魔王の息子に転生したら、いきなり魔王が討伐された

ふぉ

文字の大きさ
181 / 262
7章 次への引き継ぎと暗躍の者達

182 この空間でなにか食うか?

しおりを挟む
 私は魔力感知でグレバーン居場所を探った。
 赤い霧の影響か、魔力が辺りに飛び散っていて感知を妨害している。
 闘技場に遮蔽物は無い。
 姿を消すような場所などそもそも無いのだ。

 いったいどこに・・・。
 私は周囲を警戒する。
 しかし見つからない。

 突然目の前で爆発が発生する。
 かなり強力な爆発だが私の魔法障壁に阻まれ霧散する。
 さらに後方から爆発・・・横からも来ている。
 さすがに障壁の損耗が無視できないレベルになってくる。
 私は永劫の回帰を発動した。

 グレバーンが姿を消した所まで時間を巻き戻した。
 とにかくどうやって姿を消しているのか、その方法を見つけ出さないと話にならない。
 光学迷彩の魔法でも使っているのだろうか?

『アリス姉ちゃん、魔王はこっちの視線の通る場所の空間をつなぎ替えているんだよ。
 自分のいる位置をスキップするように。』

 賢者の杖を通してルディンが呼びかけてくる。

「魔法じゃ無いの?」

『魔法だったら、霧のノイズがあったとしてもさすがに感知できるはずだよ。』

「ユニークスキルは魔力感知が効かないの?」

『魔力を打ち消す神の力がユニークスキルには通じないんだ。
 つまり魔力で出来ているわけでは無いと思う。』

 なるほど、永劫の回帰も魔力を使って発動するものだと思っていたのだけど違ったようだ。
 時間を戻す性質から、今まで自分のユニークスキルが魔力を消費したかどうか確認する術が無かった。
 だから私はユニークスキルが魔力を含むのかどうか知らなかったのだ。

「空間ステルスというわけね。
 原理は分かったけど、攻略法は不明のままね。」

『そうでも無いよ。
 空間のつなぎ合わせを確認すれば良いんだ。
 地の魔法と風の魔法を組み合わせて、色の付いた煙は作れる?』

 色の付いた煙を作るのは造作も無い。
 なるほど、それを撒けば不自然な繋がりが明らかになる。
 しかし私が一人だけだったら、この発想に至ることは無かった。

「あなたはこんな感じで彼にもアドバイスをしていたの?」

『オキス兄ちゃんだったら、もっと凄い攻略法を考えていたと思うよ。
 僕がやったのは魔法のサポートぐらいだよ。』

 彼ならきっと、永劫の回帰のような力が無くてもグレバーンを圧倒したのだろう。
 とにかく決着を付けよう。

『それと常世の支配の欠点はたぶん、同時使用に限界があることだと思う。
 今のところ最大二つ。
 それがブラフである可能性もあるけど、たぶん全面防御は出来ないよ。
 それから液体とか固体なんかの密度の濃いところには使えないみたい。
 それが出来るなら、体の中に直接魔法を放り込んでいるはずだから。』

 こんな短時間にそんなことまで分かるものなの?
 これだけ優秀なルディンが、彼をもっと凄いという。
 彼はどれだけの存在だったのだろう?







 そんな彼ですら無双を続けることは出来なかったのだ。
しおりを挟む
感想 24

あなたにおすすめの小説

荷物持ちの代名詞『カード収納スキル』を極めたら異世界最強の運び屋になりました

夢幻の翼
ファンタジー
使い勝手が悪くて虐げられている『カード収納スキル』をメインスキルとして与えられた転生系主人公の成り上がり物語になります。 スキルがレベルアップする度に出来る事が増えて周りを巻き込んで世の中の発展に貢献します。 ハーレムものではなく正ヒロインとのイチャラブシーンもあるかも。 驚きあり感動ありニヤニヤありの物語、是非一読ください。 ※カクヨムで先行配信をしています。

ブラック企業でポイントを極めた俺、異世界で最強の農民になります

はぶさん
ファンタジー
ブラック企業で心をすり減らし過労死した俺が、異世界で手にしたのは『ポイント』を貯めてあらゆるものと交換できるスキルだった。 「今度こそ、誰にも搾取されないスローライフを送る!」 そう誓い、辺境の村で農業を始めたはずが、飢饉に苦しむ人々を見過ごせない。前世の知識とポイントで交換した現代の調味料で「奇跡のプリン」を生み出し、村を救った功績は、やがて王都の知るところとなる。 これは、ポイント稼ぎに執着する元社畜が、温かい食卓を夢見るうちに、うっかり世界の謎と巨大な悪意に立ち向かってしまう物語。最強農民の異世界改革、ここに開幕! 毎日二話更新できるよう頑張ります!

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

異世界に降り立った刀匠の孫─真打─

リゥル
ファンタジー
 異世界に降り立った刀匠の孫─影打─が読みやすく修正され戻ってきました。ストーリーの続きも連載されます、是非お楽しみに!  主人公、帯刀奏。彼は刀鍛冶の人間国宝である、帯刀響の孫である。  亡くなった祖父の刀を握り泣いていると、突然異世界へと召喚されてしまう。  召喚されたものの、周囲の人々の期待とは裏腹に、彼の能力が期待していたものと違い、かけ離れて脆弱だったことを知る。  そして失敗と罵られ、彼の祖父が打った形見の刀まで侮辱された。  それに怒りを覚えたカナデは、形見の刀を抜刀。  過去に、勇者が使っていたと言われる聖剣に切りかかる。 ――この物語は、冒険や物作り、によって成長していく少年たちを描く物語。  カナデは、人々と触れ合い、世界を知り、祖父を超える一振りを打つことが出来るのだろうか……。

現代知識と木魔法で辺境貴族が成り上がる! ~もふもふ相棒と最強開拓スローライフ~

はぶさん
ファンタジー
木造建築の設計士だった主人公は、不慮の事故で異世界のド貧乏男爵家の次男アークに転生する。「自然と共生する持続可能な生活圏を自らの手で築きたい」という前世の夢を胸に、彼は規格外の「木魔法」と現代知識を駆使して、貧しい村の開拓を始める。 病に倒れた最愛の母を救うため、彼は建築・農業の知識で生活環境を改善し、やがて森で出会ったもふもふの相棒ウルと共に、村を、そして辺境を豊かにしていく。 これは、温かい家族と仲間に支えられ、無自覚なチート能力で無理解な世界を見返していく、一人の青年の最強開拓物語である。 別作品も掲載してます!よかったら応援してください。 おっさん転生、相棒はもふもふ白熊。100均キャンプでスローライフはじめました。

魔力0の貴族次男に転生しましたが、気功スキルで補った魔力で強い魔法を使い無双します

burazu
ファンタジー
事故で命を落とした青年はジュン・ラオールという貴族の次男として生まれ変わるが魔力0という鑑定を受け次男であるにもかかわらず継承権最下位へと降格してしまう。事実上継承権を失ったジュンは騎士団長メイルより剣の指導を受け、剣に気を込める気功スキルを学ぶ。 その気功スキルの才能が開花し、自然界より魔力を吸収し強力な魔法のような力を次から次へと使用し父達を驚愕させる。

幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない

しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。

私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました

放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。 だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。 「彼女は可哀想なんだ」 「この子を跡取りにする」 そして人前で、平然と言い放つ。 ――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」 その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。 「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」

処理中です...