4 / 28
1-4
しおりを挟む
もうパニックも極まっていて、気を失いそうになるがそんな場合じゃない。
大きな手が恐怖に縮こまった性器を掴み、なにか確かめるように握られた。
「やめろ、バカ! 男相手に何してんだよっ」
この男はここで碧馬を凌辱するつもりなのだと悟って、碧馬は本気で怒鳴った。
「※※※※、※※※※※※※※」
そこへ声がかかった。
驚いて見上げると、さっきのリュックを持った人間の男がいた。
一体、これは何なんだ。
「※※、※※※」
「※※※、※※※※※」
さっきは熊だったが、こちらも人になっているのだ。
男に組み敷かれた碧馬を見てにやにやと楽しげな笑顔を見せる。思わず逃れようと暴れた。すると男はつかつかと寄ってくると、碧馬の頬をいきなり張った。
「嫌だっ、離せって」
伸びてくる手から逃れようと碧馬は必死に暴れた。
でも無理な話だ。
すでにマウントを取られて大きな男二人を相手に逃げ出せるわけはなかった。どれだけ叫んでも助けなんか来るはずはない。
ここはどこか違う世界だ。碧馬が生れ育った場所ではない、まったく未知の。
パニックになりながらもそれだけは理解した。
男の手や舌が体中を這いまわり、悔しさと憤りで涙があふれた。
足を抱えあげられて大きく開かれ、碧馬は「嫌だーーーーーーっ」と絶叫した。うるさいとばかりにまた頬を殴られ、ぐったりしたとき、急に声がした。
「そこで何を騒いでいる?」
落ち着いた低い声だった。
碧馬を嬲っていた男たちが動きを止めた。
体を起こして何か説明している。
男にさえぎられて、声の主の姿は見えない。
え、待って。いま日本語だった?
「迷い子を無理やり連れ去るのは禁止されているはずだな? その子はどこの部族だ?」
「※※※、※※※※※、※※」
二人が代わる代わる何か話しているが、碧馬は必死に身をよじって体を起こして叫んだ。
「俺、こいつらに無理やり乱暴されたんですっ」
ちっと舌打ちした男がまた頬を叩こうとしたが、さっと伸びてきた手がそれを阻んだ。
「もうやめろ。これ以上やったら俺がお前たちを拘束する」
「※※、※※※! ※※※※※※、※※※※※」
「この子は嫌がっている。お前たちの処分は後で沙汰があるだろう」
男二人はしぶしぶ碧馬から身をひいた。
手の主の全身が目に入って、碧馬は今度こそ気を失いそうになる。
そこには不思議な生き物がいた。
下半身は馬で、上半身は人だった。この姿は知っている。絵本や映画の中に出てきた。だけど伝説の生き物だ。ファンタジーの物語には存在するが、現実にはいないはずの生き物だ。
ケンタウルス、そう神話の中で呼ばれている。
大きな手が恐怖に縮こまった性器を掴み、なにか確かめるように握られた。
「やめろ、バカ! 男相手に何してんだよっ」
この男はここで碧馬を凌辱するつもりなのだと悟って、碧馬は本気で怒鳴った。
「※※※※、※※※※※※※※」
そこへ声がかかった。
驚いて見上げると、さっきのリュックを持った人間の男がいた。
一体、これは何なんだ。
「※※、※※※」
「※※※、※※※※※」
さっきは熊だったが、こちらも人になっているのだ。
男に組み敷かれた碧馬を見てにやにやと楽しげな笑顔を見せる。思わず逃れようと暴れた。すると男はつかつかと寄ってくると、碧馬の頬をいきなり張った。
「嫌だっ、離せって」
伸びてくる手から逃れようと碧馬は必死に暴れた。
でも無理な話だ。
すでにマウントを取られて大きな男二人を相手に逃げ出せるわけはなかった。どれだけ叫んでも助けなんか来るはずはない。
ここはどこか違う世界だ。碧馬が生れ育った場所ではない、まったく未知の。
パニックになりながらもそれだけは理解した。
男の手や舌が体中を這いまわり、悔しさと憤りで涙があふれた。
足を抱えあげられて大きく開かれ、碧馬は「嫌だーーーーーーっ」と絶叫した。うるさいとばかりにまた頬を殴られ、ぐったりしたとき、急に声がした。
「そこで何を騒いでいる?」
落ち着いた低い声だった。
碧馬を嬲っていた男たちが動きを止めた。
体を起こして何か説明している。
男にさえぎられて、声の主の姿は見えない。
え、待って。いま日本語だった?
