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1章 血塗れになったエルフ
第25話 お魚くわえたヘキオンちゃん!
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「――ぷは!」
カエデが地面に落とされた時。クエッテとの修行を終えたヘキオンは、2人で川の水をぐびぐびと飲んでいた。
「疲れたぁ……」
「これだけウゴくのはヒサしぶりだな」
顔にパシャパシャ水を被る。ダラダラ流れている汗を冷たい水が削り取っていった。とても気持ちよさそうな顔。幸せそうだ。
「結構な時間経ったと思うけど……まだかな」
「……シンパイ」
ゴロンと寝転ぶヘキオン。空はまだまだ明るい。太陽はちょうどヘキオンの真上にあった。
「ミにイってみる?」
「……まぁカエデさんが居れば死ぬことはないと思うよ」
「カエデをシンジすぎじゃない?アってどのくらいよ?」
「えーっと……3日と……ちょっとくらい?」
「それでよくシンライできるね……もしかして好きの?」
「いや別に」
ケロッとした顔で言う。見ただけでカエデに恋愛感情がないことがよく分かる。……カエデが見たら死にそうだ。
「カエデさんはね、私を2回も助けてくれたんだ。ウルフィーロードの時も人狼に襲われた時も。カエデさんが居なかったら私はここに居ない」
「……へぇ」
ニヤつく顔をする。そんなクエッテに気がつくことも無く、ヘキオンはのほほんとしていた。
「なんか動いたらお腹すいたね」
「ここらでおヒルにしようか」
目の前には広い川。ピチピチと跳ねる魚。ヘキオンとクエッテが食べようと思うものは一致していた。
「ツリザオもってる?」
ヘキオンが首を振る。
「じゃあツクろっか。エダとツルモってこよ」
「?普通に魔法で獲らないの?こう……雷でバチバチっと。そうすれば焼く必要もないし」
「そんなにコマかいソウサはできない。それにカワはデンキをよくトオす。そうなったらカワのサカナがヒツヨウブンよりもシんじゃう」
「はえー。そうなんだ」
納得するヘキオン。まるで幼児番組の教育コーナーに出てくる生徒役の子供のように頷いている。
ヘキオンが肩をコキコキ鳴らす。
「……なにしてるの?」
「わざわざ釣竿を作るのはめんどくさいでしょ?ちょっと待っててね」
「そんなフのままだったらヌれちゃうよ」
ヘキオンの服はスポーティでちょっとピッチリしてる。濡れたら気持ち悪い感触がしそうだ。
それに対してクエッテは露出が多い服だ。人によっては水着と勘違いするかもしれない。これなら水に濡れてもそこまで被害はないだろう。
「大丈夫!私は水の魔法使いだからね!水は友達だよ!」
「それリユウになってない――」
クエッテが止める暇もなかった。ドボンと音を鳴らして川に入るヘキオン。
「……フツウにハイるんだ……」
クエッテは潜るヘキオンをキョトンと見ていたのだった。
「――たっだいまー!」
ビチビチ動く魚を3匹手に持ちながら上がってきた。当たり前だが頭の先からつま先までびちゃびちゃである。
「おお!スゴいね。スモグりでそんなにトれるんだ」
「ふふふ。私も田舎育ちだからね。よく素潜りとかしてたんだ!」
魚を地面に置く。陸に打ち上げられてもなおまだまだ元気に跳ねていた。新鮮さが見てとれる。
艶々の表面。まだまだ黒い目。色は白く、産卵期の鮭のようだ。腹はプックリ膨れており中身が詰まっていて美味しそう。
「これってなんの魚?」
「ここらでは『ユッコ』ってヨばれてるサカナだよ。イマがちょうどシュン。これはおナカにたっぷりタマゴが入っているしオイしいよこれ」
跳ねる魚のお腹をぷにぷにとつつく。弾力。指が弾むような弾力。触るだけで美味しいのが分かる。
「――そういえば……ヘキオン、フクはダイジョウブなの?」
びちゃびちゃのヘキオン。服が張り付き体のラインがピッタリと現れている。なかなかスタイルがいい。目を見張るものがある。カエデがいたら鼻血を出して卒倒しそうだ。
「ハハハ……」
「……」
「……どうしよ」
カエデが地面に落とされた時。クエッテとの修行を終えたヘキオンは、2人で川の水をぐびぐびと飲んでいた。
「疲れたぁ……」
「これだけウゴくのはヒサしぶりだな」
顔にパシャパシャ水を被る。ダラダラ流れている汗を冷たい水が削り取っていった。とても気持ちよさそうな顔。幸せそうだ。
「結構な時間経ったと思うけど……まだかな」
「……シンパイ」
ゴロンと寝転ぶヘキオン。空はまだまだ明るい。太陽はちょうどヘキオンの真上にあった。
「ミにイってみる?」
「……まぁカエデさんが居れば死ぬことはないと思うよ」
「カエデをシンジすぎじゃない?アってどのくらいよ?」
「えーっと……3日と……ちょっとくらい?」
「それでよくシンライできるね……もしかして好きの?」
「いや別に」
ケロッとした顔で言う。見ただけでカエデに恋愛感情がないことがよく分かる。……カエデが見たら死にそうだ。
「カエデさんはね、私を2回も助けてくれたんだ。ウルフィーロードの時も人狼に襲われた時も。カエデさんが居なかったら私はここに居ない」
「……へぇ」
ニヤつく顔をする。そんなクエッテに気がつくことも無く、ヘキオンはのほほんとしていた。
「なんか動いたらお腹すいたね」
「ここらでおヒルにしようか」
目の前には広い川。ピチピチと跳ねる魚。ヘキオンとクエッテが食べようと思うものは一致していた。
「ツリザオもってる?」
ヘキオンが首を振る。
「じゃあツクろっか。エダとツルモってこよ」
「?普通に魔法で獲らないの?こう……雷でバチバチっと。そうすれば焼く必要もないし」
「そんなにコマかいソウサはできない。それにカワはデンキをよくトオす。そうなったらカワのサカナがヒツヨウブンよりもシんじゃう」
「はえー。そうなんだ」
納得するヘキオン。まるで幼児番組の教育コーナーに出てくる生徒役の子供のように頷いている。
ヘキオンが肩をコキコキ鳴らす。
「……なにしてるの?」
「わざわざ釣竿を作るのはめんどくさいでしょ?ちょっと待っててね」
「そんなフのままだったらヌれちゃうよ」
ヘキオンの服はスポーティでちょっとピッチリしてる。濡れたら気持ち悪い感触がしそうだ。
それに対してクエッテは露出が多い服だ。人によっては水着と勘違いするかもしれない。これなら水に濡れてもそこまで被害はないだろう。
「大丈夫!私は水の魔法使いだからね!水は友達だよ!」
「それリユウになってない――」
クエッテが止める暇もなかった。ドボンと音を鳴らして川に入るヘキオン。
「……フツウにハイるんだ……」
クエッテは潜るヘキオンをキョトンと見ていたのだった。
「――たっだいまー!」
ビチビチ動く魚を3匹手に持ちながら上がってきた。当たり前だが頭の先からつま先までびちゃびちゃである。
「おお!スゴいね。スモグりでそんなにトれるんだ」
「ふふふ。私も田舎育ちだからね。よく素潜りとかしてたんだ!」
魚を地面に置く。陸に打ち上げられてもなおまだまだ元気に跳ねていた。新鮮さが見てとれる。
艶々の表面。まだまだ黒い目。色は白く、産卵期の鮭のようだ。腹はプックリ膨れており中身が詰まっていて美味しそう。
「これってなんの魚?」
「ここらでは『ユッコ』ってヨばれてるサカナだよ。イマがちょうどシュン。これはおナカにたっぷりタマゴが入っているしオイしいよこれ」
跳ねる魚のお腹をぷにぷにとつつく。弾力。指が弾むような弾力。触るだけで美味しいのが分かる。
「――そういえば……ヘキオン、フクはダイジョウブなの?」
びちゃびちゃのヘキオン。服が張り付き体のラインがピッタリと現れている。なかなかスタイルがいい。目を見張るものがある。カエデがいたら鼻血を出して卒倒しそうだ。
「ハハハ……」
「……」
「……どうしよ」
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