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最期のログイン
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今、自分は右手にマウスを左手をキーボードの上に乗せている。
友達と自分の一番好きなゲームをして盛り上がっている。、、、、、、、、、少し硬めの病室のベッドの上で。語らい、手に汗を握らせて、仮想の戦いに今の全身全霊を込めて。その一撃にその瞬間にすべてを込めて。そうでないと終わってしまうように思えるから―――――否、終わってしまうから。自分は明日、死んでしまう。今の時代では治らない病気で今の時代ではもう間に合わなくて。だから最期にゲームをさせてくれと担当の医師に頼んだ。家族には他の人には命日を言わないでくれと頼んだ。だから今ボイスチャットを繋いでいる親友2人はこのことを知らない。最近ログインできていなかったことを忙しかったからという理由で済ませて何も知らない親友といつものようにゲームがしたくて。
もし、これを読んでいる人の中で、友人と縁を切ろうとか、彼氏彼女と別れようと思っている人がいるのなら、今一度考えなおして欲しいと思う。友達は、そう簡単に手に入らないし見つけられないのだから。
自分は小学5年生まで、友達というものがわからなかった。同じ経験をしている人もいるかもしれない。4年生までは大きな集団についていくだけの人間だった。たまに話に割り込んで、すぐに引っ込むだけの。今思えばよくもそんなことができたと本当にそう思う。
だから、わからなかった。暇をつぶすだけの道具とかそんな事を思っていたのかもしれない。
でもそれは5年生の時に変わった。たまたま好きなゲームの話をしていた。相手は、簡単に言うとただの知り合い程度、だったかもしれない。トイレで会えば少しからかいあうそんな上辺だけの関係。それがあの日変わるなど思ってもみなかった。好きなゲームが一緒でその日自分の家でゲームをすることなった。なぜだか、ワクワクしていた。いつもとは違う何かを感じていた。下校の時間になって下校をして、帰り道でたまたま少し話しただけのまたまた上辺だけの関係の人間を見つけて、話しかけた。いつもなら絶対にしていなかった。
話して、相手も同じゲームが好きで。遊ぶ予定のことを話して、俺も行ってもいいかと聞かれて。同意して。それがキッカケだった。その日、すごく楽しかった。それは本質的な意味であり。本当の意味であり。心から楽しかった。集団といるときなんかより、数倍も数億倍も。友達というものをその日やっとわかった気がした。それからは毎日のように一緒に遊んで話して、ゲームをした。一緒だと、何もかもが楽しくて。何もかもが嬉しくて。
それが今一緒に最期のゲームをしている親友だ。2人とも大切な親友。だから悲しませたくなかった。だから言わなかった。
このログインが最期になることを。そしてもうすぐこのマウスも握れなくなることも。
だから、簡単に縁を切るとか別れるとか言わないでほしい。自分もやっと見つけた親友を失いたくなかったから。失いたくないから。よく考えてよく思いなおしてからに、してほしい。
手遅れに、間に合わなく、なる、前に。
目の前に敵がいる、剣を振るためにクリックを。指先に、力を込めて、、、、、、、
ログに、あるプレイヤーが、別のプレイヤーを倒した証拠が文章として流れる。
世界に、ある一人の人間がその生命活動を停止したことを示せず、散る。
時間は有限。だからこそまだ、間に合うから。
友達と自分の一番好きなゲームをして盛り上がっている。、、、、、、、、、少し硬めの病室のベッドの上で。語らい、手に汗を握らせて、仮想の戦いに今の全身全霊を込めて。その一撃にその瞬間にすべてを込めて。そうでないと終わってしまうように思えるから―――――否、終わってしまうから。自分は明日、死んでしまう。今の時代では治らない病気で今の時代ではもう間に合わなくて。だから最期にゲームをさせてくれと担当の医師に頼んだ。家族には他の人には命日を言わないでくれと頼んだ。だから今ボイスチャットを繋いでいる親友2人はこのことを知らない。最近ログインできていなかったことを忙しかったからという理由で済ませて何も知らない親友といつものようにゲームがしたくて。
もし、これを読んでいる人の中で、友人と縁を切ろうとか、彼氏彼女と別れようと思っている人がいるのなら、今一度考えなおして欲しいと思う。友達は、そう簡単に手に入らないし見つけられないのだから。
自分は小学5年生まで、友達というものがわからなかった。同じ経験をしている人もいるかもしれない。4年生までは大きな集団についていくだけの人間だった。たまに話に割り込んで、すぐに引っ込むだけの。今思えばよくもそんなことができたと本当にそう思う。
だから、わからなかった。暇をつぶすだけの道具とかそんな事を思っていたのかもしれない。
でもそれは5年生の時に変わった。たまたま好きなゲームの話をしていた。相手は、簡単に言うとただの知り合い程度、だったかもしれない。トイレで会えば少しからかいあうそんな上辺だけの関係。それがあの日変わるなど思ってもみなかった。好きなゲームが一緒でその日自分の家でゲームをすることなった。なぜだか、ワクワクしていた。いつもとは違う何かを感じていた。下校の時間になって下校をして、帰り道でたまたま少し話しただけのまたまた上辺だけの関係の人間を見つけて、話しかけた。いつもなら絶対にしていなかった。
話して、相手も同じゲームが好きで。遊ぶ予定のことを話して、俺も行ってもいいかと聞かれて。同意して。それがキッカケだった。その日、すごく楽しかった。それは本質的な意味であり。本当の意味であり。心から楽しかった。集団といるときなんかより、数倍も数億倍も。友達というものをその日やっとわかった気がした。それからは毎日のように一緒に遊んで話して、ゲームをした。一緒だと、何もかもが楽しくて。何もかもが嬉しくて。
それが今一緒に最期のゲームをしている親友だ。2人とも大切な親友。だから悲しませたくなかった。だから言わなかった。
このログインが最期になることを。そしてもうすぐこのマウスも握れなくなることも。
だから、簡単に縁を切るとか別れるとか言わないでほしい。自分もやっと見つけた親友を失いたくなかったから。失いたくないから。よく考えてよく思いなおしてからに、してほしい。
手遅れに、間に合わなく、なる、前に。
目の前に敵がいる、剣を振るためにクリックを。指先に、力を込めて、、、、、、、
ログに、あるプレイヤーが、別のプレイヤーを倒した証拠が文章として流れる。
世界に、ある一人の人間がその生命活動を停止したことを示せず、散る。
時間は有限。だからこそまだ、間に合うから。
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