悪役令嬢としてレッテルを貼られ婚約破棄された伯爵令嬢は普通に恋愛を愉しみます。

杏仁豆腐

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アリーシャ様との面倒くさい出会いから数日が経過致しました。
特に変わったこともなくわたくしは学園での生活を堪能しておりました。
とはいえ、悪者令嬢としてレッテルを貼られたままの状態は続きアンヌもカムランもわたくしの事を機にして下さっておりました。

当のわたくしはそんな周りの事などお構いなし。
普段通りの生活を送っているのです。


そんなある日でした。
王宮から屋敷に使者が参りました。
お父様が国王から伝令があったのです。
そこに書かれていたのは王太子が幽閉から解き放たれるとのことでした。

明日にも学園に復帰するという者だったのです。
わたくしのそのことを話すお父様は少し不安そうな表情になりました。
別に王太子が出てきたところでわたくしの学園生活は変わらない、そう思っておりました。
しかしお父様は王太子の事は特に気を付けるようわたくしに言ったのです。
わたくしは黙ったまま頷きました。



そして王太子が学園に登校する日が来ました。
わたくしはいつも通り学園に向かう馬車の中で平然とした態度で乗っておりました。
馬車が学園に到着するとわたくしは馬車から降り、学園の門を潜りました。
すると直ぐにわたくしの事を見つけたアンヌとカムランがわたくしの所に来来ました。


「おはようございます。メリーザ」
「おはようございます。アンヌ、カムラン」
「メリーザ、大変な事が起きてますよ。王太子様が学園に来て大騒ぎしています。メリーザの悪口を言いふらしているとか……」


はぁ~………。
またそんなことをしているのですか。
わたくしは肩をなでおろして深く息を吸いそして吐き出しました。
また言いがかりを突きつけられるのでしょうか。
全く懲りない人です、王太子は。

わたくしは学園の中に入って二人を連れて登校すると目の前に王太子が演説している姿を目にしました。
大きな声で周りの貴族の御曹司や令嬢達に対して力説しているのです。
その内容は先程カムランから訊いたわたくしへの恨み節でした。
そして王太子がわたくし事を見つけると人差し指を突き出して言い放ちました。


「メリーザ! よくも私に対して無礼な事をしてくれたなっ。私はお前を絶対に許さんぞ。いつかお前を牢獄へ突き落してやるからな、覚悟しろっ!!」


それだけをわたくしに伝えると踵を返して建物の中へ消えていきました。
その一部始終を聴いていた周りの人たちがざわついてわたくしの事を見つめているのです。
これからどうなるのでしょうか。
またわたくしに対する言われないことを周りに吹き込むおつもりでしょうか。
全く困ったお人です。
わたくしは静かに学園生活を送り、新しい恋愛というモノをしたいだけなのですが……。


「メリーザ、どうするのですか? あれだけ言われてしまったら流石に分が悪いと思うのですが」
「そうですわね。しかしわたくしは何も悪いことをしているわけではありません。堂々としていればいいと思っています。貴女達にはご迷惑をお掛け致しますね。ごめんなさい……」
「メリーザの所為ではないでしょう。それに悪いのは王太子様の方ではないですか。メリーザには何も落ち度はないのですから」
「有難う、アンヌ」
「そうですわ! メリーザ、気にしてはダメですわよ!」
「そうですわね。カムラン」


二人はわたくしの事を心配してくれているようでした。
背中を押してくれたと思ってわたくしは堂々と建物の中へ向かったのです。
しかしその姿を見ていたある人物がいたことをその時のわたくしには全く分かりませんでした。
そう、それがわたくしと彼との新たな出会いだったのです………。



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