幻影の讃美歌

第四章

〜９つの魂を司るベリアル⑦〜

ガサガサっ！！！ガサガサっ！！！
チュウっ！！！チュウっ！！！チュウっ！！！
ガサガサっ！！！
チュウっ！！！
チュウっ！！！チュウっ！！！
大軍勢が一気にざわめきだし、鋭い前歯をギシギシと噛み鳴らし始めた。

ギシギシっ！！！ギシギシギシっ！！！っ！！！

「🖤・・ガルルルゥ・・先手を撃つっ！！！っ！！」

バシュッッッッ！！！！！！

頭上高く舞い上がり、セイラの口が大きく開いた。

「🖤これでも喰らって、おとなしく寝ていろっ！」

キュイーンッッッ！！！！！！！！

セイラは、残り僅かの魔素を口内に集めた。

《🖤・・・・ガルルル・・くそっ！魔素が少なすぎる・・微力の上に・・この一撃で完全に魔素は、消える・・っ！！！
だが・・残された力で今出来る攻撃っ！！！》

バボフッッッッッッ！！！！！！！！！！

ネズミの大群に、セイラの魔弾が炸裂。

「チュウ！！！こんなヘナチョコ！っ！！！」

バキバキッ！！！

シューーーーンッッッッッ！！！・・・・！！！

「🖤・・くっっ！？！！！？」

立ち込めていた煙と共に、セイラの放った魔弾がネズミ達の結界に吸収された。

「チュウ！っ！！！我々に攻撃するなんて、失礼にも程があるっ！！！」

「チュウ！それにしても、あんなヘナチョコ～♪笑っちゃうっ！！！チュウ♪チュウ♪♪」

「見て見て～っ！！魔素切れ～♪チュウ！♪」

「ざまぁ～ないなっ♪チュウ！♪」

「🖤・・・・あんた達・・許さ・・な・・」

ドサッっ！！！

完全に魔素を使い果たし、セイラはその場に倒れこんだ。

「チュウ♪魔素切れで、元の姿に戻ったみたいだよ！？」

「いいきみだよっ！！！チュウ！♪」

「うるさい奴一匹は、当分動けないねっ♪
今の内に、一番生意気だった奴の《ネーム》を回収しに行こうよっ！！！チュウ！♪」

「チュウ！♪！いいねっ！！！」

「賛成～チュウ！♪」

「残りの皆は、うるさい奴三人を、それぞれ相手にしてるから、我々は先に一番生意気な奴の《ネーム》を回収しに向かおうよっ！！！
ねっ！！？今の内にっ！！！チュウ！♪」

「賛成～チュウ！♪」

「よしっ！！！行くよ～っ！！！チュウ！♪」

「うるさい奴ら三人に、気付かれないように・・♪皆っ！静かに走るよっ！！！いいねっ！？行くよっ！チュウ♪」

カサカサ・・カサカサカサカサっ！！！・・・・

「🖤・・ハァハァハァハァ・・・待ちなさいよ・・あんた達・・！！ハァハァハァハァ・・」

「チュウ！♪待つもんかっ！！べ～～だっ！！」

カサカサカサカサっ！！！！！

《🖤くっ・・あいつら・・ハァハァ・・ルシファー様の所へ行く気ね・・。
ハァハァハァハァ・・こんな時に魔素も残ってないなんて・・ダミアン様に・・性質会話も出来ないわ・・・こ、このままじゃあ・・ルシファー様が・・・あ、危ない。
・・ハァハァ・・それに・・《ネーム》って・・
一体・・・？・・」

ガクッ・・

完全に意識を失ったセイラ。
ダミアン達に性質会話も出来ず、一人その場に残された。

一方、ミーミルとハデスは共に合流し、ネズミの大群と対峙している。
共に合流する作戦を提示したのは、ミーミル。
ハデスを追ってくるネズミを、一塊にまとめ叩くという作戦であった。

「くっ！！ワラワラと沸いて出てくるぞっ！！！」

「しかしハデスっ！？剣で凪払うしか今の所、戦う術がないのも事実っ！！！くっっ！！！」

「こんな時に、なに冷静な事言ってんだよっ！！！」

ブワァサァっ！！！     ブゥオンっ！！！

ブゥオンっ！！！      ブワァサっ！！！