魔王の息子に転生したら、いきなり魔王が討伐された

ふぉ

文字の大きさ
251 / 262
終章 世界の終わりと創世の伝説

252 衝撃にNOと言いたい脳細胞

しおりを挟む
 ジェイエルによって敵の転移装置が破壊された。
 その後はエリッタと配下の部隊、ジェイエル、エリザさんの活躍により、街に転移してきたクルセイダーズは一掃された。

 被害状況として一部プラントや居住区、そして本部施設に被害が出たものの、致命的な状態にはならなかった。
 また、民間人に関しては怪我人は出たものの、避難誘導が完璧に行われたため、現時点で死者の報告は入っていない。

 しかし残念なことに警備部隊から8人戦死者が出てしまった。
 相手の強さや転移攻撃を仕掛けてきたことを考えると、民間人に犠牲を出さず警備部隊は良く戦ってくれた。

 出発準備をしていた戦闘部隊を投入する方法もありはしたけれど、現在彼らに持たせてある武器は強力すぎる。
 もし投入していたら、レイネスの街の半分ぐらいは廃墟になった上、民間人にも死者が出ていただろう。
 
 飛行船は修理中ではあるけれど、一足先に地上部隊が出発した。
 地上部隊の出発も、予定より大幅に遅れてしまっている。
 
 飛行船に関しては、現在テイラン先輩が気球用に開発した魔道具式のエンジンを取り付けている。
 見積もりでは、速度が通常の半分程度しか出ないようだ。
 そして取り付けが完了するまで12時間ほどかかるという。

 計算上では、エンプティモ奪還作戦が始まるまでには間に合わない。
 アリスは持ち堪えることが出来るだろうか?
 作戦を考えているのは間違いなく爺(じい)、アストレイアの腹心だったジブルトだ。
 当然、永劫の回帰の対策も万全だろう。

 僕は一通りの指示を終えた後、通信で各地の情報を収集するのに務めている。
 そして次の一手を考えていた。
 時間が惜しい。
 しかし飛行船の修理が終わらないことにはどうにもならない。

 飛行船に搭乗する部隊は、今のうちに仮眠をとるように指示している。
 人に指示しておいて、僕があくせく動いていたら、リプリアに仮眠室へ強制連行された。
 ベッドの上に横になってはみるものの、目が冴えて眠れない。
 目を瞑って寝転がっているだけでも休息はとれるらしいので、とりあえずはゴロゴロする。

 次にジブルトがどう動くのか、予想は付いている。
 エンプティモは陽動だ。
 すでに帝国の神の遺跡に、神の使徒の息がかかった者が向かっているはず。
 どこにいるか所在が全く掴めないジブルトは、そこにいるのかもしれない。

 当然ギスケも神の遺跡に関しては注意を払って警備を強化しているだろう。
 しかしエンプティモ奪還作戦にも戦力を割いている。
 短時間で落とされるとは思えないけれど、ジブルト相手にどこまで持ち堪えられるのかは予断を許さない。
 
 本当は直接レイネスの部隊を神の遺跡に向かわせるべきなのだろう。
 けれどそれをやったら、かなりの確率でアリスが死ぬ。
 現時点でのプランは、できる限り急いでアリスと合流し、そのまま神の遺跡へ向かうというものだ。

 眠れずに色々考えを巡らせていると、飛行船の修理が初まってから8時間が経過した。
 まだ4時間残っている。
 僕は修理状況を確認するため、仮眠室を出ようとした。
 扉に手をかけ出ようとすると、顔面に衝撃が走り扉の反対方向へ転倒する。

「アグレト、飛行船の修理がって何やってんの?」

 エリッタだった。
 エリッタは勢いよく内向きの扉を開き、そして僕の額にクリーンヒットだ。
 星が見える。

「エリッタ、危ないから扉はゆっくり開いてくれる?」

 僕はズキズキする額をさすりながら言った。
 今ので僕の脳細胞はいくつ死んだんだろう?

「あ、ゴメン。
 えっと、何だったっけ?
 そうそう、飛行船の修理がもうすぐ終わるよ。
 みんな頑張ったおかげで、だいぶ早く仕上がったみたい。」

 エリッタは興奮気味に言った。

「分かった。
 今すぐ行く。」
 
 大幅に時間のロスは発生したけれど、ようやく出発だ。






 お星様無双だ。
しおりを挟む
感想 24

あなたにおすすめの小説

幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない

しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。

[完]本好き元地味令嬢〜婚約破棄に浮かれていたら王太子妃になりました〜

桐生桜月姫
恋愛
 シャーロット侯爵令嬢は地味で大人しいが、勉強・魔法がパーフェクトでいつも1番、それが婚約破棄されるまでの彼女の周りからの評価だった。  だが、婚約破棄されて現れた本来の彼女は輝かんばかりの銀髪にアメジストの瞳を持つ超絶美人な行動過激派だった⁉︎  本が大好きな彼女は婚約破棄後に国立図書館の司書になるがそこで待っていたのは幼馴染である王太子からの溺愛⁉︎ 〜これはシャーロットの婚約破棄から始まる波瀾万丈の人生を綴った物語である〜 夕方6時に毎日予約更新です。 1話あたり超短いです。 毎日ちょこちょこ読みたい人向けです。

本の知識で、らくらく異世界生活? 〜チート過ぎて、逆にヤバい……けど、とっても役に立つ!〜

あーもんど
ファンタジー
異世界でも、本を読みたい! ミレイのそんな願いにより、生まれた“あらゆる文書を閲覧出来るタブレット” ミレイとしては、『小説や漫画が読めればいい』くらいの感覚だったが、思ったよりチートみたいで? 異世界で知り合った仲間達の窮地を救うキッカケになったり、敵の情報が筒抜けになったりと大変優秀。 チートすぎるがゆえの弊害も多少あるものの、それを鑑みても一家に一台はほしい性能だ。 「────さてと、今日は何を読もうかな」 これはマイペースな主人公ミレイが、タブレット片手に異世界の暮らしを謳歌するお話。 ◆小説家になろう様でも、公開中◆ ◆恋愛要素は、ありません◆

結婚前夜に婚約破棄されたけど、おかげでポイントがたまって溺愛されて最高に幸せです❤

凪子
恋愛
私はローラ・クイーンズ、16歳。前世は喪女、現世はクイーンズ公爵家の公爵令嬢です。 幼いころからの婚約者・アレックス様との結婚間近……だったのだけど、従妹のアンナにあの手この手で奪われてしまい、婚約破棄になってしまいました。 でも、大丈夫。私には秘密の『ポイント帳』があるのです! ポイントがたまると、『いいこと』がたくさん起こって……?

【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました

いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。 子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。 「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」 冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。 しかし、マリエールには秘密があった。 ――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。 未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。 「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。 物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立! 数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。 さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。 一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて―― 「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」 これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、 ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー! ※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。

【完結】転生したら断罪イベントの真っ最中。聖女の嘘を暴いたら、王太子が真っ青になりました

丸顔ちゃん。
恋愛
王太子は私――エリシアに婚約破棄を宣言し、 隣では甘ったるい声の“聖女”が「こわかったんですぅ♡」と泣き真似をしている。 だが私は知っている。 原作では、この聖女こそが禁術で王太子の魔力を吸い取り、 私に冤罪を着せて処刑へ追い込んだ張本人だ。 優しい家族を守るためにも、同じ結末は絶対に許さない。 私は転生者としての知識を武器に、 聖女の嘘と禁術の証拠を次々に暴き、 王太子の依存と愚かさを白日の下に晒す。 「婚約は……こちらから願い下げです」 土下座する王太子も、泣き叫ぶ聖女も、もう関係ない。 私は新しい未来を選ぶ。

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜

あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」 貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。 しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった! 失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する! 辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。 これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!

処理中です...