孤児が皇后陛下と呼ばれるまで

香月みまり

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3章

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教師陣が退出し、少し落ち着いたところで部屋の扉が叩かれた。

「まぁ、お早いですわね?」

応対に出た一番年若い女官の奈凛が、来訪者に向けて朗らかに笑ったのを見て首を傾ける。
今度はそれほど堅苦しい相手ではないらしい事にわずかにほっとする。


「苓様。姉上様がご挨拶にお見えになりました」

しかし扉の向こうの応対をしてこちらに向きなおった奈凛の言葉に、苓は先ほどよりもさらに緊張する羽目になる。

姉上!!私の!?というか本当の皇女様ではないか!!

慌てて身づくろいを正して「どうぞ」と声をかけると、開いた扉の隙間からひょっこりと、長い髪を流したままの目鼻立ちのくっきりした小柄な少女が顔を出した。


そして

「あなたが苓ね!!かわいい!!私の妹!?きゃー初めての妹!!」


ぴょんぴょんと身軽に近づいてきて、がばっと抱きつかれた。

突然のことで驚いて固まるしかなかった。

これが、、、皇女、、さま?

鄒恋すうれんっていうの!あなたの1つお姉さんよ」

抱きつかれたまま、ニコニコと満面の笑みで見つめられる。

「れ、苓です」

「うん知ってる!!待ってたのよ~もう昨日から楽しみすぎて眠れなかったのぉ~」

そう言いながらぎゅうっとさらに強く抱きしめられて、困惑した苓は女官たちに助けを求める視線を送る。

「雛恋様も苓様同様に市井で育たれて、こちらにいらっしゃいました。同じような境遇でございますので
何かと心強いかと思われます」

景華が淡々と説明をしてくれて、苓はなるほど、、とようやく肩から力を抜いた。

「同じ境遇のねえ様達がお嫁に行ってしまって、ここ数か月この宮は私一人で寂しかったの!なんでも聞いてね!いろいろ教えてあげるから!!」

身体から離れたと思ったら今度は両手を握られて、キラキラとした瞳で見つめられて、苓はぎこちなくうなずいた。

「よろしくお願いします。お姉さま」

「もっと気楽にいきましょう!恋よ恋!!敬語もなし!」

びしっと目の前に指を突き付けられて、苓はコクコクとせわしなく頷いた。

かしこまったり、ぶっ飛んでいたり、、、今日はいろいろと忙しいなぁ、、、と心の中で大きくため息を吐いた。
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