幼馴染は人気グラドル

杏仁豆腐

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ちゅっ。とほっぺにキスされた。
あれ、なんだか顔が熱いぞ。
たかが幼馴染にキスされたぐらいで何で俺こんなに骨抜き状態にされてんだ。


「拓? 大丈夫? 顔赤いけど」
「んだよ、何でもねーよ。それより業者は何時来るんだ?」
「あと一時間後、くらいかな~」
「よし、分かった」


俺は和明……あ、和明ってのは俺のアニオタ友達な。
んでそいつにお願いメールをして愛紀と2人で業者が来るのを待つことにした。
あ、和明からメールが来て『ふざけんなっ! 戦利品了解』という返信メールが来たのは言うまでもない。



業者が来たのは午後2時過ぎだった。
愛紀の服が梱包された段ボールが5つとキャリーバック。
それに小物類の段ボール3つ。
後日用品類の段ボールが2つ。

部屋に置かれた後業者は愛紀が指定した倉庫に向かっていった。
倉庫の鍵を愛紀が持っているので業者に同行。
んで俺も何故か同行中。


「俺が行く意味あんの?」
「黙ってついてくる」
「んだよ、それ」


とまぁ、文句たらたらなふりをして実は愛紀の隣に座っていられることに喜びを感じている俺。
愛紀からは髪の毛から甘い匂いがする。
どんなシャンプー使ったらこんないい匂いになるんだろう。
そ、それに……胸元が……ちょっと空いてるんだよ、な。
ごくり……結構育ったんだなぁ~。
中学ん時の愛紀はぺちゃぺちゃだった気がするぞ。
それが今ではちゃんと形がくっきり……。


「拓? それ以上私の胸見たら一生口きいてあげないんだから」
「あ、ご、ごめん。つい昔の事を思い出して」
「はぁ? 私のおっぱい見て何昔を思い出すとか。マジきもーいっ」
「だってよぉ~。お前中学ん時相当ぺちゃぱ」
「だーー! それ以上言わんでいいっ! 馬鹿拓~」


思いっきり頬と叩かれた。
さっき愛紀がキスしてくれた頬に今度は愛紀の平手打ちが。
同乗していた作業員さんがなんか冷たい視線を俺に送ってるんですけど。
あ、因みに作業員さんは全員女性。
俺たちの話を聞いて自分の胸元を両腕で隠す仕草をされた。


ちょっと傷ついちゃったし……。
俺っち。変態扱いされる覚えないし。
それに人の話を聞くもんじゃないって親に言われたでしょ? 
もう、盗み聞きなんてえっちっ!!

「拓。その辺で妄想止めといた方があんたの身の為よ」
「………あい……」


そうこうしてる間に愛紀の倉庫に到着して残りの荷物をぶち込んで俺のアパートに戻った。
作業員の人たちにお礼を言ったんだけど、なんだか軽蔑な眼差しを浴びせて帰って行ってしまった。違うんです。
僕は、僕は、昔こいつの胸がぺちゃぱいだったことを思い出していただけなんですぅ~!!! 
変態なんかじゃないんですぅ~!!! 
信じてくださーーーい!!



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