いつまでもここにいて 改訂版

ゆまは なお

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 もうパニックも極まっていて、気を失いそうになるがそんな場合じゃない。
 大きな手が恐怖に縮こまった性器を掴み、なにか確かめるように握られた。
「やめろ、バカ! 男相手に何してんだよっ」
 この男はここで碧馬を凌辱するつもりなのだと悟って、碧馬は本気で怒鳴った。
「※※※※、※※※※※※※※」
 そこへ声がかかった。
 驚いて見上げると、さっきのリュックを持った人間の男がいた。
 一体、これは何なんだ。
「※※、※※※」
「※※※、※※※※※」
 さっきは熊だったが、こちらも人になっているのだ。
 男に組み敷かれた碧馬を見てにやにやと楽しげな笑顔を見せる。思わず逃れようと暴れた。すると男はつかつかと寄ってくると、碧馬の頬をいきなり張った。
「嫌だっ、離せって」
 伸びてくる手から逃れようと碧馬は必死に暴れた。
 でも無理な話だ。
 すでにマウントを取られて大きな男二人を相手に逃げ出せるわけはなかった。どれだけ叫んでも助けなんか来るはずはない。
 ここはどこか違う世界だ。碧馬が生れ育った場所ではない、まったく未知の。
 パニックになりながらもそれだけは理解した。
 男の手や舌が体中を這いまわり、悔しさと憤りで涙があふれた。
 足を抱えあげられて大きく開かれ、碧馬は「嫌だーーーーーーっ」と絶叫した。うるさいとばかりにまた頬を殴られ、ぐったりしたとき、急に声がした。
「そこで何を騒いでいる?」
 落ち着いた低い声だった。
 碧馬を嬲っていた男たちが動きを止めた。
 体を起こして何か説明している。
 男にさえぎられて、声の主の姿は見えない。
 え、待って。いま日本語だった?
「迷い子を無理やり連れ去るのは禁止されているはずだな? その子はどこの部族だ?」
「※※※、※※※※※、※※」
 二人が代わる代わる何か話しているが、碧馬は必死に身をよじって体を起こして叫んだ。
「俺、こいつらに無理やり乱暴されたんですっ」
 ちっと舌打ちした男がまた頬を叩こうとしたが、さっと伸びてきた手がそれを阻んだ。
「もうやめろ。これ以上やったら俺がお前たちを拘束する」
「※※、※※※! ※※※※※※、※※※※※」
「この子は嫌がっている。お前たちの処分は後で沙汰があるだろう」
 男二人はしぶしぶ碧馬から身をひいた。
 手の主の全身が目に入って、碧馬は今度こそ気を失いそうになる。
 そこには不思議な生き物がいた。
 下半身は馬で、上半身は人だった。この姿は知っている。絵本や映画の中に出てきた。だけど伝説の生き物だ。ファンタジーの物語には存在するが、現実にはいないはずの生き物だ。
 ケンタウルス、そう神話の中で呼ばれている。
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