1 / 3
それは大きな大火の中で。
しおりを挟む
目の前には眩しいような熱い様な光景に包まれる。
俺はそんな火事の現場の最中(さなか)にいた。
「おい! 誰かいるか!」
深夜一時。俺は熱い炎の中で叫び声をあげつつ、進んでいく。
ここは俺が住んでいる大学の寮。それが何故こんなに火の海になっているのかは、俺にも分からない。焦げ臭さが気になって起きたら、もう既にこんな感じになっていたのだ。
大学は夏季休暇中なので、実家へ帰省している生徒が殆どなのだが、俺みたいに帰るのが面倒くさいという生徒も少なからずいるハズだ。
もしかしたら、熟睡して火事に気づいてない奴も居るかもしれないので、俺は避難口を探しながら声を出して、他に人間が居ないか確かめながら進んでいく。
しかし、叫びすぎると段々と喉が渇いてくるな。
火事の熱で体が汗でベトベトして気持ち悪い。それと比例して、どんどんと体内の水分が失われていくような気がした。
「誰か!」
「にゃーーーーーー!!!!!!」
俺が叫んでいると、変な叫び声が聞こえた。
しかも、妙に聞き覚えがあるものだ。
「この声は……」
俺は217号室へと向かい、勢いよく扉を蹴破った。すると、
「おれのぉ……努力の結晶がぁぁぁああああ」
テレビの前で号泣している奴の姿が見えた。
「加藤、こんな緊急事態に何しているんだ?」
「田中ぁ! 聞いてくれよ。徹夜して折角ノーセーブ縛りでゲームクリアしようとしてたのに、いきなり停電して、俺の二時間の努力が水の泡に」
ぶわっと涙を流す加藤。そんな奴に俺はため息を漏らす。
「加藤、よく廊下を見てみろ」
「廊下……? えっ! なんで寮が燃えてんの!?」
寮が火の海になっているのを見て、驚愕する加藤。
「この通りだから、停電するのも当たり前だ。こんな場所に留まっていたら危ないからとっとと逃げるぞ?」
「ヤダ」
「は?」
予想外の答えに俺は真顔になってしまう。
「この愛の結晶のゲーム達を捨てて逃げるだなんて、出来ない!」
「そんなの、助かってから買いなおしても遅くないだろ?」
「いいや、ダメだ」
そんな押し問答が始まる。段々と建物の酸素も薄くなってきて息苦しくなっていく、このままでは共倒れだ。
俺は加藤の腕をがっしりと掴んで、部屋から脱出する。
「いいから、逃げるんだ」
「やだー!! 俺の愛人がー!」
加藤が暴れるので離さない様にしながら部屋を出る。
コイツが根っからのゲーマーなのは重々分かってはいるつもりだが、それで命を落としてもらっては元も子もない。
「あれぇ? 田中と加藤じゃん。やっほー」
必死に俺が加藤を引っ張って脱出している中、呑気な声が背後から聞こえた。
其処には寝ぼけ眼の茶髪野郎の姿があった。
「鈴木。お前、実家に帰ったはずじゃなかったのか?」
俺の記憶が確かならば、昨日、コイツは地元へ帰ると俺を含め知り合いに言って廻っていたハズだ。
「いやぁ、面倒くさくなっちゃって、帰るの辞めたんだよ。それで、爆睡してたらこんな時間だし、火事だし、どうしよっかなぁーって彷徨ってたら見慣れた後ろ姿が二人いたからね」
ニコニコとしながら鈴木は語る。
「ちょうどいい。加藤を一緒に連れ出すぞ。手を離したらまた部屋に帰りそうだからね」
「うん、りょーかい」
「はなせー! 俺のセーブデータがー」
まだ暴れる加藤を俺と鈴木で引っ張りながら進んでいく。
「加藤さー、余り暴れると酸素が薄くなって気絶しちゃうよー? 大人しくしなよー」
「やだやだ! 俺はゲームで死ねるなら本望なんだー」
「馬鹿なこと言ってないで、行くぞ」
俺は脱出経路を確保しながら歩いていく。
しかし、なかなか外へ出ることが出来ない。
「寮って、こんなに広かったか……?」
進みながらふと冷静に考えてみる。俺たちの住んでいる寮は三階建てでそれぞれ20部屋くらいしか部屋が存在しないハズだ。
ふと、廊下に見える部屋番号を見る。すると、見えた番号は、
No.258
有りもしない部屋番号が其処にはあった。しかも、下の階へと続く階段らしきものも見えない。
