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日々は穏やかに過ぎて行った。
といっても最初の数日は、落ち着かない状態だった。異世界人が来たと言う噂を聞いて、わざわざ碧馬に会いに来る者がけっこういたのだ。
その数日間、リュカは碧馬の側に居てずっと通訳してくれた。
「会ってみたかった」というたわいもない理由でやってきた人々は、碧馬を見たら満足らしかった。
ほんの一言二言会話して、驚いたり感心したり励まされたりした。
中には色々と話しかけようとする者もいたが、側にいるリュカが碧馬の髪を撫でると驚いた顔になった。異世界人だから触ったら噛みつくとでも思われているんだろうか。
リュカは碧馬を子供扱いしているらしく、何度もくしゃくしゃと髪を撫でてくる。ガルダはその様子を見て、ニヤニヤ笑っているだけだ。
でも大きな手で触れられるのは嫌じゃなかった。
リュカの手は不思議と碧馬を安心させる。
もっとも数日で獣人たちが押し掛けることはなくなり、自警団には落ち着いた日々が戻ってきた。
碧馬は掃除や食堂の手伝い、畑や馬の世話などを任され、その合間に文字や習慣を教えてもらい、徐々にこちらの生活になじんでいった。
食堂や事務所で顔見知りになって、碧馬に色々と話しかけてくれる者も徐々に増え、そうするとますます会話も上達した。
自警団には森で起こる様々な事件や相談事が持ち込まれ、団員たちはいつも忙しい。
彼らを見ていて、ここが森の警備隊や相談所や地域の集会所などを兼ねたような場所だと碧馬は理解した。
いわば警察や自衛隊や自治会が一まとめになった感じだ。
だから毎日たくさんの者が出入りして、細々した雑用は多い。もともと明るく前向きで人の役に立つことが嬉しいという性格の碧馬は、そういった雑用をあれこれ頼まれても全く苦痛ではなかった。
リュカはこの自警団の副団長で、毎日、碧馬の様子を見に来た。
昼間は森の見回りやあちこちの集会などに出かけていないこともあるが、朝夕は必ず本部に寄って声を掛けてくれる。
それがとても励みになっていた。たった一人、不自由なく意思疎通ができる相手だから、顔を見るとほっとしたし、たくさん話をした。
リュカは新しい言葉や習慣を覚えるたびに碧馬を褒めて、いつも励ましてくれる。
「アオバはすごいな。もうここに出入りする者たちをほとんど覚えているんだな」
「記憶力はけっこういいんだ」
「食堂でも料理を出す手際がいいと言っていたし」
「本当? だったらよかった」
「とても頑張ってるんだな。でもしんどい時は休んでもいいんだぞ」
リュカは毎日動き回っている碧馬を気遣ってくれるが、碧馬としてはそのほうがよかった。むしろやることがなくなるほうが怖い気もした。
ここで役に立たなかったら、追い出されはしなくても居場所がないような気持になりそうで不安だった。
「ううん、俺、ここで仕事するの楽しいよ」
「それないいが、無理はしないでくれ」
「うん。リュカありがとう」
あの時、リュカに助けてもらえて本当にラッキーだったと碧馬は本気で感謝していた。おかげでここに住めて、何とかやっていけているのだ。
といっても最初の数日は、落ち着かない状態だった。異世界人が来たと言う噂を聞いて、わざわざ碧馬に会いに来る者がけっこういたのだ。
その数日間、リュカは碧馬の側に居てずっと通訳してくれた。
「会ってみたかった」というたわいもない理由でやってきた人々は、碧馬を見たら満足らしかった。
ほんの一言二言会話して、驚いたり感心したり励まされたりした。
中には色々と話しかけようとする者もいたが、側にいるリュカが碧馬の髪を撫でると驚いた顔になった。異世界人だから触ったら噛みつくとでも思われているんだろうか。
リュカは碧馬を子供扱いしているらしく、何度もくしゃくしゃと髪を撫でてくる。ガルダはその様子を見て、ニヤニヤ笑っているだけだ。
でも大きな手で触れられるのは嫌じゃなかった。
リュカの手は不思議と碧馬を安心させる。
もっとも数日で獣人たちが押し掛けることはなくなり、自警団には落ち着いた日々が戻ってきた。
碧馬は掃除や食堂の手伝い、畑や馬の世話などを任され、その合間に文字や習慣を教えてもらい、徐々にこちらの生活になじんでいった。
食堂や事務所で顔見知りになって、碧馬に色々と話しかけてくれる者も徐々に増え、そうするとますます会話も上達した。
自警団には森で起こる様々な事件や相談事が持ち込まれ、団員たちはいつも忙しい。
彼らを見ていて、ここが森の警備隊や相談所や地域の集会所などを兼ねたような場所だと碧馬は理解した。
いわば警察や自衛隊や自治会が一まとめになった感じだ。
だから毎日たくさんの者が出入りして、細々した雑用は多い。もともと明るく前向きで人の役に立つことが嬉しいという性格の碧馬は、そういった雑用をあれこれ頼まれても全く苦痛ではなかった。
リュカはこの自警団の副団長で、毎日、碧馬の様子を見に来た。
昼間は森の見回りやあちこちの集会などに出かけていないこともあるが、朝夕は必ず本部に寄って声を掛けてくれる。
それがとても励みになっていた。たった一人、不自由なく意思疎通ができる相手だから、顔を見るとほっとしたし、たくさん話をした。
リュカは新しい言葉や習慣を覚えるたびに碧馬を褒めて、いつも励ましてくれる。
「アオバはすごいな。もうここに出入りする者たちをほとんど覚えているんだな」
「記憶力はけっこういいんだ」
「食堂でも料理を出す手際がいいと言っていたし」
「本当? だったらよかった」
「とても頑張ってるんだな。でもしんどい時は休んでもいいんだぞ」
リュカは毎日動き回っている碧馬を気遣ってくれるが、碧馬としてはそのほうがよかった。むしろやることがなくなるほうが怖い気もした。
ここで役に立たなかったら、追い出されはしなくても居場所がないような気持になりそうで不安だった。
「ううん、俺、ここで仕事するの楽しいよ」
「それないいが、無理はしないでくれ」
「うん。リュカありがとう」
あの時、リュカに助けてもらえて本当にラッキーだったと碧馬は本気で感謝していた。おかげでここに住めて、何とかやっていけているのだ。
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