魔王の息子に転生したら、いきなり魔王が討伐された

ふぉ

文字の大きさ
157 / 262
6章 魔王の息子と最後の無双

158 砦に行くのは一人では無い

しおりを挟む
 宮廷魔術師エルシアと騎士三名が飛龍で先行してグラビデン砦に向かうことになった。
 僕達のパーティーもブリューデンの乗って同行する。
 待機していたはずのブリューデンとサリアは、街でグルメツアーを敢行していた。
 ブリューデンは普通の物も美味しくいただけるらしい。
 散々燃料を食われたのに・・・。
 その話をしたら、長距離を飛ぶならやっぱり燃料が必要だという。
 まあ、カロリーを大量消費しそうだものなあ。

 そして僕達はグラビデン砦に到着した。
 エルシアはすぐに砦の将兵達と打ち合わせに入る。
 僕達は兵士の一人に砦の中を案内された。

 まず魔領側が一望できる展望施設に連れていてもらった。
 そこはかなりの高所だ。
 魔領側は兵が展開しにくい岩地が続いている。
 そして向こう側から懐かしい空気が漂っている。
 時折、瘴気が砦に流れ込んできて体調を崩す兵士がいるという話だ。
 そして真下を覗き込むと、ここは砦というか・・・絶壁?

 魔領側から見たら、完全に絶壁にしか見えないだろう。
 一応出入り口は付いているようだが、扉は多重に付けられているらしい。
 かなりの高度な攻撃魔法にも耐えられる構造になっているという説明を受けた。
 カシムが何かにチャレンジしたそうな顔をしていた。
 いや・・・味方の施設を破壊するのは遠慮して欲しい。

 周囲は険しい山岳地帯になっているのだが、砦をスルーして山岳ルートで通り抜けてしまう魔族はいるようだ。
 また、敵にも飛龍を使う者がいる。
 飛龍の数は多くないので、いきなり攻めてくるような部隊を投入してくるようなことは無い。
 しかしそこから各地に魔族が散ってしまうのだ。
 ちなみに僕の指示系統に入っている魔族達は、帝国の首都が落とされた時点で帝国入りしている。
 飛龍でチビチビ移動したわけでは無い。
 母が後のことを考えて残しておいた戦力のようだ。

 見た限り、ここに十万規模の敵兵が来ても陣形がとりにくい岩場では、実際に展開できる規模は五千程度だろう。
 一万詰め込むと身動きがとれなくなってしまうレベルだ。
 ここに来るまでけっこうビビりが入っていたんだけど、砦を見て安心した。
 ギスケがこの辺りを取り返してから、今までずっと持ちこたえていたのだから当然か。

 だけど僕の母が攻めてきたときは、あっさり陥落したんだよね。
 戦闘らしい戦闘にならず人間は皆、精神をぶっ壊されて壊滅させるという無双ぶり。
 人間から最悪最強の魔王と恐れられるだけのことはある。

 ちなみに以前ギスケに魔王アストレイアと戦うとしたらどうすると聞いたことがある。
 そしたらこう答えた。

「俺自身に魔力が全くないから、精神魔法の干渉は受けないぜ。
 つまり彼女の得意技は俺には効かない。
 そして単純な魔法勝負なら、十中八九俺が勝つ。」

 精神魔法は魔力がない人には効かないらしい。
 さすがチート魔神はひと味もふた味も違っていた。
 つまり僕の得意魔法も効かないということだ。
 見事に精神魔法に対する抵抗力を売りにする勇者のお株を奪っている。

 この世界の生き物は、大なり小なり魔力を持っている。
 だから魔力を持っていないから効かないという例外は、転移者であるギスケだけだ。
 そもそもギスケのサイコキネシスってどういう原理なんだろう?

 僕達は砦の施設を一通り見学した。
 そして兵士がエルシアが呼んでいるという知らせを持ってきた。
 砦の将校と顔合わせするらしい。

 その時、僕は危険を察知した。
 ジキルも気がついたようだ。
 ヤバいものが近づいているような感覚だ。
 敵が攻めてくるまで少なくとも三日以上はあるはずだ。
 僕達は急いで展望施設に登る。

 見上げた空には、遠近感も大きさも把握できない巨大な光の塊があった。
 こちらに向かって飛んで来ているのだけは確かだ。
 そしてそれがかなりヤバいモノだということは認識できた。








 敵の大規模無双魔法攻撃か?
しおりを挟む
感想 24

あなたにおすすめの小説

真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます

難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』" ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。 社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー…… ……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!? ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。 「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」 「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族! 「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」 かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、 竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。 「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」 人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、 やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。 ——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、 「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。 世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、 最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕! ※小説家になろう様にも掲載しています。

【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです

yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~ 旧タイトルに、もどしました。 日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。 まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。 劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。 日々の衣食住にも困る。 幸せ?生まれてこのかた一度もない。 ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・ 目覚めると、真っ白な世界。 目の前には神々しい人。 地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・ 短編→長編に変更しました。 R4.6.20 完結しました。 長らくお読みいただき、ありがとうございました。