「そういえばさー、田中」
「何だ? 鈴木」
「この寮って、俺たちが入学したときに建てられたばかりの新築だったよね? なんで、付いているスプリンクラーが作動してないんだろ?」
鈴木の一言でハッとする。普通は火事の際にはスプリンクラーが作動するハズだ。なのに、全く作動せずに周囲はゴウゴウと燃えている。
全てにおいて何かがおかしい。
「とりあえず、急いで此処から抜け出さないと。ここは何かが……」
俺がさっさと逃げようとしたその時、
ピシッ。
床に亀裂が入る。火事の熱で建物が耐えられなくなったらしい。
「走るぞ!」
崩落が始まっていく建物から逃げるために、俺と鈴木は加藤を引っ張りながら走る。
しかし、崩落は俺たちの速さよりも早かったらしい。あっという間に、床が抜け、俺たちは下へと落下していく。
三人は綺麗に落ちていく。
落下する方向を見ると、真っ暗で何も見えない。
あー、俺の人生終わりだなぁーとまた上をみると、
火の海がまるで女神のように見えたのだった。
俺はそんな火事の現場の最中(さなか)にいた。
「おい! 誰かいるか!」
深夜一時。俺は熱い炎の中で叫び声をあげつつ、進んでいく。
ここは俺が住んでいる大学の寮。それが何故こんなに火の海になっているのかは、俺にも分からない。焦げ臭さが気になって起きたら、もう既にこんな感じになっていたのだ。
大学は夏季休暇中なので、実家へ帰省している生徒が殆どなのだが、俺みたいに帰るのが面倒くさいという生徒も少なからずいるハズだ。
もしかしたら、熟睡して火事に気づいてない奴も居るかもしれないので、俺は避難口を探しながら声を出して、他に人間が居ないか確かめながら進んでいく。
しかし、叫びすぎると段々と喉が渇いてくるな。
火事の熱で体が汗でベトベトして気持ち悪い。それと比例して、どんどんと体内の水分が失われていくような気がした。
「誰か!」
「にゃーーーーーー!!!!!!」
俺が叫んでいると、変な叫び声が聞こえた。
しかも、妙に聞き覚えがあるものだ。
「この声は……」
俺は217号室へと向かい、勢いよく扉を蹴破った。すると、
「おれのぉ……努力の結晶がぁぁぁああああ」
テレビの前で号泣している奴の姿が見えた。
「加藤、こんな緊急事態に何しているんだ?」
「田中ぁ! 聞いてくれよ。徹夜して折角ノーセーブ縛りでゲームクリアしようとしてたのに、いきなり停電して、俺の二時間の努力が水の泡に」
ぶわっと涙を流す加藤。そんな奴に俺はため息を漏らす。
「加藤、よく廊下を見てみろ」
「廊下……? えっ! なんで寮が燃えてんの!?」
寮が火の海になっているのを見て、驚愕する加藤。
「この通りだから、停電するのも当たり前だ。こんな場所に留まっていたら危ないからとっとと逃げるぞ?」
「ヤダ」
「は?」
予想外の答えに俺は真顔になってしまう。
「この愛の結晶のゲーム達を捨てて逃げるだなんて、出来ない!」
「そんなの、助かってから買いなおしても遅くないだろ?」
「いいや、ダメだ」
そんな押し問答が始まる。段々と建物の酸素も薄くなってきて息苦しくなっていく、このままでは共倒れだ。
俺は加藤の腕をがっしりと掴んで、部屋から脱出する。
「いいから、逃げるんだ」
「やだー!! 俺の愛人がー!」
加藤が暴れるので離さない様にしながら部屋を出る。
コイツが根っからのゲーマーなのは重々分かってはいるつもりだが、それで命を落としてもらっては元も子もない。
「あれぇ? 田中と加藤じゃん。やっほー」
必死に俺が加藤を引っ張って脱出している中、呑気な声が背後から聞こえた。
其処には寝ぼけ眼の茶髪野郎の姿があった。
「鈴木。お前、実家に帰ったはずじゃなかったのか?」
俺の記憶が確かならば、昨日、コイツは地元へ帰ると俺を含め知り合いに言って廻っていたハズだ。
「いやぁ、面倒くさくなっちゃって、帰るの辞めたんだよ。それで、爆睡してたらこんな時間だし、火事だし、どうしよっかなぁーって彷徨ってたら見慣れた後ろ姿が二人いたからね」
ニコニコとしながら鈴木は語る。
