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7章 次への引き継ぎと暗躍の者達
180 執事の出自はどこだろう?
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私は彼の仲間達と供に魔王宮へやってきた。
魔王級の入り口で魔王の副官サブオーレンが出迎える。
見た目はテンプレートのような初老の執事だ。
腰に長剣を下げていることを除けば。
先代勇者と剣を交えて無傷で戻ったという逸話を残している人物だ。
戦うとしたらかなり厄介だ。
「アリス様、お待ちしておりました。
こちらへ。」
サブオーレンから戦意も殺気も感じられない。
「私が来ることが分かっていたの?」
私は聞いた。
「魔王様から伺っております。
そろそろ来る頃だと。」
サブオーレンは平然とそう答えた。
「お父様が?」」
「はい、お連れの方もこちらへ。」
そして私達は謁見の間へ通された。
「久しいな、我が娘よ。
そしてそなたが新しい勇者か。」
私の父、魔王グレバーンの外見は優男の青年にしか見えない。
しかしその目は魅了の魔力を持っている。
例え魔族であったとしても、その目を見てしまえば立ち所に魅了されることだろう。
もちろん魔王種である私には効かないし、勇者にも無効だろう。
他の二人には目を見ないように言ってある。
「用件は・・・魔王を継ぎに来たのだな。
いずれは譲ってやるつもりではあったが、さすがに早すぎる。」
「そこまで分かっていて、すんなり私を通したのですね。
勇者まで連れてきているというのに。」
「分かっていてか・・・。
そうだな、全て姉上の言われていた通りになった。」
アストレイアはいったい父に何を言ったのだろう?
そして言った通りということなら、彼のことも想定内ということになる。
「アストレイア叔母様は、私が彼を殺すことを予言していたのですか?」
「その通りだ。
全て姉上の手の平の上というわけだ。」
「何故?
叔母様は彼の力が必要だから、転生の秘術を使ったのでは無いのですか?」
「余が答えずとも、いずれ分かる時が来る。
そう言っている余自身も、姉上を手にかけたときは全く分かってはいなかったのだがな。
そう、お前にとっては悲しい出来事だったが、全てを知るときが来たら・・・意外に悪くないと考えるかも知れぬ。」
意味が分からない。
彼を殺してしまったのは、私にとって最悪の状況だ。
何かを知ったからといって、それが覆るとは思えない。
「理由は・・・教えていただけないのでしょうね。」
アストレイアが何をしようとしていたのか、元々知っていた情報と彼の仲間達から聞いた情報である程度は分かっている。
しかし目的こそ分かっているけれど、途中経過の意味がさっぱり分からないのだ。
彼の死に何の意味があるのか。
「ああ、いずれ分かるからな。
別にもったいぶっているわけでは無いぞ。
教えられない理由があるのだ。」
「では次にすることは分かっていらっしゃいますか?」
「ああ、闘技場(コロシアム)を貸し切りにしてある。
その前に一つ確認させてくれ。」
「何ですか?」
「ジブルトはお前の所に来たか?」
父は予想外の質問をする。
何故ここでジブルトの話を?
「来ました。」
私は正直に答えた。
「なるほどな。
やはり奴であったか。
・・・では、これから親子の親睦を深めるとするか?」
父は一人で納得した表情をしていた。
ジブルト、あの小人のお爺さんが鍵を握っているのだろうか?
「親子水入らずで。
彼の仲間達は観客席で観戦してもらいましょう。」
「サブオーレン、お前は見届け人となるが良い。
勝った者に従え。」
父は控えていた副官に声をかける。
「御意。」
副官サブオーレンは簡潔に答えた。
魔王の無双を破壊する。
魔王級の入り口で魔王の副官サブオーレンが出迎える。
見た目はテンプレートのような初老の執事だ。
腰に長剣を下げていることを除けば。
先代勇者と剣を交えて無傷で戻ったという逸話を残している人物だ。
戦うとしたらかなり厄介だ。
「アリス様、お待ちしておりました。
こちらへ。」
サブオーレンから戦意も殺気も感じられない。
「私が来ることが分かっていたの?」
私は聞いた。
「魔王様から伺っております。
そろそろ来る頃だと。」
サブオーレンは平然とそう答えた。
「お父様が?」」
「はい、お連れの方もこちらへ。」
そして私達は謁見の間へ通された。
「久しいな、我が娘よ。
そしてそなたが新しい勇者か。」
私の父、魔王グレバーンの外見は優男の青年にしか見えない。
しかしその目は魅了の魔力を持っている。
例え魔族であったとしても、その目を見てしまえば立ち所に魅了されることだろう。
もちろん魔王種である私には効かないし、勇者にも無効だろう。
他の二人には目を見ないように言ってある。
「用件は・・・魔王を継ぎに来たのだな。
いずれは譲ってやるつもりではあったが、さすがに早すぎる。」
「そこまで分かっていて、すんなり私を通したのですね。
勇者まで連れてきているというのに。」
「分かっていてか・・・。
そうだな、全て姉上の言われていた通りになった。」
アストレイアはいったい父に何を言ったのだろう?
そして言った通りということなら、彼のことも想定内ということになる。
「アストレイア叔母様は、私が彼を殺すことを予言していたのですか?」
「その通りだ。
全て姉上の手の平の上というわけだ。」
「何故?
叔母様は彼の力が必要だから、転生の秘術を使ったのでは無いのですか?」
「余が答えずとも、いずれ分かる時が来る。
そう言っている余自身も、姉上を手にかけたときは全く分かってはいなかったのだがな。
そう、お前にとっては悲しい出来事だったが、全てを知るときが来たら・・・意外に悪くないと考えるかも知れぬ。」
意味が分からない。
彼を殺してしまったのは、私にとって最悪の状況だ。
何かを知ったからといって、それが覆るとは思えない。
「理由は・・・教えていただけないのでしょうね。」
アストレイアが何をしようとしていたのか、元々知っていた情報と彼の仲間達から聞いた情報である程度は分かっている。
しかし目的こそ分かっているけれど、途中経過の意味がさっぱり分からないのだ。
彼の死に何の意味があるのか。
「ああ、いずれ分かるからな。
別にもったいぶっているわけでは無いぞ。
教えられない理由があるのだ。」
「では次にすることは分かっていらっしゃいますか?」
「ああ、闘技場(コロシアム)を貸し切りにしてある。
その前に一つ確認させてくれ。」
「何ですか?」
「ジブルトはお前の所に来たか?」
父は予想外の質問をする。
何故ここでジブルトの話を?
「来ました。」
私は正直に答えた。
「なるほどな。
やはり奴であったか。
・・・では、これから親子の親睦を深めるとするか?」
父は一人で納得した表情をしていた。
ジブルト、あの小人のお爺さんが鍵を握っているのだろうか?
「親子水入らずで。
彼の仲間達は観客席で観戦してもらいましょう。」
「サブオーレン、お前は見届け人となるが良い。
勝った者に従え。」
父は控えていた副官に声をかける。
「御意。」
副官サブオーレンは簡潔に答えた。
魔王の無双を破壊する。
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