「迷い子を無理やり連れ去るのは禁止されているはずだな? その子はどこの部族だ?」
「※※※、※※※※※、※※」
二人が代わる代わる何か話しているが、碧馬は必死に身をよじって体を起こして叫んだ。
「俺、こいつらに無理やり乱暴されたんですっ」
ちっと舌打ちした男がまた頬を叩こうとしたが、さっと伸びてきた手がそれを阻んだ。
「もうやめろ。これ以上やったら俺がお前たちを拘束する」
「※※、※※※! ※※※※※※、※※※※※」
「この子は嫌がっている。お前たちの処分は後で沙汰があるだろう」
男二人はしぶしぶ碧馬から身をひいた。
手の主の全身が目に入って、碧馬は今度こそ気を失いそうになる。
そこには不思議な生き物がいた。
下半身は馬で、上半身は人だった。この姿は知っている。絵本や映画の中に出てきた。だけど伝説の生き物だ。ファンタジーの物語には存在するが、現実にはいないはずの生き物だ。
ケンタウルス、そう神話の中で呼ばれている。
10
あなたにおすすめの小説
番に見つからない街で、子供を育てている
はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。
異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。
現世の記憶は失われているが、
この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。
街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、
ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。
だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。
再会は望まない。
今はただ、この子との生活を守りたい。
これは、番から逃げたオメガが、
選び直すまでの物語。
*本編完結しました
「出来損ない」オメガと幼馴染の王弟アルファの、発情初夜
鳥羽ミワ
BL
ウィリアムは王族の傍系に当たる貴族の長男で、オメガ。発情期が二十歳を過ぎても来ないことから、家族からは「欠陥品」の烙印を押されている。
そんなウィリアムは、政略結婚の駒として国内の有力貴族へ嫁ぐことが決まっていた。しかしその予定が一転し、幼馴染で王弟であるセドリックとの結婚が決まる。
あれよあれよと結婚式当日になり、戸惑いながらも結婚を誓うウィリアムに、セドリックは優しいキスをして……。
そして迎えた初夜。わけもわからず悲しくなって泣くウィリアムを、セドリックはたくましい力で抱きしめる。
「お前がずっと、好きだ」
甘い言葉に、これまで熱を知らなかったウィリアムの身体が潤み、火照りはじめる。
※ムーンライトノベルズ、アルファポリス、pixivへ掲載しています
学内一のイケメンアルファとグループワークで一緒になったら溺愛されて嫁認定されました
こたま
BL
大学生の大野夏樹(なつき)は無自覚可愛い系オメガである。最近流行りのアクティブラーニング型講義でランダムに組まされたグループワーク。学内一のイケメンで優良物件と有名なアルファの金沢颯介(そうすけ)と一緒のグループになったら…。アルファ×オメガの溺愛BLです。
沈黙のΩ、冷血宰相に拾われて溺愛されました
ホワイトヴァイス
BL
声を奪われ、競売にかけられたΩ《オメガ》――ノア。
落札したのは、冷血と呼ばれる宰相アルマン・ヴァルナティス。
“番契約”を偽装した取引から始まったふたりの関係は、
やがて国を揺るがす“真実”へとつながっていく。
喋れぬΩと、血を信じない宰相。
ただの契約だったはずの絆が、
互いの傷と孤独を少しずつ融かしていく。
だが、王都の夜に潜む副宰相ルシアンの影が、
彼らの「嘘」を暴こうとしていた――。
沈黙が祈りに変わるとき、
血の支配が終わりを告げ、
“番”の意味が書き換えられる。
冷血宰相×沈黙のΩ、
偽りの契約から始まる救済と革命の物語。
愛を知らない少年たちの番物語。
あゆみん
BL
親から愛されることなく育った不憫な三兄弟が異世界で番に待ち焦がれた獣たちから愛を注がれ、一途な愛に戸惑いながらも幸せになる物語。
*触れ合いシーンは★マークをつけます。
完結·助けた犬は騎士団長でした
禅
BL
母を亡くしたクレムは王都を見下ろす丘の森に一人で暮らしていた。
ある日、森の中で傷を負った犬を見つけて介抱する。犬との生活は穏やかで温かく、クレムの孤独を癒していった。
しかし、犬は突然いなくなり、ふたたび孤独な日々に寂しさを覚えていると、城から迎えが現れた。
強引に連れて行かれた王城でクレムの出生の秘密が明かされ……
※完結まで毎日投稿します
竜帝陛下の愛が重すぎて身代わりの落ちこぼれ薬師は今日も腰が砕けそうです 〜呪いを解いたら一生離さないと宣言されました〜
レイ
BL
「死ぬ覚悟はできています。でも、その前に……お口、あーんしてください」
魔力を持たない「無能」として実家で虐げられていた薬師のエリアン。
彼に下されたのは、触れるものすべてを焼き尽くす「死の竜帝」ヴァレリウスへの、身代わりの婚姻だった。
人気者の幼馴染が俺の番
蒸しケーキ
BL
佐伯淳太は、中学生の時、自分がオメガだと判明するが、ある日幼馴染である成瀬恭弥はオメガが苦手という事実を耳にしてしまう。そこから淳太は恭弥と距離を置き始めるが、実は恭弥は淳太のことがずっと好きで、、、
※「二人で過ごす発情期の話」の二人が高校生のときのお話です。どちらから読んでも問題なくお読みいただけます。二人のことが書きたくなったのでだらだらと書いていきます。お付き合い頂けましたら幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる