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英雄
しおりを挟む指揮官として、生存者達を率いて数年
人々を恐怖の渦へと突き落とした感染症への特効薬が開発された
その効果たるや凄まじく…
投与された被験者は立ち所に理性を取り戻し、人々は待ち望んだ『再会』に涙を流して喜んでいた
…一人、その様子を眺める
何だか遠い世界のように感じた
七日前の偵察
とある感染者が所有していた、朽ちかけた手紙
かろうじて読み解けるそれに記されていたのは…もう誰も知らない、私が幼い頃の愛称
顔も朧気な、母が呼んでいたその名だった
たった七日
ただそれだけの差だったのに
嗚呼…ならば
ならば何の為に、私は母を殺したのだろう
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