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面白い偶然
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美穂は,帰宅してから,いつも通り部屋着に着替え,ワインとチョコレートを持ち,パソコンの前に座った。
1ヶ月前から,フォローしているアマチュアの若手落語家のページを開き,更新していないか,確かめた。
美穂は,自分では書かないものの,誰でも自由に落語を執筆し,投稿できるサイトを購読していて,毎日,読者の反応が飛びきりいいものを探し,読んでいる。この時間は,美穂にとって,一日で唯一寛ぎ,ほっこりできる貴重な時間になっている。
1ヶ月前にたまたま発見した人の落語が,特に面白くて,特定されたら怖いから,普段はフォローなどの反応はしないようにしているものの,この人だけをフォローすることにした。
当サイトは,誰も本名を使わないし,プロフィール写真も,本人の顔写真ではなく,漫画風のイラストなので,フォローしても,どんな人なのか見当がつかない。
「新作,出ている!」
美穂は,嬉しくなり,フォローしている「落語君」さんの新作を開いてみた。すると,目玉が飛び出そうになった。
今日,職場で,雄二が書いていた落語だった。数行しか読んでいないが,間違いない。全く同じ台詞が出ている。
美穂は,一瞬も迷わずに,「フォローをやめる」のオプションを選択し,「落語君」さんを自分のフォローリストから,削除した。
「関係の重複はあってはならない。」
美穂は,そうつぶやいて,寝床に入った。
***
次の日は,土曜日で,雄二が山田さんを誘い,弘樹と弘樹の彼女の沙智と4人で飲んでいた。
「弘樹さんの彼女さんは,とても綺麗な人ね!」
沙智がトイレに行っている間に,山田さんが弘樹に言った。
「そうだよ!この人は,僕と違って,順風満帆ですよ!就職も,すぐ決まったしさ。」
雄二が羨ましそうに嘆いた。
「すぐって,僕だって,10社ぐらい受けたよ。」
弘樹は,特に謙遜しているつもりもなく,事実を述べた。
「たった10社受けて決まるなんて,いいなぁ!僕は,40社も受けたよ!散々断られた挙句,今の鉄の女社長の会社だしさ!」
雄二が嘆き続ける。
「40?この間,30って言ってなかったっけ?」
弘樹が突っ込んだ。
「私も,10社ぐらいだったわ。」
山田さんが言った。
すると,沙智がトイレから帰って来た。
「鉄の女って言っているけど,仕事中に落語を書いていたんだろう?それは,怒られても,仕方ないなぁ。」
弘樹が指摘した。
沙智も,山田さんも,頷いた。
「だって、仕事を回してくれないからさ…仕方ないじゃん。」
雄二が弁解する。
「私も,上司だったら、コテンパンに叱ってやる。」
沙智が言った。
「まあ、私の件は、気にしなくていいよ。私が今度,社長に言うから。全然私のタイプじゃないし,弟みたいなもので,絶対に進展しないってね。」
山田さん(香織)がキッパリと言った。
「え?…僕って,そんなにダメですか?」
雄二が傷ついたように,訊いた。
「安心させたいから,そう言うね。」
香織が言った。
「そこまで言わなくても…。」
雄二が悲しそうにつぶやいた。
「え?もしかして,傷ついた?
安心させるために言うだけだから,真に受けないでよ。」
香織が雄二の落ち込んでいる様子に気づいて,慰めようとした。
「しょうがないなあ…だって,50社受けて,ようやく受かった男だしなあ…。」
雄二がまた嘆き出した。
「会社数,また増えている!」
弘樹がまた突っ込んだ。
1ヶ月前から,フォローしているアマチュアの若手落語家のページを開き,更新していないか,確かめた。
美穂は,自分では書かないものの,誰でも自由に落語を執筆し,投稿できるサイトを購読していて,毎日,読者の反応が飛びきりいいものを探し,読んでいる。この時間は,美穂にとって,一日で唯一寛ぎ,ほっこりできる貴重な時間になっている。
1ヶ月前にたまたま発見した人の落語が,特に面白くて,特定されたら怖いから,普段はフォローなどの反応はしないようにしているものの,この人だけをフォローすることにした。
当サイトは,誰も本名を使わないし,プロフィール写真も,本人の顔写真ではなく,漫画風のイラストなので,フォローしても,どんな人なのか見当がつかない。
「新作,出ている!」
美穂は,嬉しくなり,フォローしている「落語君」さんの新作を開いてみた。すると,目玉が飛び出そうになった。
今日,職場で,雄二が書いていた落語だった。数行しか読んでいないが,間違いない。全く同じ台詞が出ている。
美穂は,一瞬も迷わずに,「フォローをやめる」のオプションを選択し,「落語君」さんを自分のフォローリストから,削除した。
「関係の重複はあってはならない。」
美穂は,そうつぶやいて,寝床に入った。
***
次の日は,土曜日で,雄二が山田さんを誘い,弘樹と弘樹の彼女の沙智と4人で飲んでいた。
「弘樹さんの彼女さんは,とても綺麗な人ね!」
沙智がトイレに行っている間に,山田さんが弘樹に言った。
「そうだよ!この人は,僕と違って,順風満帆ですよ!就職も,すぐ決まったしさ。」
雄二が羨ましそうに嘆いた。
「すぐって,僕だって,10社ぐらい受けたよ。」
弘樹は,特に謙遜しているつもりもなく,事実を述べた。
「たった10社受けて決まるなんて,いいなぁ!僕は,40社も受けたよ!散々断られた挙句,今の鉄の女社長の会社だしさ!」
雄二が嘆き続ける。
「40?この間,30って言ってなかったっけ?」
弘樹が突っ込んだ。
「私も,10社ぐらいだったわ。」
山田さんが言った。
すると,沙智がトイレから帰って来た。
「鉄の女って言っているけど,仕事中に落語を書いていたんだろう?それは,怒られても,仕方ないなぁ。」
弘樹が指摘した。
沙智も,山田さんも,頷いた。
「だって、仕事を回してくれないからさ…仕方ないじゃん。」
雄二が弁解する。
「私も,上司だったら、コテンパンに叱ってやる。」
沙智が言った。
「まあ、私の件は、気にしなくていいよ。私が今度,社長に言うから。全然私のタイプじゃないし,弟みたいなもので,絶対に進展しないってね。」
山田さん(香織)がキッパリと言った。
「え?…僕って,そんなにダメですか?」
雄二が傷ついたように,訊いた。
「安心させたいから,そう言うね。」
香織が言った。
「そこまで言わなくても…。」
雄二が悲しそうにつぶやいた。
「え?もしかして,傷ついた?
安心させるために言うだけだから,真に受けないでよ。」
香織が雄二の落ち込んでいる様子に気づいて,慰めようとした。
「しょうがないなあ…だって,50社受けて,ようやく受かった男だしなあ…。」
雄二がまた嘆き出した。
「会社数,また増えている!」
弘樹がまた突っ込んだ。
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