神暴き

黒幕横丁

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《悪夢》

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 黒い靄が私の前に対峙する。
「お前は誰だ?」
「お前は私だ」
「違う、私は私だ」
「いや、お前は私だ」
「違う、私は決してお前なんかじゃない」
「違うものか、お前は私を“継いだ”ではないか」
 黒い靄は弾ける。
 そして現れたのは無数の手、手、手。
 その手が私の体に巻きついていく。

 ヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロ。

「私はまだお前にはなりたくない」

 巻きついた手は私の体に焼き付き痕となった。

 アツイアツイアツイアツイアツイアツイアツイアツイ。

「お前は真実を知ってしまった。だからこうなったのだ」
 靄はそう笑った。
「真実は絶対に暴かなければならなかったのだ。それが例え恐ろしい結末を迎えてしまったとしても」
「そしてその結末が、コレか」
 靄はまた弾け、今度は無数の槍となって私の体に突き刺さる。
「ぐっ……」
 私は槍の圧迫感に息を漏らすが、

 決して私の体から血が流れることは無かった。

「さぁ、“こんな体になってしまった”お前は一体どうするのだ?」
 靄は私に問う。
「決まっている。これから先も暴き続けるのみだ」
「ほう、面白い」
 黒い靄はそう言って私の目を隠し、暗闇に放り込んだ。
「では、暴いてみせよ」




「 後 ろ の 正 面 だ ぁ れ ? 」




 後ろを振り向くと、そこには、私が暴いたアイツの姿が現れて私を見て笑っていた。
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