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第10話 五色の短冊~七夕にて
4. 肝だめし
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「肝だめしっ、レクリエーションって肝だめしだったの!?……で、宿の傍の林でやるって?」
私は驚いて声を上げた。思い返せば、実行委員たちの荷物が妙に多かった。でも、正直なところ、私は怖いものは得意ではない。それでも、勇気を振り絞って後ろに付いてきたクラスメートの二人に言った。
「いいじゃないのよ。ゆうちゃんには村田がついてるし。ほらっ、うまくすれば、暗闇でいつもより接近できたりして♪」
そう茶化したものの、肝だめしのスタート地点に立った瞬間、その言葉をすぐに後悔した。その上、
「ちょっと待て、待てっ! 俺は肝だめしなんてご免だからな! 怖いのは嫌いだ!絶対に行かないぞ!」
村田が声を震わせながら、腰を引いて叫ぶ。
「私も怖いのは苦手~!」
ゆうちゃんもそんな調子だ。
私だって同じだ。入り口で思わず後ずさった。林の中は昼間でも薄暗く、冷たい風が奥の方から吹いてくる。
「な、何よ、二人とも情けないなぁ」
私はから元気でそう言いながら、ゆうちゃんに視線を向けた。
「美夏ちゃん、怖くないの?」
「だって、お化けが出たって、どうせクラスメートじゃない」
けれど、本当は私も、心臓がバクバクしていた。
葉擦れの音すら、まるで誰かのささやきのように聞こえる。
先を歩く笹原は、飄々とした様子で振り返ることもなく、まるで散歩にでも出かけるかのようだった。
「行かないぞ、俺たちは!」
再び村田が叫んだ、そのとき――。
ガサッ、と音を立てて、目の前の笹が揺れた。
「うわっ、もう、出たぁ!」
悲鳴にも似た声が響く。と、そこに現れたのは……
「そんなに驚かないでおくれよ。イベントの様子を見に来ただけなんだから」
杖をついたオーナーだった。白髪に薄い笑みを浮かべて、ゆっくりと近づいてくる。風にそよぐ笹の葉音が、ますます不気味さを際立たせる。
「もうっ、オーナー、驚かさないで下さいよ……!」
私たちは胸を撫で下ろした。オーナーは恥ずかしそうに頭をかきながら、
「毎年、ここでレクリエーションする生徒たちを見ていたもんだから、懐かしくてね。また来てしまった」と微笑んだ。
「せっかく他のクラスメートたちが準備してくれたんだから、行ってあげなきゃ」
そう優しく言われ、私たちは気持ちを奮い立たせる。林の中へと一歩踏み出すと、湿った土の匂いが鼻をくすぐった。暗がりに揺れる影が、ひときわ不気味に思えた。
それでも、オーナーのあたたかい笑顔を胸に、私たちはそろりそろりと、薄暗い林の中へと歩み出していった。
私は驚いて声を上げた。思い返せば、実行委員たちの荷物が妙に多かった。でも、正直なところ、私は怖いものは得意ではない。それでも、勇気を振り絞って後ろに付いてきたクラスメートの二人に言った。
「いいじゃないのよ。ゆうちゃんには村田がついてるし。ほらっ、うまくすれば、暗闇でいつもより接近できたりして♪」
そう茶化したものの、肝だめしのスタート地点に立った瞬間、その言葉をすぐに後悔した。その上、
「ちょっと待て、待てっ! 俺は肝だめしなんてご免だからな! 怖いのは嫌いだ!絶対に行かないぞ!」
村田が声を震わせながら、腰を引いて叫ぶ。
「私も怖いのは苦手~!」
ゆうちゃんもそんな調子だ。
私だって同じだ。入り口で思わず後ずさった。林の中は昼間でも薄暗く、冷たい風が奥の方から吹いてくる。
「な、何よ、二人とも情けないなぁ」
私はから元気でそう言いながら、ゆうちゃんに視線を向けた。
「美夏ちゃん、怖くないの?」
「だって、お化けが出たって、どうせクラスメートじゃない」
けれど、本当は私も、心臓がバクバクしていた。
葉擦れの音すら、まるで誰かのささやきのように聞こえる。
先を歩く笹原は、飄々とした様子で振り返ることもなく、まるで散歩にでも出かけるかのようだった。
「行かないぞ、俺たちは!」
再び村田が叫んだ、そのとき――。
ガサッ、と音を立てて、目の前の笹が揺れた。
「うわっ、もう、出たぁ!」
悲鳴にも似た声が響く。と、そこに現れたのは……
「そんなに驚かないでおくれよ。イベントの様子を見に来ただけなんだから」
杖をついたオーナーだった。白髪に薄い笑みを浮かべて、ゆっくりと近づいてくる。風にそよぐ笹の葉音が、ますます不気味さを際立たせる。
「もうっ、オーナー、驚かさないで下さいよ……!」
私たちは胸を撫で下ろした。オーナーは恥ずかしそうに頭をかきながら、
「毎年、ここでレクリエーションする生徒たちを見ていたもんだから、懐かしくてね。また来てしまった」と微笑んだ。
「せっかく他のクラスメートたちが準備してくれたんだから、行ってあげなきゃ」
そう優しく言われ、私たちは気持ちを奮い立たせる。林の中へと一歩踏み出すと、湿った土の匂いが鼻をくすぐった。暗がりに揺れる影が、ひときわ不気味に思えた。
それでも、オーナーのあたたかい笑顔を胸に、私たちはそろりそろりと、薄暗い林の中へと歩み出していった。
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