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女子高生 三枝文華
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「三枝さん…昨日のあれって…」
人気の無い廊下に私を呼び出した十神は恐る恐る私に尋ねた。私を見つめる瞳が恐怖で揺らいでいる。
「私、血で人を殺せるんですよ。殺したい相手の直筆のフルネームの上に血を付けるだけでね。死んだ彼、十神くんに学級委員を押し付けた人ですよね?他にも彼に虐められていた人沢山居たんですよ。あいつは死ぬべき人間だったんです。まあ…全部私が勝手にやったことだから綺麗に忘れてください」
私がそう吐き捨て踵を返した時、十神が私の手首を掴んだ。
「いや……忘れろって言われても………。三枝さん、こんな呪いみたいな事して…その…罪悪感とかないの?…まあ、今回の事は偶然かもしれないけど」
申し訳なさそうに尋ねる十神。
あぁ、これが本来あるべき姿の『人間』なんだなぁ……。
「別に。法律では私を裁けませんからどうでもいいです。それに……」
言いかけて私は言葉を止める。
こんな事、他人に言えるわけない。
「それに……?」
十神は不思議そうに私の顔を覗き込む。
私は奥歯を噛み締め、顔を上げた。
「私は化物ですから。」
そう。私は普通の人間とは違う。同じにはなれない。それに、いじめをするような卑劣な人間を呪い殺した所で罪悪感など微塵も無い。寧ろそうする事で私は私自身の存在を少しでも受け入れることが出来る気がするのだ。
姉を殺した私自身の存在を……
「呪いだと解釈するも偶然だと解釈するも…あなたに任せます。ただ、この事は他の誰にも言わないで下さい……」
私がそう頼んだ時、チャイムが鳴った。
「…取り敢えず、戻ろっか。」
十神が気まずそうに言った。
教室まで2人並んで廊下を歩く。
「あ、あの、三枝さん…」
「…はい?」
「誰にも言わないからさ…その…もうあんな事しないで欲しい…かな…」
十神のこの言葉に私は答える事が出来なかった。
人気の無い廊下に私を呼び出した十神は恐る恐る私に尋ねた。私を見つめる瞳が恐怖で揺らいでいる。
「私、血で人を殺せるんですよ。殺したい相手の直筆のフルネームの上に血を付けるだけでね。死んだ彼、十神くんに学級委員を押し付けた人ですよね?他にも彼に虐められていた人沢山居たんですよ。あいつは死ぬべき人間だったんです。まあ…全部私が勝手にやったことだから綺麗に忘れてください」
私がそう吐き捨て踵を返した時、十神が私の手首を掴んだ。
「いや……忘れろって言われても………。三枝さん、こんな呪いみたいな事して…その…罪悪感とかないの?…まあ、今回の事は偶然かもしれないけど」
申し訳なさそうに尋ねる十神。
あぁ、これが本来あるべき姿の『人間』なんだなぁ……。
「別に。法律では私を裁けませんからどうでもいいです。それに……」
言いかけて私は言葉を止める。
こんな事、他人に言えるわけない。
「それに……?」
十神は不思議そうに私の顔を覗き込む。
私は奥歯を噛み締め、顔を上げた。
「私は化物ですから。」
そう。私は普通の人間とは違う。同じにはなれない。それに、いじめをするような卑劣な人間を呪い殺した所で罪悪感など微塵も無い。寧ろそうする事で私は私自身の存在を少しでも受け入れることが出来る気がするのだ。
姉を殺した私自身の存在を……
「呪いだと解釈するも偶然だと解釈するも…あなたに任せます。ただ、この事は他の誰にも言わないで下さい……」
私がそう頼んだ時、チャイムが鳴った。
「…取り敢えず、戻ろっか。」
十神が気まずそうに言った。
教室まで2人並んで廊下を歩く。
「あ、あの、三枝さん…」
「…はい?」
「誰にも言わないからさ…その…もうあんな事しないで欲しい…かな…」
十神のこの言葉に私は答える事が出来なかった。
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