が凍り付いている。
ジキルは平静を保っていたが、パメラがちょっと青い顔をしている。
「こんな大勢に囲まれては親しくお話をすることも出来ません。
ギスケとアグレス以外は下がりなさい。」
皇帝がそう言うと、異論が出ることも無く騎士達が命令に従う。
アグレスというのは後ろに控えていた侍女のようだ。
そして騎士達が出て行ったところでギスケが口を開く。
「直接会うのは久しぶりだな。
頻繁にやりとりしているせいで、あんまり実感は無いが。」
「ギスケ、今はわたくしがお話をする時間ですよ。
オキス様には色々と聞きたいことがあるのですから。」
この皇帝、さっきと雰囲気が変わっている。
「オキス様、ギスケは向こうの世界ではどういった感じだったんですか?」
「え?」
それ、最初の質問?
他に聞くことがあるんじゃ無いの?
とにかく勅命・・・なのか?答えなければ。
「はい、数学の天才で、とてもひねくれ者でした。
今もあまり変わっていないようですが、私が知っている頃のケイス・・ギスケはもっとやさぐれておりました。」
あのころから結構ぶっ飛んでたからなあ。
「おいエスフェリア、いきなり何を聞いてるんだよ?」
ギスケが割り込んでくる。
「あら、あなたは自分の昔のことを全然語らないから知っている人に尋ねているのよ。
数少ない情報源ですから。」
皇帝が言う。
「彼女とかいたんですか?」
侍女アグレスからも質問が飛んでくる。
カシムは最初からだが、ジキルとパメラもこの意味の分からないやりとりに凍り付いていた。
なんなんだ、この人達は?
皇帝が無双だった。
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