愛について。

彩乃

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セフレ

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私は、セックスは好きだった。

その人に必要とされて、独占されて、時を共有して、愛を物理的な形で受け止めるような感覚。

でも、終わったあとの喪失感は嫌いだった。
全てが白くなる。
中も頭も。


好きな人と身体だけの関係を続けるのは辛かった。

中が擦れるのと同時に自分の心も削られるように快感を得ていた。


あの日は、ただ、ナイーブなだけだった、と言い訳させてくれないだろうか、もう一度、関係を持たせてくれないだろうか、身体だけでもいいから、
心なんてもういらないから、今、私の上に被さっているこの人を私から引き剥がしに来て。
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