身代わりで呪いの公爵に嫁ぎましたが、聖女の力で浄化したら離縁どころか国一番の溺愛妻になりました〜実家が泣きついてももう遅い〜

しょくぱん
恋愛
「お前のような無能は、死神の生贄にでもなっていろ」 魔力なしの無能と蔑まれ、家族に虐げられてきた伯爵令嬢レティシア。 彼女に命じられたのは、近づく者すべてを病ませるという『呪いの公爵』アレクシスへの身代わり結婚だった。 鉄格子の馬車で運ばれ、たどり着いたのは瘴気に満ちた死の城。 恐ろしい怪物のような男に殺される――。 そう覚悟していたレティシアだったが、目の前の光景に絶望よりも先に別の感情が湧き上がる。 (な、何これ……汚すぎるわ! 雑巾とブラシはどこ!?) 実は、彼女が「無能」と言われていたのは、その力が『洗浄』と『浄化』に特化した特殊な聖女の魔力だったから。 レティシアが掃除をすれば、呪いの瘴気は消え去り、枯れた大地には花が咲き、不気味だった公爵城はまたたく間にピカピカの聖域に塗り替えられていく。 さらには、呪いで苦しんでいたアレクシスの素顔は、見惚れるほどの美青年で――。 「レティシア、君は一体何者なんだ……? 体が、こんなに軽いのは初めてだ」 冷酷だったはずの公爵様から、まさかの執着と溺愛。 さらには、呪いが解けたことで領地は国一番の豊かさを取り戻していく。 一方で、レティシアを捨てた実家は、彼女の『浄化』を失ったことで災厄に見舞われ、今さら「戻ってきてくれ」と泣きついてくるが……。 「私は今、お城の掃除と旦那様のお世話で忙しいんです。お引き取りくださいませ」 これは、掃除を愛する薄幸令嬢が、その愛と魔力で死神公爵を救い、最高に幸せな居場所を手に入れるまでのお話。

転生貴族の領地経営〜現代知識で領地を豊かにして成り上がる

ファンタジー
ネーデル王国の北のリーディア辺境伯家には天才的な少年レイトがいた。しかしその少年の正体は現代日本から転生してきた転生者だった。 レイトが洗礼を受けた際、圧倒的な量の魔力やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のレイトを辺境伯領の北の異種族の住むハーデミア領を治める領主とした。しかしハーデミア領は貧困に喘いだ貧乏領地だった。 これはそんなレイトが異世界の領地を経営し、領地を豊かにして成り上がる物語である。

ブラック企業でポイントを極めた俺、異世界で最強の農民になります

はぶさん
ファンタジー
ブラック企業で心をすり減らし過労死した俺が、異世界で手にしたのは『ポイント』を貯めてあらゆるものと交換できるスキルだった。 「今度こそ、誰にも搾取されないスローライフを送る!」 そう誓い、辺境の村で農業を始めたはずが、飢饉に苦しむ人々を見過ごせない。前世の知識とポイントで交換した現代の調味料で「奇跡のプリン」を生み出し、村を救った功績は、やがて王都の知るところとなる。 これは、ポイント稼ぎに執着する元社畜が、温かい食卓を夢見るうちに、うっかり世界の謎と巨大な悪意に立ち向かってしまう物語。最強農民の異世界改革、ここに開幕! 毎日二話更新できるよう頑張ります!

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

現代知識と木魔法で辺境貴族が成り上がる! ~もふもふ相棒と最強開拓スローライフ~

はぶさん
ファンタジー
木造建築の設計士だった主人公は、不慮の事故で異世界のド貧乏男爵家の次男アークに転生する。「自然と共生する持続可能な生活圏を自らの手で築きたい」という前世の夢を胸に、彼は規格外の「木魔法」と現代知識を駆使して、貧しい村の開拓を始める。 病に倒れた最愛の母を救うため、彼は建築・農業の知識で生活環境を改善し、やがて森で出会ったもふもふの相棒ウルと共に、村を、そして辺境を豊かにしていく。 これは、温かい家族と仲間に支えられ、無自覚なチート能力で無理解な世界を見返していく、一人の青年の最強開拓物語である。 別作品も掲載してます!よかったら応援してください。 おっさん転生、相棒はもふもふ白熊。100均キャンプでスローライフはじめました。

異世界転生日録〜生活魔法は無限大!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
☆感想の受付開始しました。 【あらすじ】   異世界に転生したルイは、5歳の高熱を境に、記憶を取り戻す。一度は言ってみたい「ステータス・オープン」で、ステータスを見れることに気付いた。スキル「生活魔法∞(無限大)」を発見。その意味を知るルイは、仄かに期待を抱いた。  それと同時に、今世の出自である農家の四男は、長男大事な両親の態度に、未来はないと確信。  家族に隠れて、ステータスにあったスキルの一つ「鑑定」を使い、村のお婆(薬師)相手に、金策を開始。  十歳の時に行われたスキル鑑定の結果を父に伝えたが、農家向きのスキルではなかったルイは「家の役には立たない」と判断され、早々に家を追い出される。   だが、追放ありがとう!とばかりに、生活魔法を知るべく、図書館がある街を目指すことにしたルイ。  最初に訪れた街・ゼントで、冒険者登録を済ませる。だがそのギルドの資料室で、前世の文字である漢字が、この世界の魔法文字だという事実を知ることになる。  この世界の魔法文字を試したルイは、魔法文字の奥深さに気づいてしまった。バレないように慎重に……と行動しているつもりのルイだが、そんな彼に奇妙な称号が増えて行く。  そして、冒険者ギルドのギルドマスターや、魔法具師のバレンと共に過ごすうちに、バレンのお師匠様の危機を知る。  そして彼に会いにいくことになったが、その目的地が、図書館がある魔法都市アルティメットだった。  旅の道中もさることながら、魔法都市についても、色々な人に巻き込まれる運命にあるルイだったが……それを知るのは、まだ先である。 ☆見切り発車のため、後日変更・追記する場合があります。体調が不安定のため、かける時に書くスタイルです。不定期更新。 ☆カクヨム様(吉野 ひな)でも先行投稿しております。

処理中です...