「ちょうどいい。加藤を一緒に連れ出すぞ。手を離したらまた部屋に帰りそうだからね」
「うん、りょーかい」
「はなせー! 俺のセーブデータがー」
まだ暴れる加藤を俺と鈴木で引っ張りながら進んでいく。
「加藤さー、余り暴れると酸素が薄くなって気絶しちゃうよー? 大人しくしなよー」
「やだやだ! 俺はゲームで死ねるなら本望なんだー」
「馬鹿なこと言ってないで、行くぞ」
俺は脱出経路を確保しながら歩いていく。
しかし、なかなか外へ出ることが出来ない。
「寮って、こんなに広かったか……?」
進みながらふと冷静に考えてみる。俺たちの住んでいる寮は三階建てでそれぞれ20部屋くらいしか部屋が存在しないハズだ。
ふと、廊下に見える部屋番号を見る。すると、見えた番号は、
No.258
有りもしない部屋番号が其処にはあった。しかも、下の階へと続く階段らしきものも見えない。
「そういえばさー、田中」
「何だ? 鈴木」
「この寮って、俺たちが入学したときに建てられたばかりの新築だったよね? なんで、付いているスプリンクラーが作動してないんだろ?」
鈴木の一言でハッとする。普通は火事の際にはスプリンクラーが作動するハズだ。なのに、全く作動せずに周囲はゴウゴウと燃えている。
全てにおいて何かがおかしい。
「とりあえず、急いで此処から抜け出さないと。ここは何かが……」
俺がさっさと逃げようとしたその時、
ピシッ。
床に亀裂が入る。火事の熱で建物が耐えられなくなったらしい。
「走るぞ!」
崩落が始まっていく建物から逃げるために、俺と鈴木は加藤を引っ張りながら走る。
しかし、崩落は俺たちの速さよりも早かったらしい。あっという間に、床が抜け、俺たちは下へと落下していく。
三人は綺麗に落ちていく。
落下する方向を見ると、真っ暗で何も見えない。
あー、俺の人生終わりだなぁーとまた上をみると、
火の海がまるで女神のように見えたのだった。
0
あなたにおすすめの小説
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
無能だと追放された「雑用係」のハル、現代の知恵(ライフハック)を駆使したら、呪われた魔王城が聖域化して伝説の賢者と呼ばれ始めた
ユネ
ファンタジー
「君のような無能な掃除係は必要ない!」
勇者パーティーからゴミのように捨てられた雑用係のハル。だが彼女には、前世で培った【家事のプロとしてのライフハック】があった。
移り住んだのは、誰もが恐れる『呪われた魔王城』。しかしハルにとっては、ただの「掃除のしがいがある大型物件」に過ぎなかった!
重曹とクエン酸で呪いを浄化し、アルミホイルで魔物を除け、ジャガイモの皮で伝説の鏡を蘇らせる。
魔法より便利な知恵で、お城はいつの間にか世界一快適な聖域に。
一方、ハルを失った勇者たちは、汚部屋と化した拠点と自らの無知に絶望することになり――。
これは、一人の「掃除好き」が知恵と工夫だけで異世界に革命を起こし、最高のスローライフを手に入れるまでの物語。
無能妃候補は辞退したい
水綴(ミツヅリ)
ファンタジー
貴族の嗜み・教養がとにかく身に付かず、社交会にも出してもらえない無能侯爵令嬢メイヴィス・ラングラーは、死んだ姉の代わりに15歳で王太子妃候補として王宮へ迎え入れられる。
しかし王太子サイラスには周囲から正妃最有力候補と囁かれる公爵令嬢クリスタがおり、王太子妃候補とは名ばかりの茶番レース。
帰る場所のないメイヴィスは、サイラスとクリスタが正式に婚約を発表する3年後までひっそりと王宮で過ごすことに。
誰もが不出来な自分を見下す中、誰とも関わりたくないメイヴィスはサイラスとも他の王太子妃候補たちとも距離を取るが……。
果たしてメイヴィスは王宮を出られるのか?
誰にも愛されないひとりぼっちの無気力令嬢が愛を得るまでの話。
この作品は「小説家になろう」「カクヨム」にも掲載しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる